07 遭遇
アイルに友達が出来ると良いですね!
投稿時間ズレてすみません!
え?
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
嫌、てっきり俺の事嫌いなのかと思ってたけど……、ちょっと過剰な愛情表現なの?ツンデレなの?ってかツンデレの領域超えてるよ!
そういいヴェルは俺の手を引っ張りアルティナから離れされる。
「こいつは俺の子分だ!お前の子分じゃ無いんだぞ!」
何故か知らないが少し涙目になりながら言う。
多分だが、自分の大切なおもちゃを取られそうになった感覚なのだろう。
「まっまぁ、私も本気じゃ無かったけど……。」
あ、本気じゃ無かったの?
良かったぁ、あのセリフは俺の彼女さんに譲ってやる事が出来そうだ。
「まぁまぁ、一旦落ち着こうよ。喧嘩は良くないよ?」
このイケメンは誰なのだろう。
なんか凄いオーラがある。
髪の毛は浅葱色でヴェルより少し背が高い。
「やぁ、僕はカイトだよ。アイル君だよね。ヴェルからよく聞いてるよ。よろしくね。」
流石イケメン。
笑顔で話し掛けてくるのは上手い。
さぞかしこの笑顔で幾多の女性をホテルに連れ込んだのだろう。
っていうかこの世界にホテルとかってあるのかね?俺自身行った事無いけど。
「俺、ガジル!よろしくな!」
元気溢れる感じの子だなぁ。
髪の毛は朱色で良く動きそうだ。
「あの……私の名前はぁ……ユキです!よっよろしくね!」
どうやらこの子は静か系の女の子らしい。
髪の毛はホワイトピンクで、俺位の身長だ。同い年かな?
「ゆっユキちゃん……」
なんかヴェルが言った気がするが気にしない。
俺は分かる紳士なのだ。
これでどうやら全員の自己紹介が終わった様だ。
「じゃあ何して遊ぶのよ?」
確かにアルティナの言う通りだ。
ってか基本無計画なんだね。
「鬼ごっこ!鬼ごっこしようぜ!」
鬼ごっこ……久し振りに聞く言葉だ。
日本に居た時は小学生以来やっていない。
ってかこの世界に鬼ごっこがある事がビックリだよ。
「それでも良いけどこいつルール知らないと思うぞ?」
アッハッハ、残念だったな兄よ!
我は日本人であったため知っているのだよ!
「えーと、少しなら分かるよ。
鬼になった人が他の人をつかまえるために追って鬼と触れたら負けなんだよね?」
フッフッフ……完璧だろう。
「そうだよ。良く知っているね。でも何で知ってるんだろう?」
あ、ヤベ……見栄張り過ぎた。
何か良い言い訳は……あっそうだ!
「とっ父様が言ってたのを聞いたんだよ!」
「あぁなるほどね。まぁアイルもルール知ってたから早速始めようか。」
「そうね、でも誰が鬼になるの?」
あぁそうだ。鬼が居なくては鬼ごっこは成立しない。
せっかく外へと出たのにこれで終わりだと困ってしまう。
「そうだねぇ……最近やってない人が良いよね……って事はユキになるか「じゃあ俺やるよ!」
どうやらヴェルがやってくれるらしい。
流石俺の兄。分かりやすいぜ。
「え?でもこの前も鬼になってなかった?」
へ?そうなの?ヴェル優しすぎんだろ。
一ミリぐらいだけなら見直そう。
「そうだよぉ、だから私が「いや!俺で良いよ!鬼好きなんだよね俺!」
「そっそこまで言うんだったら……。」
「じゃっじゃあ20秒経ったら追い掛けてね!」
「おう、分かった!」
そういいヴェルは手を閉じた目に当てる。
「いーち、にーぃ、さーん…」
ヴェルが数え始めると同時に周りの皆が一斉に散らばる。
俺も逃げるとしよう。
身体強化付きでなぁ!
大人げない?そんなの知らん。
これは戦争だ。負ければ死すのだ。
そんな事を考えているとガジルが声をかけてくる。
「なぁアイル、一緒に逃げないか?」
なるほど。俺と一緒に逃げるとはいい判断だな。
「俺、森に逃げるつもりなんだけどよぉ。そこなら絶対にバレないんだぜ。」
どうやら情報との対価に仲間になれという事らしい。
良しその情報買った。
「うん、いいよ!」
森と言っても別に危険じゃ無いだろう。
まぁもし熊が出たら魔法を使えば問題無いしな。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
森へと入りさらに深部まで行く。
気分は探検隊だ。
迷子のな。
どうやら俺達は迷子になったらしい。
だが別に心配しなくても大丈夫だ。
どうやらガイルが俺を助けてくれるらしい。
流石、森のプロフェッショナルは違う。
「マッママァ……あああアイル!おっ俺が助けてやるからな!しし心配するなよ!」
だが声が震えている、何故だろう。
ってかなんだその「ああああ」って、俺は某龍のクエスト系ゲームの勇者になったらしい。
まぁぶっちゃけ言うと俺にはスキル【魔力感知】があるから帰り道は分かるのであまり迷子になったという感情は無い。
もしもになれば身体強化でガイルを背負って全力ダッシュすれば良いしね。
そんなの呑気な事を考えていると途端に周りが静かになる。
先程聞こえていた木の葉が揺れる音も。
虫の音も。動物の声も。
その場だけ時が止まっているかの様に思わせられる。
地面に落ちている木の葉が潰される音がする。
クシャリ……クシャリと。
俺達の足音では勿論無い。
俺達は人塊になっている。
守ると言っていたガイルはうずくまっている。
さっきの威勢はどうしたのだろうか。
俺は冷静にスキル【魔力感知】を発動する。
反応なし……。
どういう事だ?
俺が驚いているのは他にある。
それは、周りの魔力を感じれないという事だ。
ガイルの魔力も。先程まで居た小動物の魔力すらも。
生物には魔力がある。
その魔力が多いか少ないかは個人個人で違うのだが魔力があるのだ。
それを感じやすくするのがスキル【魔力感知】なのだ。
だが感じないと言う事は、何かしらの邪魔が入っていると言う事になる。
確実に意図的な何か。
何者かが俺たちを襲おうとしている訳だ。
音が大きくなっている。
段々……段々と大きくなっていく。
「あ、あぁぁあ゛あ゛あ゛」
ガジルが俺の後ろを指差し、失神した。
何かが垂れ、アイルの首に落ちる。
俺はそれを触り目で確かめる。
唾液だ。
そう。唾液だったのだ。
『シャハァァァ……』
鳴き声が聞こえる。
見たくは無いが後ろを振り向くとそこには……。
俺よりデカイ……そして、俺の父さんより3倍程デカイ、何かが居た。
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