第3章ーエピローグ ハンターギルドの立ち位置と思想
ロゼッタの新たな人生に必要不可欠な ”ハンターギルド” についてです
ハンターギルドとは、
帝国でも、国家でも、宗教でもない、
それでいて大陸全土に拠点を持つ、半公的・半民間の独立組織である。
かつて大陸を統一した帝国が崩壊した後、
各地にあふれた魔物、旧文明の機械兵器、暴走した剣闘士残滓、そして治安の空白地帯――
それらに対処するため、自然発生的に生まれた「腕の立つ者たちの寄り合い」が、
やがて現在のハンターギルドへと形を変えていった。
彼らは英雄ではない。
だが、誰かがやらねばならない仕事を請け負う者たちだ。
場合によってはハンター達が集まり 「クラン」 を作り、旧文明の遺跡調査や、強力なモンスター
など高難度の依頼を受けることもある。
高ランクハンターが集まるクランは、時に都市国家の軍事力すら凌駕する。
■ギルドの立ち位置と思想
ハンターギルドの根本理念は、極めて現実的だ。
「依頼があり、対価があり、生きて帰る」
それ以上でも、それ以下でもない。
正義や理想を掲げることはない。
帝国復興にも、反帝国運動にも、表立っては加担しない。
だが結果として、彼らの仕事が地域を守り、秩序を保っている。
そのため、各地の都市国家や自治領は、
ハンターギルドを**「必要悪」あるいは「最後の安全弁」**として黙認、もしくは公認している。
帝国残党でさえ、ギルドを完全には敵に回さない。
理由は単純だ。
ハンターギルドは、戦争になれば“傭兵団の集合体”になるからだ。
■ギルド内部の雰囲気
ハンターギルドの建物は、どこも共通して無骨で実用重視だ。
・石と鉄、もしくは旧文明の建物を利用し作られた頑丈な構造
・掲示板が最も目立つ位置にある
・酒場と医療室が必ず併設されている
・装備修理屋や素材商が併設
内部の空気は、常に雑音に満ちている。
金属音、笑い声、罵声、酒の匂い、血と油の混ざった臭気。
静かな場所ではない。
むしろ、生きている証が溢れている場所だ。
新人はすぐに分かる。
動きが硬く、視線が落ち着かない。
逆に、ベテランは言葉少なに、
しかし周囲の危険度や依頼の質を一瞬で見抜く目を持っている。
■ハンターランク制度
ハンターは、登録時に最低ランク(F)から始まる。
高ランクハンターは、時に都市国家や企業体ですら ”無視することのできない” 力を持つ
そのようなハンターは名前とは別に ”二つ名” で呼ばれることもある
ランクは、
腕前・生存率・依頼達成率・信頼度を総合して判断される。
重要なのは、
「どれだけ強いか」ではなく、
**「どれだけ生き残って仕事を終えたか」**だ。
だからこそ、
・剣闘士としては一流でも
・戦場で暴れ回ってきた者でも
・生身でもサイボーグでも
・以前の地位や階級が高くても
ハンターとしては最低ランクから始まる。
ロゼッタがそうであるように。
■依頼の種類
ギルドに持ち込まれる依頼は多岐にわたる。
・魔物討伐
・旧文明機械の回収・破壊
・街道警護
・行方不明者捜索
・帝国残党絡みの極秘案件
・剣闘士暴走体の鎮圧
などがある
中には、
「公式には存在しない依頼」もある。
そうした案件は、
受付を通らず、ギルド上層や顔役を通して、
”その分野” の達成率の高いハンターに直接持ち込まれる。
αチームやグレイヴのような存在は、
そうした裏の仕事を請け負ってきた者たちだ。
■ハンターギルドと剣闘士
この世界では、
元剣闘士は、ハンターとして歓迎される一方で警戒される存在でもある。
理由は明白だ。
・強すぎる
・戦い方が極端
・観客やルールを前提にした動きが抜けない者が多い
そのため、
剣闘士上がりのハンターは、
最初は「危険人物」として見られやすい。
ロゼッタが注目されるのも、
その異質さゆえだ。
ハンターギルドから見たロゼッタ・スカーレットは、
現時点ではこう認識されている。
・年若い
・最低ランク
・しかし明らかに訓練された身体
・戦い方が闘技場由来だが、生存を優先する異例の思考
(一部ではすでに、その素直さから ”小動物的” な感情を抱くものがいるとかいないとか)
つまり、
「伸びるか、壊れるかのどちらか」。
そしてギルドは、
そういう人間を何百人も見送ってきた場所でもある。
■ハンターギルドの本質
この世界のハンターギルドは、
安全な居場所ではない。
だが、
**帰る場所を失った者が、もう一度立ち上がるための“足場”**ではある。
帝国が壊した世界の中で、
それでも人が生きていくために生まれた、
不格好で、騒がしくて、現実的な組織。
ロゼッタが立ったのは、
そんな場所だ。
そしてここから、
彼女は「剣闘士」ではなく、
**「ハンター」**として、
世界と向き合っていくことになる。
第3章ー①へ続く
第3章 ハンター編 始まりました ここまで読んでいただいてありがとうございます。
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