第二章〜たすけて
御早う御座います。宜しく御願い申し上げます。まだ書きます。
まずそのキャッチーなタイトル━━。
『たすけて』
のインパクト。
ヤリモク女が身體を差し出してヤらせることと引き換えに、売春的に金銭を得たいという意志を伝えらる為にそえ表現することもある。
それだとしたなら、無視してスルーするのみだ。
しかし、根塊ばかりはそれではないような気がしてならなかった。
タイミング的な問題だ。直感的に、真っ先に思い浮かべたのだ。それが、この突然の停電との関係。
彼女━━サムネイルから女性配信者だと思われるのだが━━は、実は今、停電によって、何らかの危機的状況に陥っているのではないか、彼女の身に危険が迫っているのではないか?
電話回線も寸断されているが為に、○金生放送の配信によって助けを求めようとしているのではないか、と。下衆の勘繰りなのかもしれないけれど、そんな想像をせざるを得ないのだった。
俺は迷わず、動画を視聴する、のボタンをタップした。サムネイルの画像はセミロングの黒髪のよく似合う二十歳前に見える女の子のアップの顔写真だ。
画面はすぐに切り替わった。
切り替わった先には暗闇しか写っていなかった。マイクは音を拾っっているらしく、女の子のものらしい少し荒い息遣いが聴こえるのだった。
俺は慌てて画面下に配置されたコメント入力欄の四角に指を合わせ、タップした。
━━俺のコメント。
『どうしました?誰かいます?画面、真っ暗だ。何も見えない。どこにいますか?』
暗闇の中にいるようだが、スマホなりPCなりならディスプレイのバックライトによって、文字テキストは読める筈であった。
『たすけて』
?━━?
文字入力による配信者コメントであった。声を出せない状況にあるのか?普通なら、マイクが音声をひろっているようなのどから、声を出す筈だ。
『声、だせないの?』
俺はコメントを打ち、送信する。
マイクがノイズを拾う音は流れてくる。テキストを打っているようだ。
『近くに人がいます。声は出せない』
彼女?と思われる人物の息遣い。暗闇。
『どえして?ちかくにひとぎいるとして、その人物に配信してること、こんな会話してること知られて大丈夫なの?助けはよべない?何が起きているの?』
疑問が流れ出てきた。
『近くにいる人といえは盲目なようなの。だから、こうして音声なしの放送してれば放送してることも知られない』
『そうか。誰か近くにいるのだね?なのになぜ逃げられない?暗くて動けないのか?』
俺は問う。すると、
閉じ込められてる。エレベーター。なんで止まったの?非常呼び出しボタンも動かない。停電?』
『そうだ。東京都内…広域で停電してる模様。どうか落ち着いて』
俺は彼女?を少しでも安心させようとしたのだが。
『こわい。このスマホの電池切れたら外との連絡方法ない』
なるほど。そういうこともあろう。彼女の状況は切迫しているのだ。おそらくはモバイル・バッテリーなどの持ち合わせもなく、スマート・フォンらしいが充電出来る環境にないらしい。
俺は咄嗟に思いつき…コメントを打った。
『放送は一旦切って。バッテリーが消耗するから。放送切ってから十分後にまと配信始めて。その間に俺が情報を収集する。停電に関するね。それから君の居場所とバッテリー残量が何%あるか、教えて』
少しして返答。
『居場所はわからないのです。追いかけられて慌てて飛び込んだ。このビルに。このエレベーターに。どこともわからない町まで逃げてきた。ここはどこ?調べて。あとバッテリー残量は、60%』
『わかった。ともかくバッテリーは節約して。あとはこちらで調る。ちなみにそちらで警察とかご家族とかにメールかSNSで連絡を取れないか。やってみて』
『やってみたわ。警察に連絡したの。でも向こうも忙し過ぎるみたい。すぐには対応してくれなさそうです。それに・・・』
『それに?』
『GPS機能が停止してるみたい。警察でもGPS衛星情報を使って私のスマート・フォンの場所を特定することができないらしいです。ここはどこ?どこなの?たすけて!』
有り難う御座いました。