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途上世界のクレセント  作者: 山吹十波
#04 途上世界のクレセント
113/131

#scene04-ex1

昨日の分です。

予約を忘れていました。

遅れてしまって申し訳ない。


◇ナギとルイテルの悪巧み①


ナギが領地に入り、開発を進めて数か月。

最早、周辺の街と比較しても遜色がない程度には仕上がっていたエストールの街だったが、やるからには意味もなくこだわる派のナギがこの程度で終えるわけはなかった。


「というわけなんだけど、ルイテル」

「いいね。面白そうだ」

「……お二人とも、何の話をしているんですか?」


こそこそとテーブルについて話していたナギとルイテルの元へとやってきたペトラが怪訝そうな顔で二人を見る。


「いやぁ、ちょっと、色々ね」

「ルイテル様がとても楽しそうな顔を……これはまずいですね」

「いやぁ、ペトラ。最近言うようになったね?」

「そろそろ諦めて妻として夫をしっかり引き留めておけ、と陛下から手紙をいただきました」

「はっはっは、今度ライズの奴に嫌がらせしてやろう」

「いやがらせって……」

「奴の嫌いな野菜を城に送りつけよう」

「子供か!」

「……ルイテル様、本気じゃないですよね?」

「勿論――僕はいつでも本気さ」

「また城がブロッコリーで埋まるんですね……」

「季節になったら採れたてで最高に美味しいブロッコリーを鉄道便で送りつけてやるさ」

「贅沢な嫌がらせですね」

「その前にうちの領地ブロッコリーなんか作ってたかな……?」

「おっと、そうだった。まあ、なんか適当に送っておこう」

「……ところでお二人とも、先ほどは何の話を?」

「「おっと、それは言えないな」」

「なんていうところでハモるんですか……」


この数日後、大陸中からルイテルの名前で優秀な学者や教師たちが引き抜かれ、ナギが4区画をつぶして巨大な教育施設を作った。

来春からの開校を目指して、エストール高等学院は生徒募集中である。


――ついでに引き抜かれた先からライズの元へと苦情が殺到したのは別の話である。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


◇マッドリサーチャー


「おおー、これはいい感じじゃないか?」

「……魔術式も安定している」

「はい、機巧式も異変はないですね」

「何に使うんかは全く分からんけど、わくわくしてきたで」


機巧装置を乗せたテーブルを4人で囲みながら、記録用のレポートなどを記しつつ、怪しげな会話をするナギ、エレノラ、アイヴィー、キーリー。


4人が今日完成させたのは、降雪機である。

季節的にもうすぐ年末という事もあり、今まで雪などを見る機会が少なかったアイヴィーやキーリーのために雪を見せてやろう――という趣旨で作り始めたのがこれである。


ナギとキーリーは言うまでもないが、もちろんアイヴィーも機巧装置に関しては常軌を逸した才能を持っており、エレノラもあらゆる魔術に精通しているため、こういった術式を一から開発するような無茶苦茶な作業には喜んで混ざっている。


この四人が絡むと大抵世に出してはいけないようなものが出来上がるのだが。


「まあ、流石にこれは大丈夫だよな?」

「この前のクァーリーは流石にNGやったみたいやな。ルイテルが真顔になってたし」

「あれはパンドラに頼んで倉庫の中に封印した」

「見かけないと思ったらそんなことに……ガチの封印じゃないか……」

「ねえ、ナギさん。とりあえずこれ使ってみましょうよ」

「え、ああ、そうだな。よし、庭行くか」


この後、降雪機は予想以上の働きをし、中央街区西のかなり広範囲を雪で埋め開発が遅れたため、4人はクレハとシャノンに叱られることになる。

なお、四人だけでなく、一緒にはしゃいでいた老人と、若社長も一緒に説教を受けていたらしい。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


◇夫婦の時間


「ねえ、ナギ、今どんな気持ち?」

「最高の気分」


久々の休日で、ナギはソファの上に座り、膝の上にアイヴィーを乗せ右にクレハ、左にシャノンを抱き寄せてハーレムを堪能していた。


「うーん、3人同時だと贅沢な感じがするなぁ」

「そんなものなの?」

「まあ、それぞれ可愛いし……」

「可愛いだなんて、ナギ様」


照れるシャノンがますますナギにすり寄る。

それを見たアイヴィーが腕をナギの首に絡ませて口づけをする。


「……今日の夜は3人でしてあげましょうか?」

「え?そういうのアリなの?」

「私は別にいいけど……」「ナギ様が望むのでしたら」

「アイヴィーは?」

「少し恥ずかしいですけど……ほかの方がどのようにシているのかは気になるところですね?」

「そんな特殊なことはしてないわよ?」

「私も精一杯ご奉仕をしているだけですが」

「そうですか……マニアックなプレイなどはされてないのですね」

「……なんで少し残念そうなんですか?」


「で、ジーナはどうする?」

「えええ!?わた、私ですか!?」

「そりゃそうよ、あなただってナギの奥さんなんだし、実家のためにも子供作らなきゃダメなんじゃないの?」

「いえ、まだ結婚式も上げていませんし……」

「え?一回も抱いてもらってないの?」

「……………いえ、それは」


「ジーナさんも案外侮れませんね」

「やはりここは一度3人で強烈な刺激をナギさんに植え付ける作戦ですね」

「……なんかオレがすごい色におぼれてるみたいになってるけど、毎夜毎夜ベッドに来るのはお前らだからな?」

「我々は平民ですから、特に気にしません。籍は入れていますし、純潔を守ろうとかそういうの以前にナギ様に捧げましたし」

「私も似たようなものですね。まあ、こんな体の者を女として扱って頂けえるだけで充分うれしいんですが」


「仕方ないわね、今日は4人ね?」

「え゛?」

「ダメなの?」

「ダメじゃないけど、明日の仕事に差障りが出そうだなぁ、と」

「そんなこと言って、どうせ明け方までやってるんだから……それに」

「「キーリー」」

「呼んだ?」


ドアが開き、キーリーがひょこっと顔を出す。


「おおー、ナギ兄、色に溺れてるやん」

「羨ましかろう」

「まあ、そのレベルの美女に囲まれてるのは正直羨ましい気もするけど……で、シャノンさん、何の用?」

「精力増強剤をお願いします」

「いつもの避妊薬は?」

「それは4人分」

「りょうかいー。すぐ調合するしてくるでー」

「まて、キーリー」

「え?なくても行けるん?」

「……オネガイシマス」


「さて、と。今夜は平等に愛してもらうからね?」

「親に挨拶もしてないのに手出してるとバレたらオレぶっ殺されるな……」


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