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あとがき

 願いごとは口に出すと叶わなくなる、なんてよく言いますが、口に出さなければいずれ忘れられてしまうものでもあると思うのです。


 故に、意識の外に追い出して、一切の注意を払わなくなったタイミングで願いが叶ったとしたら、それは"口に出さなかった・意識していなかったから叶った"ことになるでしょうし、仮に、普段から口にし続けた願いが叶ったとしても、私たちはそれをそれとして受け入れてしまうでしょう。


 明確なドリームキラーがいなければ、結局のところ生存バイアスめいたお話でしかなく、願いが叶うかは、ある程度の努力で近づけられる部分を除けば、単なるアトランダムということになるわけです。



 というわけで、拙作を手に取っていただき、ありがとうございます。今年もStory Tellerのノベライズを担当させていただきました、さんささんと申します。


 危うく、今年が終わるところでした(猛省)。


 今年は作詞の方から携わらせていただきまして、世界観をかなりしっかり作り込むことができました。


 そのせい(?)もあり、当初、短編〜中編程度で収める作品の長さが、去年と変わらない長編になってしまいました。


 また、私生活の環境変化もあり、毎日更新しようと考えていたのですが、そちらもできず……スケジュール管理の甘さを痛感した一年でした。



 本作は、「叶わない願い」をテーマとしており、登場人物たちの願いが全て、歪んだ形でしか叶わないお話になっています。


 しかし、大切なものは願ったことが成就することではなく、本人に救いがあること――というのは、作中でも述べましたね。


 顧客はドリルではなく、穴が欲しくてホームセンターに来るというやつです。自分の本質的な願望に対しての慰めがあるかどうかが、この現代社会においては大切なわけですね。



 また、前作「夢の旅路」のキャラクターたちも、カメオ的に出演させています。


 萌音、明樂、サユキ……そして、名も無き絵本作家も。本来はチョイ役、サービス程度の顔見せのつもりだったのですが、登場人物をあまり増やしたくない都合もあり、ガッツリメインキャラとして動いてもらいました。


 萌音は影が薄かったですね。明樂とサユキは舞台装置として便利に使いすぎた気がします。反省反省。


 

 とかく、反省点も多いですが、とても実りもある執筆となりました。


 我々、Story Tellerは、先日開催が発表された、2026のボカデュオも参加予定となっております。来年もまた、新たな物語を紡いでゆきますので、是非とも楽しみにしていただければ……!


 最後に、重ねてになりますが、拙作を楽しんでいただき、ありがとうございました。


 あなたの行く先に、幸あらんことを。



 2025/12/21 さんささん

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