疲れた
キーンコーンカーンコーン・・・・・・
終業のベルとともに長すぎる一日が終わった。
授業もテストもほぼ完璧。
さりげなく発言したり、スカートのすそを綺麗に揺らしたり、
明るく笑ったり。
スマートな女の子として振舞ってみた。
なんかめぐ変わったよね。
みんながそう思って、あたしに好奇の目を向け、
それがやがて賞賛の眼に変わった。
そう、あたしの計画通り、一日目が終了したわけ。
そうなんだけど・・・・・・・・
学校がこんなにも疲れるところだったなんて思いもよらなかった。。。
友達、教師、クラスメイト。みんな心に感じてることは
嫉妬や、野心や、自己愛ばっかりで、正直うんざりした。
特に腹が立ったのが、友達を大切にしましょうとか、みんなが大切なんですとか、口ではいろいろほざいてるけど、心の中ではあの子とあの子が可愛いとか、どうやったら給料が上がるかとか、そんなことばっかり考えてる教師。
覗いて損したって感じ。
ま、世の中そんなもんかもしれないけど。
ふっ、とため息をつく。
帰ろ。
重たい鞄を抱えて歩き始める。
あの家に帰るのかと思うと、なんだか足取りも重たくなるけど、
行く場所も帰る場所もなかった時代に比べればずっとましだと思う。
お腹すいたな。
ご飯なんだろ。
そんなことをとりとめもなく考えながら下足室で靴を履き替えて足早に出て行った。
あたしを、寂しげに見つめている少女がいることなんて全く気づかずに。