私立C大学付属小・中・高等学校(前編)
基本的に試験的導入は各地の公立中学で行われた。その中、有名大学医学部を持つC学園は付属の小・中・高等学校において自主的な試験導入を申し出た。医学部生の研修にも好都合という判断だった。かくして全男子生徒に対してまずは包茎検査が実施された。
C学園は田舎の子どもでも知っているような有名大学である。ここの医学部は、医者を目指す人なら誰もが憧れるような施設を持っていた。その分、付属小・中・高の学費も高く受験戦争も激しいので中級以上の階層でなければとても通うことは出来なかった。医学部を持つC学園は社会の流れを好機だと受け止めて、医学生の臨床体験を兼ねて付属校全男子生徒の包茎検査実施を決めた。時期は3学期初日。名目上は「臨時身体検査」となっていた。男子生徒だけを行ったのでは何かと不都合である。だからといって女子生徒を脱がせて何らかの検査を行うことを決めれば保護者をはじめ各所から問題が生じることは明らかであった。そこで女子生徒は小学校低学年・小学校低学年・中1と中2・中3と高1・高2と高3、という5グループに分け、体育教諭・養護教諭と産婦人科の医師らによる綿密な性教育が行われ、その後で個別の身体検査と問診を行うこととした。
さて、男子生徒はクラスごとに診察を受けることになった。ほとんどの親は包茎検査のことを子どもに伝えていなかった。診察は小学校/中高の体育館をそれぞれ使って行われる。カーテンで仕切られた簡易診察室がずらっと10個並んでいた。その中には医師が1人と見習いの学生1人、新人看護婦1人という構成だった。1クラスずつ、担任の先生に引率された体育館に入る。ほとんどの子が内科検診を想定してカーテンの中に入っていく。しかしそこでは医師の前に立たされ、後ろからズボンとパンツを一気に下ろされる。あっという間に医師がペニスをつかむ。後ろからしっかり羽交い絞めにされ身動きはできない。そして間髪いれず、包皮を剥かれるのだ。甘やかされて育ってきた子どもたちが多いこの学校では、初めて皮を剥いたという子も少なくない。小学校低学年ともなればほとんどの子がその場で泣き出してしまう状態だった。出来るだけ声が聞こえないよう、診察室の前には2人しか並ばせず、他の子どもは体育館の外で列を作って待機させた。
さすがに中高生となると体力的にもだまして無理やりというわけにはいかない。まずは教室でこれから行われる検査を説明する。いずれは麻酔を使わない包皮切除が義務化される見込みであること、痛みなく剥けないと種々弊害があること、隣国では小学生の多くが包皮切除を受けていること・・・大切な検査を無償で受けることが出来る君たちは幸せであるから暴れず素直に受けることを強く命じられる。ざわつく生徒たちを教諭が厳しく制した。中高生は診察室の前に並ばされ、絶対私語禁止となっていた。中流以上の階層であるから、家庭内で性の会話があることはまれである。意図的に性の情報から遠ざけられてきた生徒も多い。だから中高生の中にも、自らの包皮を剥いたことさえない者がいる。突然わが身をおそった検査への恐怖で、思わず泣き叫んでしまう生徒もいた。
検査項目は以下のとおり。
①反転の可否(A溝まで露出できず B露出可能だがきつさがある C容易に露出可)
②恥垢の有無(A多く見られる B少々見られる C見受けられない)
③包皮の長さ(A包皮が長い B包皮がやや長い C包皮は短め)
そして医師の所見による総合診断結果が記される。
A早めに包皮切除を受けることを強く推奨する
B今後改善の見込みもあるが、できれば包皮切除が望ましい
C現状ではどちらともいえないが、包皮切除も推奨される状態。
D今後、亀頭が完全露出することが見込まれ、経過観察が相当。
E既に亀頭が完全露出しており、包皮切除の必要はない。
結果が記された紙は診察日にすぐPC入力され、各家庭に送付される。それを受け、各家庭で包皮切除を行うかどうかの判断がされ、学校へ返信する。
中篇では包茎検査の結果を描いていきます。