第3話拠点は山の中
「ここが俺の拠点だ」
「ここが拠点…?」
ーまあ無理もないか…
だって目の前にあるのはただの崖だからな…
「ちょっと待ってろよ…」
近くの木にしゃがみレバーを倒すと近くにある大岩を退け岩の下にあるボタンを順番通り押す。
するとガラガラというチェーンのような音がして崖に大人二人分の横幅がある通路が現れた。
「“流石、異世界”…」
ー俺の耳は良い…そう、しっかり聞こえている…だから一つ、ひとつだけ言わせてもらいたい、“異世界は関係ないよ”
前世の拠点だって拠点への入り口は山が多かった。
「さっきの言葉って何語?」
「えっあっに…いえ、すっステラ語です!」
「…そっそうか」
ー流石に動揺しすぎだろ。いや、この世界にはステラ語というのが本当にあるかもしれない…
「あのぉ」
「あぁ、案内している途中だったな。コッチだ…」
「はいっ」
入ると中にあるレバーを倒し入口を閉めると
奥に進み金属製のドアの前に立つと鍵でドアを開けた。
「ようこそ、私の基地へ」
ドアの先にはとてつもなく広い空間があり中には機械の様な物が沢山あった
「凄い…?」
ーまあ、日本人の転生者だったらそう思うよな…だって転生前生まれてからははコンクリートで固められた場所で過ごし、パソコン、タブレット、スマートフォンの様な使うだけでどんな人でも繋がれると言われている情報通信用の電子機器を持っている者が大半で持っていない者が”社会”と言う流れについて行けずに喚き足掻き抵抗するそういう時代になっていた。
またその電子機器を持っていることが”当たり前”だと思っている。
だから、これを見て驚いたりはしな…そういえばこの子…目が見えなかった様な…はっ、と言うことは…この子は転生者じゃない可能性が…くっ俺としたことが…
「えっあのぉ…どうか、されましたか…?」
ーここは素直に謝った方が良いのか…
「すまなかった…」
「へっ?」
「私は君の事を転生者だと思っていた事について謝罪する」
「えっ?」
「このとうりだ。すまない、と言う事で、本題に…」
「えっちょちょっと待ってください」
「ん?どうかしたのか?」
「なぜ私が転生者だと…」
ーまあそうくるよねぇ…ちょっと知っている事にしよう
「君が変な言葉を使っていて」
「うっ」
「その言語を使う異世界人に覚えがあったから」
ー師匠とか同盟を組んだアイツとか…
「その人って生きていたりします?」
「さぁ遠い所にいるから生きてるかはどうか…」
ー多分、異世界に居る師匠は…わからん
「まあ疑って悪かった」
「私が異世界からの転生者だったらどうするつもりだったんですか?」
ー説明が簡単になったり日本語や英語を暗号として活用する予定だったが、それよりも重要な事がある
「う〜ん、今の所知識無双を禁止するだけかな」
「あの、わっ私…転生者です」
ー転生者かぁい
「…」
ーどうしよう…
「日本人?」
「はっはい!」
「そうか…これからは日本語を暗号として使う事にしよう」
「はい」
「英語は解る?」
「英検準二級です」
ーコイツ!結構出来る…
※主人公は英検一級余裕で取れます
ーとりあえずわからんふりを
「エイケンジュンニキュウ?」
「日本英語検定の準二級です、あれ?日本英語能力検定の準二級」
ーそんなスラスラ出てくるのか…
「あっそうゆことね」
ーそろそろ時間か…
「あの扉の奥にある部屋を自由に使って良いぞ、そしてあの金属製の扉には触れるなよ、危険だから、部屋の奥にある訓練場もベットも自由に使え風呂はお湯を溜めてから竈門に木を入れて燃やしてくれ」
「はっはい」
「火は自分で火打石を使って着けてくれ、そして食糧はあの扉の奥だから食べて良いぞ、俺は時間的に帰らないといけないからまた明日の夜に会おう」
「はい!また明日…」
/次の日:◆/◇/◆/◇/◆/
「ふっふっふ…」
ー今日もしっかり力を隠し通せた
優秀な兄と姉に置いてかれるモブA…
ん?これってモブじゃなくね?
いや…多分、大丈夫だ。ヘマをしない限りは…
にしても山賊多いな…と、言っても理由は大体分かるが…
簡単に言うと人が多すぎるのだ。
普通の農家でも魔力を使って前世の(日本での一般的な)農家の二倍程度は収穫出来る(虫や獣に食われなかったら三倍ぐらい)
どうしても食料の生産が過剰に生産されてしまうので農家は前世と比べると少ない
そして生産が多いからか飢えて死ぬ者はスラムでも少ない様だ。
そして魔力の影響か病気に強かったり色々あってケンカとかしない限り長生き出来るのだ。
あっそうそう、スラムの事だけど、この大陸には巨大なスラムが五箇所あって五大スラムと言われている。それ等は全てどこの国にも所属せず法律が存在しない、つまり無法都市、強さこそ正義の世界になっているらしい
そのスラムのうち二つは(家の領地から見て)大陸を二つに分ける大陸門と呼ばれる山脈より向こうにある。
成人する前にスラムの一つぐらいは遊びに行きたいと思っている。
うちの親が持っている領地は横に大陸門目の前に魔海というので異世界人のゲーマーとかが見れば近くにラストダンジョンでもあんのか?と思うぐらい魔物が多い
大陸門のふもとの森に入ればすぐに山賊に出会い山に近づくと近くほど山賊に出会いにくくなり代わりに魔物が多くなる
つまり奥に行くほど敵が強くなると言う事だ。
明後日から三日間は兄の入学式だから兄と両親が居ない明後日の夜は山脈突破をしてみようかな?
「/◆/」/「/◇/」/「/◆/」/
「くそっ、どう言う事だ…」
ここは、深い森の中にある上陰 影一やその師匠等が作り上げた巨大な基地だ。
ーあの情報屋何も持っていないと思ったら…
そこには、パスワードを入力するための板があった。
パスワードを入力しないと入れないのだ。
ーあの科学者…!
しかもその板には数字、図形、日本語、英語が打てる様になっていて桁の上限は十桁
「せっかく酔わせて情報を吐かせたと言うのに…」
ーあの酒何万円したと思っているんだ…
科学者いわく、拠点に入るのには五種類のカードを使って入ると言っていたが…
ー詰めが甘かったのか…それともアイツが変更したのか?それだったら…
ーいや、まだだ。俺は転生者なんだぞ、そんな事で諦められる訳…ない!この世界の主人公として!転生者として|リアルハッピーチートハーレムエンド《リアルチーレム&ハッピーエンド》を迎えるのだっ!
そう、この男は転生者なのだ。上陰が死ぬ|1週間前に転生し《異世界人の記憶が流れ込み》、前世の経験を活かして上陰を殺させた張本人
「爆破だ…」
「えっ?」
「良いから、今すぐ爆破しろ!」
「そうすれば“ヤツ等”に」
「やれ」
「はっはい」
ーあれさえ手に入れば…|チート《“レジスタンス”の科学》さえ手に入れば…
異世界にも"ああいう"概念は普通に存在するのだ。