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ばけもの子供の物語

ばけもの子供の物語 ガラス

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/07/22



 そのばけもの子供の体はガラスでできていた。


 そんなばけものは、ガラスを生み出す事ができる力を持っている。


 ガラスならどんなものでも生み出せた。


 人間が長い時間苦労してつくるようなガラスでも、一瞬で生み出す事ができた。


 だから、人間達はそのばけものの子供に、ガラスを生み出させていた。





 手の中に、綺麗な光が生まれた。


 そう思ったらことり。


 小さなガラスの破片が落ちた。


 ずっと昔は、これよりサイズが大きかった。


 けれど、今はその三分の一位のサイズにしかならない。





 そのばけものはずっとガラスを作り続けてきた。


 どれくらい前か、思い出せないほどずっと前から。





 ばけものは悩む。


 あとどれだけ頑張ればいいんだろう。


 あとどれだけ頑張ればみんなに認めてもらえるんだろう。


 あとどれだけしたら、「ここにいていいよ」と言ってくれるのだろう。


 そのばけものの子供は聡明だった。


 自分が普通の人間とは違う事を分かっていた。


 だから、人間に利益をもたらす特別な存在でないと、その場所にいられないと考えていた。


 功績を積もう。


 そう思って、ばけものの子供は大人しく、ガラスの工房へ入った。





 分からないよ。


 分からないから、まだ頑張るしかないよ。


 どうすれば「ずっとここにいていいよ」って言ってくれるんだろう。


 疲れてるし、もう休みたいけど、ここにい続けるためには頑張るしかない。


 もうちょっとで壊れちゃうかもしれないけれど、頑張らなかったら今すぐここにはいられなくなっちゃうから。


 もうてょっとで壊れるって分かってても、頑張るしかない。


 いつになったら、いいのかな。


 いつになったら、やめてもいいのかな。







 ここはばけもののためのガラスの工房。


 他に人なんていなくて。


 ばけものすらいなくて。


 ずっと一人ぼっちで働かなくてはいけない場所。


 生き物の気配はないけれど。


 誰かの視線もないけれど、


 けれど、さぼったら駄目な所。


 お仕事をさぼると、どこからともなく怖い機械がやってきて、おしおきをしてくる。


 だから、頑張るしかない場所。


 痛めつけられたくなかったら頑張るしかない場所。


 ばけものの子供の体には、たくさんのヒビが入ってるけど。


 そこは、たとえもうすぐその体が壊れるとしても、頑張るしかない場所。



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