二人の帰り道
文化祭で更新遅くなりました(汗
シルヴァくんといい感じです♪
「つ、疲れた・・・・・」
女王・イザベラ様の部屋を出たころにはもう辺りはすっかり暗くなっていた。
「イザベラは本当にお喋りですからねぇ。まあ、アリスも負けないくらい喋ってましたが・・・」
「だってイザベラさんってすごく話が合うんだもん!!ただ、あのテンションで一日中話し続けたら誰だって疲れるよ。」
「聞いてる僕だって疲れましたからね。」
お昼は城の超高級な感じのするランチをいただき、ティータイムを二回挟んで私とイザベラ(とたまにシルヴァ)は一日中喋りまくった。
この国の最高権力は国で一番魔力・精神力・寛容力のある女王にあること。
全ての住民の暮らしはみんな豊かで、大して(というかほとんど)変わらないこと。
この国はアリスがその役割を果たしているときに最も栄えること。
などのこの国についてお勉強をした後、
誕生日、身長、好きなお菓子、服の趣味、嫌いなこと、噂話etc・・・・・
の同学年同士のお喋りみたいなことを話し続けた。約8時間。
初対面なのにすごく話が弾んで、尽きることがなかった。
「また来たいな〜」
「いつでも好きなときに来ればいいですよ。」
「でも女王様は忙しいでしょう?」
「あの人は大して仕事しませんから☆」
「女王がそれでいいの・・・??」
「僕がやったほうが雑にならないんで。」
ああ〜納得。
ふと上を見上げるとそこには煌々と輝く三日月。
「綺麗だねぇ・・・」
「本当ですね。この三日月より美しい太陽とはどんなものなんでしょう。
僕はこの国で育ったのでその太陽を見たことがないんですよ。」
「太陽は、すごく明るいの。この三日月の何十倍も。丸くて強い光を放つんだ。
でもね・・・・・」
「でも?」
「私にはその光は強すぎたんだ。何でも照らして追求しようとするその光に
私は耐えられなかった。でも耐えられないことは許されなかったんだよ。
どんどん居場所がなくなって、本当に辛かった。
辛かったんだよ・・・・・・」
「もういいです、アリス。」
「え?」
突然シルヴァに抱きしめられた。彼の固い胸から鼓動が聞こえてくる。
「アリスはもう三日月の国の住人なんです。
ここにアリスの居場所がある。ここの光は強すぎない。
いつも柔らかな三日月があるだけ。
嫌なこと思い出させてごめんなさい。」
「ううん・・・・・シルヴァが謝ることじゃないよ。」
何故だろう。
彼がこんなにもすぐ傍にいるだけで辛い気持ちがシャボン玉のように消えていく。
「じゃ、帰りましょうか。」
にこっと彼は微笑むと私の手をとって歩き始めた。
三日月は二人の影法師を優しく見守っていた。