プロセス4 情熱と夢のプレリュード
お待たせしました。
「そんなことはどうでもいい」
無理やり話を打ち切ったアキラは、ドイルに一冊の本を渡した。
「どこから出したんですか? というかなんですか、これ?」
「夢の中なんだからどうでもいいだろうよ。どこから出そうとも」
二本目の紙煙草に火をつけたアキラは、煙を吐き出すと語りだした。
「その本は、俺や先人たちの知識の集大成だ。名前はお前が決めろ。俺からの誕生日プレゼントだ」
しばらく考えていたドイルは、受け取った本の署名を思いついて様だ。
「技術・目録とでもしましょうか」
ネーミングセンスがドイルにはなかった。
「さて、ドイル。お前はどうするんだ?」
「どうするとは?」
「メタリックナイトだっけか? それを作るのか? 乗るのか?」
「まだ決めていませんが、一生関わっていけたらないいなとは思います」
そう告げたドイルに、アキラは優し気な眼差しを向けた。
「……そうか、がんばれよ」
ドイルの頭を撫でまわすと、最後にこう告げた。
「またな」
ドイルが目を覚ました。
「夢でしたか。不思議な夢でした……ね」
枕元に技術目録を見つけた彼は確信し、そして喜びに包まれた。ドイル少年五歳はいま、柄にもなくエキサイトしていた。無論心の中で。
ウキウキしながら表紙をめくるとそこには
『第一章 パイロットのための基礎トレーニングと体づくり』
とでかでかと記されていた。
「まずは鍛えろということですか?」
少し残念に思いながらドイルは再びページをめくるのであった。
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