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①『名誉な事』

 まず、1番最初に謝らないといけない事がある。

 

 というのも『名誉な事』とは一体何を指す言葉なのか?それを当時の自分は専務から聞き出すことが出来なかったのだ。なので、専務が示した『名誉な事』と、自分が示している『名誉な事』には隔たりがある可能性がある。謂わば「意訳」であるという事を予め了承してほしい。 


 そもそも『名誉な事』とはなんだろうか?

 当時の自分はこう考えた。

 

 「評価してくれる人、つまり『応援してくれる人』を無くさない事だ」


 我ながら、単純である。

 でも、純粋にこう考えていた。

 

 「音楽でアメリカに渡り、評価されMTVなどに出て、賞を総なめにする――。

でも、これって、お金があればできる事じゃね?」


 専務は確かに言ったのだ。

『名誉な事』と『やりたい事』と『お金を稼ぐ事』はどれか一つしか選べないと。


 (結果2つ以上を得ようとして見事に失敗するのだが……。)


 人によっては「天皇陛下の御前に立ち挨拶をする」というのも『名誉な事』だ。

でも、これも『お金を稼ぐ事』を続けていれば、チャンスはある話だ。褒章や勲章は成功者の証であり『お金を稼ぐ事』の先にあるといえる。いってしまえば『やりたい事』を追求した先にも受賞できる可能性は十分にあり得る。


 『やりたい事』や『お金を稼ぐ事』で得られるなくなる『名誉な事』


 つまる所、評価なのではないだろうか?『やりたい事』だけに執着し続け、評価の声を無視し続けたとしたら評価の声はどうなるだろう?『お金を稼ぐ事』についても同じことが言える。評価の声は小さくなり、固執を続ければ、全部消えてしまう可能性すらある。だから、自分は『名誉な事』とはオーディエンスを納得させる事、つまりは『応援してくれる人』と仮定した。


 

 なので、話を戻すが「①と②、①と③は(イコール)じゃないのか?」と思った人は、正解である。①を『名誉な事』という定義の無い言葉そのままにするのであれば『やりたい事』と『お金を稼ぐ事』は『名誉な事』に繋がる可能性がある。しかし『名誉な事』を『応援してくれる人』とすると、話が少し変わってくる。


 ※これ以降『名誉な事』は『応援してくれる人』と仮定した状態で話を進めるので、表記上『応援してくれる人』としています。



 人は時として身勝手である。


 勿論、全ての人がそうではない。それでも当たり前の話だが、人にはそれぞれ個性があり感情がある。さらにいえば生活がある。それに、人は成功したものに対して、嫉妬という名の否定を示す事がある。それ以外にも、趣味の変化があったり、結婚したりと生活が変化する事によって『応援してくれる人』は変化する。


 変化をするものに『やりたい事』や『お金を稼ぐ事』等の自分のエゴをぶつけるのは、個人的にはあまりおススメできない。勿論、ぶつけた先に『応援してくれる人』が君にとっていい方向に変化してくれる可能性は存在するが、100人中100人がそうだとするのは、やはり無理がある。逆に『応援してくれる人』が応援を辞めてしまう可能性すらあるのだ。そう考えると、



 『応援してくれる人』に合わせ変化する道の方が効率的ではないだろうか?



 ある日君は、とある作品を作って発表をした。そんな中、とある熱心な人が君に応援のメッセージをくれた。単純に嬉しい事である。君は、今手元にある作品は『応援してくれる人』の為に作ろうと考えた。


 まずは、どこを好きになってくれたのだろうか?

 

 作品全体のテーマなのだろうか?それとも、物書きでいうなら、文体やセリフ回し的な所なんだろうか?音楽でいうなら、歌いまわしやメロディーライン、もしくは単純に外見の話なのだろうか?リサーチは必要である。気に入ってくれたのなら、そこに答えるべきであるし、次の作品に活かしたい。



 ※この時点で、仮に『応援してくれる人』が君の『やりたい事』をやる姿勢や『お金を稼ぐ事』への執着心を評価し、応援したいと考えていたなら「一時的」に①と②、①と③は共存ができる。なぜ「一時的」とするかというと、上でも書いた通り『応援してくれる人』が求めているモノは変化する事があるからだ。つまり『やりたい事』や『お金を稼ぐ事』を引き出しにしまう必要がある可能性が出てくる。1度、君の『やりたい事』や『お金を稼ぐ事』を評価したからといって、それが恒久的なものであるとは言いきれない。大事なのはリサーチである。


 確実な事は、変化する声の為に作品を作るという事は難しいという事だ。

 

 1-2人の『応援してくれる人』の意見を作品に反映させる事は、それほど難しい事ではない。しっかりとしたリサーチがあれば、ニーズが解る。求めてる物がわかるのであれば、あとは形にするだけだ。しかし10-20人を同時に相手するようになると、少し難易度は上がる。多数を相手にするという事は、それぞれの声に耳を傾ける必要があるのだが、全員が解りやすいはずがない。


 まず、無言の応援や否定も『応援してくれる人』として見る必要がある。


 解りやすい『応援してくれる人』つまり「YES」の声は、リサーチをすればある程度の傾向が解る。しかし、全ての人が声を上げてくれるとは限らない。無言の応援という形は確実に存在するのだ。しかし、君には作品の内容がどう響いたのかわからない。彼らは何も教えてくれないし、否定する人は否定しか残さない。結果、君には作品が否定されたという事実しか残らない。鬱になる展開だ。


 しかし、ちょっと待ってほしい。

 確実な事が1つある、彼らは君の作品を「どこまかで」は確認したのだ。


 その上で否定をしたのだ。

 という事はどこかまでは良かったのだ。題名なのか?テーマなのか?

 そこを調査できるのなら、今、手元にある作品に活かす事ができる。

 

 怖がらずにリサーチしてみたらどうだろうか?「YES」の方は活かす事ができるのだ。君なら必ず否定も活かす事ができる。否定した人が君の未来の為の否定をしたのであれば、話の中に成長のヒントがある。それを力に変えて、次の作品に活かす事が出来たら、否定した人は必ず君の力強い『応援してくれる人』となってくれるだろう。


 しかし、世の中には、時間を潰したいだけの非生産的な人もいる。そういう人は、極論を言ってしまえば相手にしなければいい、相手にすると精神が摩耗する。しかし逆に、出る言葉を作品の一部にしてみたり、言葉から作品を作ってみてもおもしろいのではないだろうか?全て、芸の肥やしなのである。その前向きな姿は『応援してくれる人』にプラスに映る事間違いないだろう。

 

 多数を相手にするという事は本当に難しい。


 結論から言うと、どんなに君が魅力的な作品を作っても、どんなに前向きに動いても『応援してくれる人』が君から離れる可能性を0にはできないのだ。『応援してくれる人』が増えれば増えるほど、1人1人へのカバーが甘くなる。それを嫌がる人も出てくるだろう。しかし、上で書いた前向きなリサーチや、信念ある行動は限りなく0にしてくれるだろう。

 

 そして、確実に君の周りには多くの『応援してくれる人』が集まるだろう。

 集まった『応援してくれる人』は君に世間からの注目を与えてくれる。

 

 『応援してくれる人』を大事にしながら、歩んでいく人生。

 それは、クリエイターとして喜ぶべき『名誉な事』であり、

 作品を作る者としての本懐なのではないだろうか?




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