③『お金を稼ぐ事』
③ or ③+more を選んだ君は手元のその作品で『お金を稼ぐ』道を選んだ。
でも、それは茨の道であり、覚悟も準備も必要な道だ。
ひどく残酷に聞こえるかもしれないが、先に記しておく。
君は『お金を稼ぐ事』を考えなければならない。
『応援してくれる人』も『やりたい事』も不純物である。
そう考えられた方が効率的である。
昔、音楽活動をしていた。
その時に自分はこう考えていた。
「金は将来稼げばいい。今は『応援してくれる人』を大事にして『やりたい事』をやっていれば、金は将来ついてくる。」
なんの根拠もなかった。
あるものは『応援してくれる人』の多くは『やりたい事』に共感してくれたのであり『お金を稼ぐ事』を1番に考える姿勢ではないという漠然とした何かだった。だから『お金を稼ぐ事』を無視した。正直に言えば怖かったのだろうと思う。『お金を稼ぐ事』を前面に出すと『やりたい事』が『やりたい事』じゃなくなる気がしていた。
しかし、会社の人間や、『応援してくれる人』は言ってくれていたのだ。
「誰もお前達を責める事はしない。だから、売れる事だけを考えろ」
その言葉は甘言ではなく、100%善意のものだった。
それでも、怖かった。今ある変化が何かを壊してしまう気がしていた。
だから、『お金を稼ぐ事』を否定した。
結果、何も残らなかった。
会社に所属してた時代、周りは大きな期待を持ってくれていた。新しい知り合いがどんどん増えていく事を疎ましく思っていた事すらあった。しかし、会社から活動停止を言い渡され、苦しいと思っていた時期『応援してくれる人』は緩やかに減っていった。それは「自分達の未来に絶望して嫌いになった」という理由だけではない。就職したり、他の事に興味をもったとか、そんな単純な事なのだ。
『応援してくれる人』の為に『やりたい事』をやっていた自分は自然に何もできなくなっていった。
単純な話、失敗したのだ。
だから、君には最初から『お金を稼ぐ事』を考えてほしい。
それは、改めて人に宣言すべき事ではないと思うが、少なくとも恥ずべき事ではない。むしろ、現実を直視できていると誇りに思うべき事である。『お金を稼ぐ事』は、嫉妬という名の強烈な否定を作るのも事実だが、新しい『応援してくれる人』を必ず君の前に連れてきてくれる。
それに、君が『お金を稼ぐ事』という努力を続けていくのであれば、必ず否定を評価が上回るだろう。そして、昔から君を『応援してくれる人』の中には、君の頑な前を向く姿勢を評価し、ずっとついてきてくれる人もいるだろう。
※1つ誤解が無いように言っておきたい。
『応援してくれる人』を大事にするな、という事ではない。『応援してくれる人』が応援を辞めてしまう事は、例えるならば、事故であり、防ぎ様がない事なのだ。勿論『応援してくれる人』ができるだけ離れない様に、作品を展開していく事は可能だろう。
それでも、君から離れてしまう可能性は存在する。
昔からいる『応援してくれる人』はもちろん大事にして欲しい。しかし、君はバランスを考えなくてはならない。つまり、そこに執着するのではなく『お金を稼ぐ事』で得られる新しい賛同者、つまり新しい『応援してくれる人』の事も考えなくてはならないのだ。そして、新しく得た『応援してくれる人』を割合的に大きく考えた方が「精神衛生上良い」という事を覚えておいてほしい。
『お金を稼ぐ事』を至上とし、先に進むうえで『応援してくれる人』を意識する事は大事である。しかし、全員を相手にしようとしてはならない。その作業は肉体的にも作業的にも大きな負担になるからだ。必要であるものと、そうではないものと線引きできた方が、君は効率的に前に進むことができるだろう。
さぁ、覚悟はできただろうか?
次は、準備の話をしよう。
君は手元にある作品で『お金を稼ぐ事』を考えている。
『お金を稼ぐ事』というのは売れる事だ。
『やりたい事』は引き出しにしまっておこう。
君に今必要な事は、世の中が求めている潮流に合わせられる「変化」だ。
さぁ、君の作品は、どこまで準備できているだろうか?
⑴まずはテーマとしてどうだろう?
世の中には必ず流行している潮流が存在している。その潮流のリサーチは勿論しないといけないだろう。その潮流に対して変化が必要だ。簡単にいうと、売れた作品と、全く同じ作品を世に出しても、オーディエンスは納得をしない。いい意味で裏切らなければいけない。君の作品はできているだろうか?
⑵次に作品自体の精度だ。
物書きでいう所の文体はどうだろう? 音楽でいうなら、歌い回しであり、メロディーラインだ。独創的とは言わないまでも、世の中にあるものと比べて、ありふれたものになっていないだろうか?
売れるという事は、世の中の潮流を理解しているという事が重要だ。上で挙げた2点は自分が思いつく上で最低限必要な事であり、成功した人や会社などが求めてる事は、もっと繊細で、きっと分かり難い事だろう。それを理解していないなら『お金を稼ぐ事』の準備ができているとは言いきれない。
出来ていないなら、理解する努力をすればいい。
成功した人の作品と、自分の作品のどこが違うか?見比べてみる事は重要な事だ。可能なのであれば、自分が思う成功した人に、直接話を聞く事も大事だろう。それをどう処理するのかは、君次第である。大事な事は知りたい事への行動力であり「隙あらば奪ってやる」という貪欲な精神と、スポンジのように柔軟な理解力だ。あとは、それを実践する勇気と、間違ってる事を素直に認め、やり直す勇気もあれば完璧だ。
その先は、君の作品が自主制作か会社制作かの選択をして、そこに併せて行動をすればいい。音楽に関しては別の話になるが、大抵の場合、会社を通した方がより『お金を稼ぐ』事ができる。少なくとも彼らは、君より流通に特化しており、売る事のノウハウを知っている。会社といい形で契約する事を第1に考え、それにそって作品を変化させていけば、間違いはないだろう。
最後に『お金を稼ぐ事』を語る上で「無視できない」話をしたい。
倫理的な話を無視した準備である。
これは、完全な悪手であり邪道だ。
倫理的な問題は次の一手を最悪にする可能性がある。
ただ『お金を稼ぐ事』として考えるなら悪くはない。
だから、おススメはしないけれど、否定もしない。
1つ言える事は、それでも「努力の方が尊い」という事だ。
PSYというアーティストをご存知だろうか?韓国生まれの彼は「江南スタイル」という曲をきっかけに、世界的な時の人となるのだが、そのやり方には否定の声がある。彼のこの曲は、公開されてから、わずか4カ月で、YOUTUBEの当時世界1位の8億という再生回数を超え、その再生回数を原動力とし、アメリカの著名人達と共演する事になる。
「作品のテーマ?」「作品の精度?」そんなものは関係ない。
アイデア一つで、この約4k文字あるページそのものを否定したのである。
注目すべきは、この再生回数を元に一躍時の人になったという事実である。やり方は稚拙で露骨だ。しかし再生回数だけで世界規模で有名になれたのである。googleの最高事業責任者曰く「2013年1月の時点で10億回以上再生された江南スタイルはYOUTUBEの広告収入で約3億円手に入れただろう。」と発表している。
※彼のYOUTUBE公式ページにある「江南スタイル」は2012/07/15 に公開された。ちなみに2017/6/11現在 再生回数''2,864,610,950回''で世界1位である。
PSYがYOUTUBEとどんな契約をしているのかは謎である。なので、28億という再生回数でいくら稼いだのかは、本当は解らない。「炎上商法」も似ているが、基本的にこの手のやり方には先がない。残るモノは「焼け野原」である。それでも、もし1曲で数億のお金が手に入れられるのなら、悪い話ではないと思う。だが、そこは人の価値観だろう。『お金を稼ぐ事』の方が大事だというなら、否定はしない。しかし「努力の方が尊い」と思うのは、元クリエイターとしての意地なのだろうか?
『お金を稼ぐ事』は難しい。世の中の潮流を読み色々と綿密な計画を立て、ありとあらゆる無駄を省き、素晴らしい作品を作り、会社と密な連携を取っても成功するとは限らない。そこには運が関係したり、会社同士の関係があったり、自分ではどうにもならない要因が時に邪魔をしてきたりする。
それだけではない。
目に余る否定も対処しないといけない。無視をしてはならない、彼らの感情論は、時に自分の力になる事を知っているからだ。それでも精神は確実に擦り減っていく。そんな毎日を簡単に「天才」や「天災」が追い越していく。成功したからといって終わりではない、今度はそれを維持しなくてはならないのだ。
どう考えても茨の道だ。
それでも『お金を稼ぐ事』には夢がある。「誰々が印税でいくら稼いだ」という話は、業界全体に夢を与える。夢は行動力や勇気の原動力であり、何も知らない人達の道標となる。君が道標になろうとしている事を、なぜ非難しないといけないのだろう?成功するかも解らない暗い獣道を掻き分け、茨の道を掻い潜り、ただひたすら前を向く君をどうして批判できるだろう?
だから、祈ろう。君の「努力」が必ず大きな花を咲かせる事を。
誰も言ってくれないなら、言ってやる『お金を稼ぐ事』は尊い事だと!