第4話 盗賊狩りで姉さん死すデュ○ルスタンバイ
「 盗賊狩りに行くよっ」
ー唐突だな…
「え〜」
「え〜じゃない、行くわよ」
ー残念ながらほぼ毎晩飽きるぐらい盗賊を狩っているのでもう盗賊狩りは十分だ。
「姉さん…大人しくしておかないといけないんじゃ無かったけ?」
「うっ、あんな筋肉ばっか鍛えて魔力を全然鍛えない脳筋の言う事なんて無視、無視」
そう、この家の当主はこの世界で軽視されがちな筋肉を鍛えているいわゆる“変人”だ。
この世界で一対一の戦いで重視されていれる方から言うと
魔力量<魔力の操作技術<武器や武器の質<戦闘技術<コンディション(その時の腹の減り具合みたいなもの)<フィジカル
という順番になっていて前世の一番上に魔力に関する項目が入っただけでそこまで変化がない
「でも母さんが…」
「くっそれは………あ、あんな魔女の言う事無視よ無視」
「魔女って…」
「悪い?」
説明しよう、魔女というのは昔存在した人智を超越した力を持つ女の事で男の場合魔人と呼ばれる二つ名に〜の魔女とか〜の魔人とかがつくぐらいだ
因みに良い人でも悪い人でも魔人系統の名前が付く
そしてその中で最近《約七百六十三年前》に死んだ“美食の魔女”と|“飢餓の魔人”《約七百九十四年前に死んだ魔人》は転生している事が前世で確認済みだ。
美食の魔女は“|神に背く科学者達《前世で上陰が所属して居た組織》”に入って居て一応先輩にあたる。
飢餓の魔人は別の世界で食糧難を無くそうと奮闘していたと師匠が言っていたが今どうなっているかは知らない
スラム出身で子供の頃は自分が食うために、大人になってからは誰も飢えない様に力をつけ、奮闘したという良いヤツだ。
しかし、魔女や魔人は世界を陥れようとした者が多く悪い人の例えに使われる事も多い
「兎に角、アンタには根性が無いから私が根性をつけてあげるわ、ほらっ剣を持って、行くわよ」
ー剣がなくても盗賊は殺せ…
「いいよ、大丈夫!」
「ダメ、そんなんだから根性が無いのよ」
ー一応あるんだがなぁ…
「根性、あるもん」
「今日は脳筋も魔女も兄貴の服とか買いに行ってるから心配しなくても大丈夫」
ー何が大丈夫なんだろう…
「…」
「ほら、行くわよ」
「やだ」
ーめんどくさい…
「情け無いわね…私も来年から学校に行かないといけないのよっ私の為にも、行くわよっ!」
そう言うと、 を抱えて歩き出した。
「離して」
「ダメよ」
◆/◇/◆/◇/◆/
「おかしいわねぇ盗賊が一人もいない…」
「もう、帰ろうよ…」
「まだよ、だってまだ盗賊一人も殺せて無いでしょ」
ー確かに居ない…まるで、何か強いヤツがいそうな気がする…
「え〜、これ以上帰りが遅くなるとお父さんと母さんにバレちゃうよぉ〜」
「うっ確かに…」
「はやく帰ろ?」
「そうね、そろそろ根性ついたよね?」
「うん、ついた、ついた」
ー元から異常なぐらいある。
「よし、帰るわよ」
ーおぉ、あの姉さんが、諦めた…
「よしっ」
「何か言った?」
「何も言ってないよ」
ー耳良いな…
◆/◇/◆/◇/◆/
家に帰ろうと歩き出して、およそ三分ぐらいの時だった。
「ガキの声がすると思ったら貴族のガキか…」
「ついてるなぁ」
「なっ」
ー気配の消し方が上手い奴がいると思ったらただの山賊か…
「 はさがってなさい、私が倒す」
「ギャハッハッ俺らに勝つだとぉ?」
「俺らもずいぶん舐められたもんだな」
「やってみろよ」
ー姉さんには無理だ。諦めて逃げだしな
そんな思いとは裏腹に姉さんが山賊に突っ込んだ。
ーバイバイ、姉さん…下手すりゃ一撃で殺されそうだが、頑張ってね…あっでも、アイツ等、俺等の事売る気だから殺しはしないだろうな…どうだろう…
「はぁぁぁぁあー!」
ー声出す必要性無くね?…
「ぐふぇ」
ーあっやっぱり…ワンパンだ、これだから力の差すらわからない素人は…
「ぐっ…う… 逃げ…て…」
ーどうしようかな…?逃げるふりして戻ってきてからコイツ等仕留めようかな…?それとも普通にコイツ等仕留めるか…それは絶対無い却下、逃げるのは…ちょっとな…
「ね、姉さんをいじめるな!」
ー一旦殺されるフリでもしようかな?
「ははっ二人揃って馬鹿なガキだな」
「ね、姉さんを馬鹿にするなぁー!」
ー馬鹿にしても、別に良いけど空気的にこんな感じにした方がそれっぽいかなぁ?…
そう言うと子供が突っ込んで行った。
「えい」
「グッ…は…」
子供が吹っ飛んで血を少し吐く
「おいおいおい、ガキ相手にやりすぎだろがよ」
ー激しく同意、姉さんが俺ぐらいの年齢の時、こんな威力の攻撃くらったら死んでてもおかしくない。つまり、モブがくらったら…死んでいた。
「そんな…」
ーしかし、ここで死んだ事にするのは…勿体無いし…姉さんそろそろ、気絶しただろう、よしやるか!
山賊の首が飛ぶ
「はっ?」
遅れて首があった場所から血を出しながら崩れ落ちる。
もう一人の首が飛ぶ
「おい、ガキが消えて…」
山賊達が魔力で防御し出す。
「うんうん、八十点。まあまあかな?姉を庇って血を吐き負けるモブ、なんかちょっとカッコいいと思わない?」
「コイツ、まさか純血のエルフか?」
「いや、違うが」
因みにこのエルフは妖精という意味では無く、耳が長く人形で魔力量が多い種族である。
その種族には成長期が三つに分けられており個人差もあるが純血のエルフは、最初の成長期は0歳〜17歳次の成長期は32歳〜45歳これでやっと前世の小六ぐらいになるそして最後が720歳〜820歳これでやっと大人の人間《人族》と大体同じ身長になる。
この世界の人類は死にやすいから大人ぐらいになるまでに九割は死ぬ、それにしてもエルフというのはロリ好きやショタ好きにとても優しい種族だ。
※主人公はロリ好きでもショタ好きでもありません
ハーフエルフとかになると成長期の時期が大分変わるらしいがあったこともないので詳しくは知らない
「いやおかしいだろ、そのスピードはヨォ!」
ー前世からの経験で効率の良い体の動かし方はバッチリ、効率の良い筋トレ方法もバッチリ、魔力の訓練は…頑張った。って事でこんなね、十三歳ぐらいの子供にはね、負ける訳がないんですよ
※ の合計年齢は二十六歳です。
「それは、お前等がちゃんと訓練していなかっただけじゃない?」
ー訓練しても絶対俺には追いつけない、諦めろ
「くっ」
「俺もなりたくて盗賊やってんじゃねぇのよ!」
切り掛かって来た。
しかし
パァン!
何かの音が鳴った。
すると山賊の頭に穴が空いた。
「んーイマイチかな…」
山賊が一人倒れた。
「おっお前、何をした…」
「はぁ、まあ期待した俺も悪いか…」
よく見ると少年が何かを持っている…拳銃だ。
パァン!
また、音が鳴った。
「くっ」
「やっぱり近づいてから撃たないと山賊でも防いでしまうか…ゼロ距離射撃じゃないと効かないようだな…」
「なんだ、コイツ急に頭に打撃が…まさか…」
山賊が弾丸《金属の玉》に気づく
「まさか!指弾⁈」
「ヒィ化け物…」
「当分は使い道無しか…」
「逃げ…」
「まあ、見せちゃったのは僕だけど、消えて貰いますか」
すると、山賊の首が飛んだ。
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「ん〜ここは…」
ー知らない場所…?
「あっ姉さん!」
「 はっ盗賊は⁈」
ー私は強い盗賊に挑んで負けたはずでは…
「盗賊は…山賊狩りと追いかけっこしていたよ…」
「あっそう…」
ー山賊狩りが来たのね…逃げた…?
「早く、帰ろ!母さんに怒られちゃう」
「あっうん…そうだけど…」
ー逃げたって事はあの盗賊達よりも…
「どうかしたの?」
「そんなに強い盗賊狩りがいたのね、剣を教えてくれるか頼んでみても良いかもね… 山賊狩りの人、どんな顔だった?」
「忘れた…」
「ちょっとでも分かるとこがあったら教えて!」
「そっそれよりも、早く帰らないと…」
「あっそうね、早く帰らないと魔女が…」
因みに魔女って言うあだ名は兄が言い出したあだ名で隠れて父さんと兄が使っていたあだ名だ。そしてそのあだ名が母さんにバレてしまってから、姉さんも使うようになったのだ。
「今日のことは二人だけの秘密だからね」
ーきっと気のせいよね、弟が消えてその瞬間に盗賊の首が飛んでいったのは。
一万文字突破
なんか早い気が…