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好きな女の落とし方

アラン視点です。

前作「悪役令嬢(仮 〜」を読んでないと意味がわからないところがあるかと思います。

なので、今回は、読まなくても差し支えない話となっております。

「ふふふ、ごめんなさいねー、アラン。良いところで邪魔しちゃってー。」


全然これっぽっちも悪いと思っていないくせに。

案の定、ニヤニヤしながら、俺の顔を覗き込んできた。


「悪いと思っているなら、部屋に入ってこないで下さいよ。」


「えー、だってー、旦那様が帰ってきて、アンナちゃんが居るって教えたら、一緒にご飯食べたいって言うんですもの。」


そう、あの後、今までの甘い雰囲気は全て消え去り、みんなで食事という、ほのぼの団欒の時間へと移り変わった。


とにかくうちの家族はアンナが大好きだ。

いや、正確にいうと、母と父がアンナの母君とアンナが大好きなのだ。

詳しくは知らないが、母と父は、アンナの母君が好きすぎて、気が合ったのが馴れ初めらしい。

髪の色以外は、母君似のアンナはとにかく我が家で大人気なのだ。

猫好きの父は、何故かアンナに着けさせる為に、アンナの髪の色に合わせた黒猫耳カチューシャを家に常備している。

ちなみに銀色の猫耳カチューシャもあり、アンナに持って帰らせたがっている。

まあ、アンナも嫌がっていないし、猫耳つけたアンナは可愛いから、文句は無いが。


「せっかく、アンナちゃんが家に遊びにきた時は、2人きりにしてあげてるのだから、さっさと押し倒せばいいのにねぇ。」


「それを、ことごとく邪魔してる人が言うセリフですか。」


相変わらずニヤニヤしながら、息子を揶揄って遊ぶなんて我が母ながら、意地悪だと思う。


「だってー、最近ルイーゼと会えてないんだもの。アランばかりズルいじゃない。」


ズルい、さっきもアンナに散々言われたな。

『ズルい…。』

少し高めの体温なのか、温かい手のひらを俺の頬に当てて、耳元で少し掠れた声で囁かれた時は、めちゃ腰にきた。

頬を引っ張られ無かったら、その場でソファに押し倒してた。

まぁその後、寝室で押し倒す寸前まで行ったけどな。


「ルイーゼに会いたいー。早くアンナちゃんを嫁に貰って、親戚付き合いさせなさいよね。」


相変わらず、自分の欲望に素直な母だ。


「だったら、子供の頃、婚約でもなんでもさせてくれたら良かったでしょう?それに…アンナが好きなのは、未だに彼女の伯父ですよ。」


思わず愚痴が出た。

そう、アンナが好きなのは、昔から彼女の伯父だ。


「あら?自分が落とせないからって、他力本願かしら?これだから男は情けないわねぇ。」


…母、図星だけに、心に刺さります。


「アラン、お前は昔からアンナちゃんの事、好きなのでしょう?初めてあった時、可愛くて泣かせちゃった時からかしら?」


…母、お願いだから、黒歴史を引っ張りださないでほしい。


「せっかく私似で美形に産んであげたんだから、その顔、フル活用して、さっさとモノにしなさいな。初恋を拗らせてないで、それこそ、色気で好きな子を落としてみなさい。」


ーーー私の息子ならそれくらいやってみなさいな。


と、昔ヒロインだったらしい俺の母は。

まるで悪役みたいにニヤッと笑った。



前作ヒロインの旦那様が誰なのかわかっていただけましたでしょうか?

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