表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/76

1:C級勇者の不遇なる人生。

 三宮さんのみや 和子かずこという女性がいた。

 高校生の時に唐突に異世界に召喚! なんてゲームとか小説のようなことになり、挙句に召喚された先で『なぁんだ、C級勇者かよ……』なんて残念がられた残念勇者だった。


 平凡な容姿、平凡な頭脳な彼女は今でいう毒親から解放された喜びもつかの間、いきなりディスられた挙句にロクな説明もなく世界のために戦えと放置状態でよくわからない世界である程度生き抜いて、成人間近だという頃に知り合ったA級勇者パーティと共に少し進んだくらいで強敵に出会って人生を終えたのである。


 その時の彼女のステータスはこうなっていた。


名前 : 三宮 和子

職業 : 勇者

ランク: C

レベル: 88

HP : 3500

MP : 6000

攻撃 : 1200

魔力 : 3000

特技 : 神聖魔法/回復魔法/属性魔法/体強化/鑑定/翻訳/アイテム生成



 こんなものであった。

 ちなみにA級勇者は同じくらいのレベルだったが、もっと違うステータスであったことは言っておく。

 とにかく彼女の召喚されてからのセカンドライフもそう充実したものではなかったのだ。

 その世界でもまあ人間関係の黒さなんてものを垣間見た分、これでよかったのかもしれないなんて思った三宮さんだった。



 ところが、だ。

 彼女は呆然とする事態を迎えていた。


 なぜならば、気がついたら暗闇で手もろくに動かせない状況。

 これはあの強敵のブレスにやられて全身やけどで生き残ったとかなのか! と脳内で慌てたものの、聞こえてくるのはあーだとかうーだとかの赤ん坊の泣き声だ。

 え? こんな重傷者の横に赤ちゃんとかおいてて大丈夫なの? そう思った。

 だが冷静になってくると、痛みがないのだ。

 魔法で痛みを除去しているにしても、体は火傷などの違和感を感じさせない。

 ということは違うのか、と思った。


 そしてもう少し過ごして衝撃の事実に彼女は目を丸くして絶句する。


 三宮 和子。享年19歳。

 現在は、なんと転生して赤ん坊、しかもどうやら召喚された先の世界とはまた違う世界に生を受けたのであった。



 目が見える、声が出る。

 温かく抱っこされる。

 大好きだよーなんていう兄の声がする。

 お父さんだぞーなんて声もする。



 ……あれ、今度の異世界あったかいね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ