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第1話『救いの手』
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これは、私が戦いに巻き込まれることになった昔の出来事だ。
だから結果は変わることもないし、結末はすでに分かっていることだ。
でも誰かには知って欲しい。
私は日向灯。
これは私の昔話だ。
2
「おーい準備は出来たか?」
いつもの休日なら一番起きるのが遅い父親が今日はやけに行動が早い。
そして母親もそそくさと車に乗り込む。
「灯も早くしなさい」
母も私を急かしてくる。
そんなに急がなくてもいいのに……
そう思いながらも車に乗り込む。
今日は家族揃ってお出かけの日だ。
特に行く先は決まってもいない。
両親たちによる勝手な思い付きだ。
特に用事も無い私はそれに付き合う羽目になった。
18歳の休日。
まぁ特にすることもないのだ。
家にいたって仕方が無い。




