5話
翌日…今日は学園が休みだぜぇぇぇ!!
でさあ二度寝……と思っていたのだが
「街に出てみようぜディラン!」
「五月蝿せぇ!俺は寝るんだよ!」
「いいから来いって、何か飯食わしてやるから」
……はい、ご飯に釣られました…何だよ悪いか?文句あんのかコラ
てな訳で幼馴染み二人と学園を出て街へと向かう
「何しに街出るの?」
「まあ気晴らしとマイハニーにプレゼントを買おうと思って」
「なのにレヴィも付いてくるのか?」
「当たり前だ、マイハニーだけ置いて行けるか」
「あら嬉しいわマイダーリン」
別に俺行く必要無くね?二人で行ってこいよ
「何で俺呼んだ?」
「え、だって暇だろ?それにお前いた方が不良とかに絡まれた時に楽だし」
そういう事かよ…まあ確かに暇だったけど、まあ飯奢ってくれるなら何でもいいや
街というのは学園の周辺にある住宅街の様な所…雑貨屋や飲食店、果物屋等が連なる
大陸の三国…アルニラム王国・シェダル連邦国・アルタイル帝国が交わる場所で色々なものが沢山ある
「まあまあ、私も何か買ってあげるから」
「ならアレ買ってくれレヴィ」
指をさした方には焼き鳥の屋台があった、さっきから匂いが気になってたんだがアレだったのか……美味そうだな
「早速食べ物なのね…ダーリンがご飯奢るって言ってるのに食べるの?」
「それはそれ、これはこれ」
「よく食べるわね…まあいいわよ」
そう言って屋台へ向かって行く、6本入のものを買ってきてくれたようだ
「はい、どうぞ」
「ありがとう、では」
うむ、美味い…タレがいいねこれ
焼き鳥を食べながら雑貨屋へと向かって歩く、その途中
「なあオリヴァー、あれも買ってきてくれ」
「まだ食うのかよ…全然構わないけどよぉ」
次に指をさしたところには豚の丸焼きが表に出ている店…つまり豚肉料理の屋台を指さした
屋台から戻ってきたオリヴァーの両手には紙皿に乗った豚肉のステーキがあった
「美味そう…頂きます」
「相変わらずよく食うよなお前」
「人に奢ってもらう飯は格段に美味い」
「お前…本当、何だろうな…ダメだよな」
オリヴァーの言いたい事は何となく分かる、でもこればっかりは俺の性格だからどうにもならんな
雑貨屋に着く、何を買うのかと思えばネックレス買ってきやがったぞアイツ…俺に飯奢ってネックレスも買ってって、金持ってんな
「よく似合ってるよハニー」
「ありがとうダーリン、これ一生大切にするわ…二人の思い出として」
「愛してるよハニー」
「私もよダーリン」
うっぜェ…すべからく帰りてぇ、なんで来ちゃったのかな俺……あ"あ"あ"何かイライラするし不良とか絡んでこないかな
店を出てオリヴァーか飯を食べるならいい所を知っているとの事で移動中
と、ここで
「よう、ちょっとツラ貸せよ」
3人程ガラの悪い輩に絡まれ裏路地と連れていかれた
フラグ回収だな、乙
「なあ、俺ら今金無いんだよ…ちょっと貸してくんね?」
「そこの女とくっついてる奴、金持ってんだろ?」
「ほらほら、さっさと出しちまえよ」
「そうだぞオリヴァー、さっさと渡しちまえ」
「おい何サラッとそっち側に混じってんだよ!飯奢ってやるって言ったろ!?」
確かに…カツアゲされたら飯食えねぇな、しょうがないか
ポンッと一人の男の方に手を置く
「あ?何だよお前」
「ぶっ飛べ」
男は後ろの壁まで吹き飛び激突、そして気絶した
半分位の力で殴ってやった
「テメェよくも!」
「舐めんなよ!」
向かってくる二人を圧倒的な力で蹂躙、何をしたかはご想像にお任せします
「ま、マジでスイマセンした…もうしません」
「本当にもうしませ…スミマセンでした」
3人は土下座して帰って行った、さてさて飯だ!
「飯だオリヴァー、早く」
「分かってるって、行くぞ」
目的地に到着した、オリヴァーの言っていた店はどうやらイタ飯屋のようだ
「ここのパスタ凄い美味いぞ」
「マジでか、それは楽しみだ」
中はなかなかお洒落だな、そんな事より飯だ飯
さっき不良ボコして腹減ったんだよな……お、いいなこれ
「これ頼む」
「どれだ?…あ、それ見つけたかお前」
そう、俺が頼もうとしている料理は…7人前の超大盛りミートソースパスタ
因みに制限時間60分で挑戦成功は無料…失敗の場合普通盛りの値段の3倍
「お前食えるのか?」
「心配するな、行きに屋台で奢って貰ったから昼飯代チャラにしてやる」
「おお、ありがたや…失敗するなよ?」
「大丈夫だろ」
そんな訳で頼みました、出てきた皿には山になったミートソースパスタ…普通の人が見たら食欲が失せる程の量
「こりゃ食べごたえが有りそうだな」
「さっきまで食ってたヤツのセリフには聞こえねぇ」
「本当によく食べるわよねディラン、今度何か作ってあげようか?」
「オリヴァーへの手作り料理で失敗したなら全部食ってやるよ」
「あら、察しがいいわね」
当たり前だろ、何年一緒にいると思ってやがる
別にレヴィは料理が下手な訳では無い…寧ろプロ並みに上手いし美味い
唯、オリヴァーに食べさせるとなると途轍も無い程凝り性になる…その為3食以上失敗作が出るのは当たり前、多くて6食は失敗作になる
その失敗作…と言ってもかなり美味いのだが、それを全て完食してきたのが俺なのである
まあそれより今は目の前の山だ
「いただき」
「俺らも食べようかハニー」
「ええ、そうしましょう」
パスタへとがっつきみるみる内に山は無くなっていく
そして15分程経つ頃にはあと1口まで減っていた
「お前……よく食うよな」
「何か物足りないな、帰りにもう一度焼き鳥奢れ」
「それでもまだ食うのかよ!まあいいけど…」
「ディランの胃袋は底無しのようね」
そしてペロッと最後の一口を食べ終える
遠くで見ていたシェフさん、最初は余裕の表情をしていたのだが5分経過辺りから驚愕の顔へと変わっていき完食時にはもう意識が何処かへ行っていた
俺の分の食費が浮いたな、感謝しろよオリヴァー
帰り道、焼き鳥を5本購入してから学園へ戻った
「ディラン!貴方ちょっと来なさい!」
帰って早々ソフィアさんに呼ばれた、何だろう?
「何ですか?」
「いいから学園長室行くわよ!」
何故か怒っているような感じで言われ学園長の所へ向かった
「ディラン君〜、またやらかしたでしょ」
「へ?俺何かしました?」
「街で喧嘩したでしょ?それを見た生徒が僕に報告してきたんだよ」
「ああそれですか、どうせ報告したのもルーズの取り巻きでしょう」
「ご名答、流石だねディラン君」
喧嘩って不味かったか?正当防衛にならないかな
「まあ多分少しデマも混じってるんだろうけどまたやり過ぎたね君〜、本当そういう所大好きだよ」
「ハハハ、少し蹂躙しただけですよ」
「因みにその時の顔どうだった?」
「最高でした」
「学園長とディラン?その辺にしておかないとそろそろ撃ち込むわよ?」
おっと、怖い先輩から静止がかかったのでこの話はここまでにしておこう
「まあ実のところ報告されたところで何もするつもりは無かったんだけどね、一応呼んでおこうと思って」
「構いませんよ、どの道午後は暇でしたから…因みに喧嘩って不味いんですか?」
「まあ場合にもよるけど、一方的な喧嘩は駄目だね」
「向こうから絡んできた場合は?」
「それは正当防衛に認められる範囲内だよ、恐らく君が一方的に叩き潰している所だけを見たんだろうね」
成程な、タイミングが悪かったのか
学園長室からでて寮へ帰る道を歩く、すると
「よお…お前、街で喧嘩したらしいな」
ニヤケ顔が実に不快なルーズが壁に寄りかかっていた
やっぱコイツの取り巻きだったか
「ああ、したぜ…用が無いなら俺はもう行くぞ」
「好きにしろ、どの道お前は退学処分かなにかだろ?」
「ハハハ、随分と面白い事を言うなお前…お咎め無しだそうだ」
「何!?どういう事だ!」
「大体向こうから絡んできたんだぜ?それに対して俺は抵抗しただけ…正当防衛って事だよ」
「ば、馬鹿な…そんな筈!」
「嘘だと思うなら学園長に聞いてこいよ…じゃあな」
こんな奴と話してる暇なあるならとっとと帰って寝たい
開いた口が塞がらない状態のルーズを気付いてい無いかの如く無視して自分の部屋へと戻る
疲れた……まさか休みの日にあの馬鹿共に誘われて街に出る羽目になるとは
まあ出された課題もその日のうちに終わってて暇だったしいい時間潰しにはなったけど
授業中は寝てるけどテストや課題は出来る奴ですよ俺は…アレだね、タチの悪い生徒だね俺
そんな訳で俺の休日が幕を下ろした