プロセス3 前世の自己紹介?
「誰?」
さすがに驚いたドイルはたっぷり十秒かけて一番気になることを聞いた。
「俺は、お前の前のお前だ。いわゆる前世ってやつだな。お前の気持ちはすごくわかる、何でも聞いてくれ、応えられる範囲で答えよう」
頓智や謎かけのような応答に、ドイルはポカーンとしたと同時に、今日はいろんな感情に出会うなとしみじみ感じ入っていた。
「何も聞きたいことないならこっちから話すけど、どうする?」
「いや、僕から聞いたほうが混乱が少なくて済むでしょうから。一つ目に貴方のお名前は?」
「面白いガキで俺びっくりだよ。しっかりしてんな5歳のくせに。俺の名前はアキラ・コウエンジ。地球防衛評議会第三エリア特務戦闘機班班長兼人型機動戦闘機第三研究室研究責任者っていうのが肩書だな」
苦笑しながら髭のおっさんは自己紹介した。ドイルは地球というのが何だか判らなかったし、長すぎて憶える気も起きない肩書を暗唱するおっさんに恐れおののいた。
「おいおい、そんな化け物を見る目で俺を見るな。お前も時が経てば、これ以上に長ったらしい肩書を背負うことになるかもしれない。だが、その肩書がお前の剣や盾になるってことを忘れちゃいけねーよ」
どこから取り出したのか紙煙草に火を着け、吸い始めたアキラ。紙煙草を知らないドイルは、不思議なものを見ているが、どこか知っているように感じるのだった。
「あと聞きたいことは?」
「なんで、前世の貴方が僕の前に現れたのですか?」
「簡単な話だ、共鳴したんだよ。巨大人型兵器というロマンにな」
「❝めたりっくないと❞のことですか? 確かにカッコいいと思いましたが……。しかし、それが貴方の出現に何の関係があるのですか」
「俺含め、ここ何代かの前世は巨大な人形を造り動かすことに注力してきたのだよ。ある男が発端でな……」
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