プロセス5 悪友、親友、付き合い永久!
遅くなりました。
「ハァ、ハァ、クソッ!!!」
その少年は酷い傷を負い、森の中を走っていた。
とにかく早く領主様に伝えなくてはならない。そんな思いだけで足を動かしていた。
しかし、体力の限界が近い少年を嘲笑うかのように森の木々は縦横無尽に伸びていた。
「がっ!?」
木の根に躓き、少年は転んだ。転ぶたび幾度となく立ち上がった少年もついに立ち上がれなくなってしまう。
「……クソ。動け、動いてくれよ!!!!」
少年は体に言い聞かせるが、それはほとんど動かない。
「母さん…姉さん…父さん…」
少年は自分の無力であるという事実に打ちのめされ、折れかけであった。
「ごめん……みんな……」
「何を謝っているんですか?」
少年が完全に諦める直前、誰かが声をかけた。
地面に向けていた顔を上げると、そこにきれいな顔の小柄な子供がいた。
「傷だらけですけど大じょ……」
「頼む……領主様に伝えてくれ……西のボンダレフ村に盗賊団が……」
「……!! 本当ですか!?」
「頼む……村のみんなを……」
そこで少年は、意識を手放した。
「不味いですね。盗賊が村を襲うなど、ここ最近はなかったはず。ということは……」
伝言を託された子供はなにか呟いていたが、
「いえ、僕一人では無理ですね。ここは父さんに報告して領内の騎士団を出してもらいましょう」
と結論を早々に出して、これからの行動を決める。
子供は少年を軽々と担ぎ上げると自分の家、すなわちジンガー辺境伯邸の方角へと駆け出した。
「なるべく急ぎましょう。ボンダレフ村が潰れでもしたら厄介ですからね」
その速さは子供が人間を担いでいるとは思えない速さだった。
また遅れるかもしれません。
プロットがまだできてないのです。