第2章 エピローグ 奪還計画ー始動
1章までのあらすじ
廃都市で蘇ったロゼッタは、スパルタカスの魂を覚醒させたが、”皇帝”との戦いに敗れた
皇帝がスパルタカスの核を手に入れる瞬間、核は自ら5つに別れ世界各地に飛んで行った
スパルタカスの魂を失ったロゼッタは、実験体として捕らえられた。
生き残ったホーゲルは、とある人物へ ”依頼” を送信した。
捕まったロゼッタの運命は? ”ある人物” とは何者なのか?
第2章 スタートです
──奪還計画、始動
ホーゲルの通信は、帝国の監視網を避けるため、七重に暗号化されていた。
旧世界の戦争遺産――すでに誰も使っていないはずの地下回線を通り、さらに“存在しない番号”へと接続される。
そして、ある場所で。
低く、乾いた電子音が鳴った。
「……やれやれ」
薄暗い地下室。
長机の上に置かれた端末を前に、ひとりの男が葉巻に火をつける。
白髪混じりの髪、鋭く据わった目。
軍人のようでもあり、詐欺師のようでもある――そんな不思議な風格。
依頼請負の名は、ミスター・ワン。
だが裏の世界では、別の名で呼ばれている。
――バルカ。
世界の表舞台から消えたはずの人物。
だが裏側では、今も“面倒な仕事”の中心に必ず名が挙がる男だった。
「任務 ー帝国軍に捕獲された人物の救出・奪還ー」
画面に流れる短い報告文を読み、彼は小さく息を吐いた。
「ふむ。
……どうやら“大物”が動いたらしいな」
バルカは背後を振り返る。
そこには、すでに三人が集まっていた。
最初に目に入るのは、筋骨隆々の大男。
鋭く逆立てたモヒカン頭に、分厚い首。
胸元には――やたらと主張の強い金のネックレスが揺れている。
「チッ……帝国かよ」
男は腕を組み、吐き捨てるように言った。
「捕まったのは誰だ?
……まさか、兵士じゃねぇよな」
バルカは淡々と答える。
「若い。
正式な年齢は不明だが――外見は、まだ子供だ」
その瞬間だった。
モヒカンの男の表情が、はっきりと変わった。
歯を食いしばり、金のネックレスを握り締める。
「……子供、だと?」
低く、怒りを押し殺した声。
「帝国の連中……
戦争に“ガキ”を使うだけじゃ飽き足らず、
捕まえて実験材料にでもする気か?」
「だったら話は早ぇ。
正面からぶっ壊して、連れ帰ればいい」
「やれやれ、相変わらず短絡的だね」
軽い声で口を挟んだのは、もう一人の男。
整った顔立ち、無駄に洒落た服装。
笑みは軽薄だが、その目は一瞬たりとも状況を逃さない。
「帝国軍相手に正面突破?
それ、保険も女運も最悪なパターンだよ」
「うるせぇな。
このネックレスが黙っちゃいねぇんだよ」
モヒカンの男は胸元を叩く。
金属音が鈍く響いた。
三人目は、少し離れた場所で端末を分解していた。
痩せぎすの体、落ち着きのない指先、乱れた髪。
独り言のように、ぶつぶつと呟いている。
「帝国の拘束フレーム……神経遮断……
ああ、構造が美しすぎる……壊すのが惜しい……」
バルカは、その光景を見て満足そうに頷いた。
「諸君。
今回の依頼は単純だ」
一拍置く。
「帝国に捕らえられた一人の少女を、奪い返す」
モヒカンの男は即座に言った。
「やるに決まってる」
迷いはなかった。
「待った、バルカ」
伊達男が指を立てる。
「報酬の話、まだだ」
バルカは即答した。
「命だ」
空気が引き締まる。
「彼女の命。
そして、この世界が次にどう動くか――それが報酬だ」
沈黙。
やがて、伊達男が苦笑した。
「……まったく。
割に合わない仕事ばっかりだ」
技術屋が顔を上げ、目を細める。
「帝国が隠してきたものを、
全部ひっくり返せるってわけだ……いいね」
バルカは立ち上がり、コートを羽織る。
「敵は帝国だ。
皇帝の影が見える可能性もある」
出口へ向かい、振り返った。
「だが――」
低く、確信に満ちた声。
「不可能な作戦ほど、我々の専門分野だ」
赤い警告灯が回転し、地下施設を染める。
帝国は復活を目論み、力を集めている。
だがその裏で――
子供一人を守るために、
最悪で、最高の四人が動き出した。
ロゼッタ奪還計画。
それは帝国にとって、最初の“想定外”となる。
第2章 始まりました。
1章の雰囲気が暗く重かったので、明るく行きたいと思います。希望はあります。
それでは第2章 奪還編 始まります
某チームにそっくりですが違います。DVDなんか全部持ってません。
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