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私立C大学付属小・中・高等学校(中編)

超有名な医学部を持つ私立大学付属の小中高等学校。全男子生徒に対する包茎検査を実施し、その結果を家庭に送付する。検査項目は①反転可否②恥垢有無③包皮の長さである。



①A溝まで露出できず B露出可能だがきつさがある C容易に露出可


②A多く見られる B少々見られる C見受けられない


③A包皮が長い B包皮がやや長い C包皮は短め



更に医師の所見を加えた総合判定が示される。




A早めに包皮切除を受けることを強く推奨する


B今後改善の見込みもあるが、できれば包皮切除が望ましい


C現状ではどちらともいえないが、包皮切除も推奨される状態。


D今後、亀頭が完全露出することが見込まれ、経過観察が相当。


E既に亀頭が完全露出しており、包皮切除の必要はない。



①A溝まで露出できず B露出可能だがきつさがある C容易に露出可


②A多く見られる B少々見られる C見受けられない


③A包皮が長い B包皮がやや長い C包皮は短め



検査結果はすぐにPC入力される。そしてほとんどの家庭にメールで送信される。このメールは学校と保護者が連携を取れるように設置されているものであり、保護者の携帯に届く設定も多かった。メールを見るのにはパスワードが必要であるため、ほとんどの家庭では子ども自身が先に見ることは出来ないようになっていた。メールを設置していない家庭にも翌日には送付される。早い家ではその日の夜には結論が出て返信が送られる。返信期限の5日後には99%の家庭から返信が届いていた。



医師による総合評価には同じような症状であっても、当然ながら年齢によって差異が生じている。今回の場合、無料の包茎検査でありさらには手術も無料である。学園側にも当然の思惑がある。それは全国に先駆けて行うことで知名度を挙げ、より優秀な生徒・学生を得ようということ。今回貸しを作ることでいずれ寄付を得ることができると想定されること、更に医学生たちに経験をつませることが出来るといったメリットがあった。だからどの年齢層にもA評価、すなわち手術推奨をするようにされていた。それでも小学校低学年と高校生では大きな差がある。




おおむね、小学校1年生~4年生までのキッズ、小学校5年生~6年生のヤング、中学生のジュニア、高校生のシニアに分けて基準を設けた。



キッズでは①②③すべてAの場合に限り、総合評価でA又はBを付していた。また1つでもCがあれば総合評価はDとして手術を推奨しなかった。一学年に50人以上の男子がいる学園であるから、各学年に1人か2人はEがつく生徒もいた。セレブゆえ、幼少期に包皮を切っている家庭や剥かせている家庭もあったのだ。実際、Aがつく生徒は一学年に1人~5人程度、BやCが5人~10人弱、残りはDとなった。



ヤングではAが3つの場合は総合判定もA、A2個とB1個なら総合判定はB、A2個とC1個またはA1個とB2個またはB3個ならば総合判定はC、それ以外はDというのを原則とした。しかし医師の所見でプラスマイナス1をつけることが許されていた。約50人の男子生徒のうち、Aをつけられたのは小5が約5人、小6が約10人。包皮を反転できない子は小5ともなれば垢がたまっており、包皮も長いケースが多かったので、意外とAは多かった。小5はBが約10名、Cが約15名、Dが約20名でEが3名程度だった。小6はBが約10名、Cが約15名、Dが約10名、Eが5名程度だった。



ジュニアは約150名の男子が一学年に在籍する。ジュニアでは①を中心に考え、②③は参考だった。①がA、すなわち溝まで剥けなかった者は無条件でAと判定され手術を強く推奨された。①がBの者、一応剥くことはできるが狭い場合はB以上の判定がつけられてしまう。①がC、容易に剥くことが可能であっても③で包皮が長い場合はB、時にはAがつけられてしまう。中学卒業時に包皮切除を推奨する社会的な流れもあり、中3では多くの生徒がAかBを付されていた。結果的に中1ではAが20%、Bが30%、Cが25%、Dが20%、Eが5%。中2ではAが30%、Bが30%、Cが15%、Dが15%、Eが10%。中3ではAが35%、Bが25%、Cが5%、Dが10%、Eが25%といった割合であった。



シニアは本来、来年以降なら全員が包皮切除を施されている年齢である。それゆえ、AまたはBを基本として結果が出された。①②③で一つでもAかBがあれば、総合判定はAとなった。容易に剥くことが出来て包皮も短く亀頭が覗けており、日ごろより性器を清潔に保つ習慣がある者のみがA評価を逃れることが出来た。総合評価Dとなるのは包皮が半分以上常時剥けている場合のみとされた。その結果大体Aが45%、Bが15%、CとDが5%、Eが30%となっていた。年齢があがるにつれて既に剥けているEが少々増え、AやBが減っていった。



項目評価・総合評価いずれも本人たちには知らされない。医師の所見による結果が突如保護者宛に送信されるのだ。子どもと話し合って決める家、親が一方的に決める家、様々である。もし親が手術希望を出した場合、子どもには拒否することが出来なかった。中には学校で突如手術を告げられるケースさえもある。

後編では手術を受けることになった男の子たちを描きます。

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