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ファジーネーブル ~先輩と私の、あの日の約束~【前編】

作者: Soh.Su-K(ソースケ)

 いつかの他愛もない約束。


 「卒業式の日に迎えに行く」


 それが、付き合った事のない私と先輩が交わした最初で最後の約束。




§




 友人に連行されて訪れたサークルは、何とも居心地のいいところだった。


 優しい先輩達と頼れる同級生。


 和気あいあいとしたそのサークルは、私の大学での大切な居場所になった。


 理系のキャンパスが故に男性率が高く、その殆どがオタクかライトオタクという、何とも濃厚な大学。


 文系学部が都内のキャンパスなのに対し、理系のキャンパスは神奈川県の山の中。


 都心からも離れているお陰で隔離施設の様な雰囲気だ。


 私は一浪してこの大学に入った。


 クラスの友人にはその事を打ち明けていない。


 私はそれを少し負い目に感じていた。


 クラスメイトに嘘を吐いている感覚をずっと感じていた。


 それが原因か分からないが、サークルの居心地の良さが救いだった。


 誘われて入った癖に、私は誰よりも部室で過ごす時間が長くなっていった。


 女子の比率が低いからか、数人しかいない女子は漏れなくチヤホヤされている。


 私もチヤホヤされる一人だった。


 そんな中、一人だけ違う人がいた。


 黙っていると冷たい印象しか受けないその先輩は、いい意味でも悪い意味でも、男女を平等に扱っていた。


 話してみれば良い人なのだが、この人の距離感が全く掴めない。


 いつもは少し離れたところでみんなを見ているのに、何かがあると傍にいる。



「なんか、守ってくれてるみたいな感じ……」



 その先輩の存在は私にとっての安心材料になっていた。


 いつの間にか私はそのまま先輩の事を好きになっていた。


 ずっと一緒にいて欲しいと思った。


 そんな片思いをしていると、夏休みも近くなったある日。


 部活で飲み会があった。


 所属する全員強制という正式なものではなく、参加出来る人が参加して自由に帰るというもの。


 ハッキリ言って部室で適当に飲んで帰るという、特にいつもと変わらないのだけど、飲むから来れる奴は来いと声掛けをしていたのがその先輩だった。


 親しみやすいキャラクターから、先輩は部内で男女関係なく慕われていて、その日の部室はいつもより人が多く集まった。


 五百円を先輩に払えばお酒とおつまみは好きなだけという形。


 焼きそばなんかも先輩は作っていたが、それは二百円追加で食べれるようにしていた。



「先輩、赤字になりませんか?」



 私は思わず先輩に聞いた。


 すると、先輩はいつものようにハハハと笑った。



「商売でやってる訳じゃないから。損するくらいがちょうどいいよ」



 何やら臨時収入が入ったらしく、それの祝杯だとか言っていたのが印象に残っている。


 飲み会もお開きになり、片付けをする先輩を私を含めたあまり飲んでいない後輩の女子達が手伝う。



「バイト代なんて出ないのに」



 そんな事を言いながら、先輩はまた笑う。


 片付けも終わった所で、先輩は別の先輩と家で飲み直すと言っていた。


 その飲み直しには、あまり部活には顔を出さない二年の先輩も行くと言っている。


 その先輩は女性で、部活自体にはあまり関わらない人なのだが、先輩とは仲がいいらしい事は知っていた。


 私が少し離れた所で飲み直すと言っている三人の先輩を眺めていると、女の先輩と目が合った。


 ドキリとした私はすぐに目を逸らせたが、その女の先輩は私の元まで来て言った。



「一緒に来る?」



 私は首を縦に振っていた。


 結局四人で先輩の家へ向かう。


 大学の最寄駅から二駅で先輩の家がある最寄になるらしい。


 駅を出て住宅地の中を歩いて10分くらい。


 小綺麗なアパートに着いた。


 三階建てのそれは築年数が浅く、結構いい所だなと思う。


 最上階の角部屋、そこに先輩は住んでいた。


 九帖のワンルーム、冷蔵庫の上には酒瓶が数本置かれて、そこだけ見ると簡単なバーにも見える。


 部屋には家具は多くなく、整頓されていた。


 スタンドに立てられた白いエレキギターが目を引く。



「適当にくつろいでて。簡単なカクテルなら作れるから、飲みたいのがあったら言ってー」



 二人の先輩はすぐにカクテルの名前を言うのだが、私はよく知らない。


 その事を素直に先輩に言うと、じゃあ適当に作るわと笑いながら先輩はキッチンへ向かった。


 二人の先輩は勝手に部屋のテレビを点け、接続されたゲーム機の電源を入れる。


 立体のパズルゲームが始まった。


 これが面白いんだよと、ゲームの協力プレイを選び、片方のコントローラを差し出した。


 女の先輩がそれを受け取り、二人は協力してゲームを進め始める。


 私はそれを見ながら、キッチンの先輩が気になった。


 耐えかねた私はキッチンを覗きに行くと、先輩はフライパンを振っていた。



「もうちょっとで出来るから、先に酒運んでもらっていい?」



 背の高いグラスが四つ。


 お盆の様なものもなく、何とかそれらを部屋まで運んだところでキッチンの方から「よし」と言う声がした。



「ちょっと腹減ったからな」



 そう言って先輩がテーブルに置いたのは、丸く空いた口から美味しそうなチーズを垂らしたちくわをベーコンで巻いたものだった。



「フライパン使わずに、アルミホイルでくるんでトースターで焼くだけでも美味いぞ」



 そう言って割り箸と一緒にグラスを手渡してくれる。



「オレンジジュース……?」



 そのカクテルの見た目は完全にオレンジジュースのそれだった。


 しかし、オレンジと一緒にピーチの香りもする。



「ファジーネーブルだよ。桃とか苺好きだろ?」



 私が部室でよくフルーツジュースを飲んでいる事を覚えていてくれたのだろう。


 一口飲む。


 オレンジの味とピーチの香りが口に広がる。


 アルコールのせいなのか、気恥ずかしさなのか、すぐに顔が熱くなった。


 先程の飲み会とは違い、少し静かな雰囲気の飲み直しが始まった。



「終電は?」



 先輩の一言で私は現実に戻された。


 楽しい時間は何故こんなにも一瞬で過ぎてしまうのか。


 女の先輩は一時間程前に帰っていた。


 その時にも帰るかどうか聞かれたのだが、結局居残った。


 帰りたくなかったのだ。


 今もそうだ。


 私はモジモジしていたのだろう。


 先輩は困った様に笑った。



「俺ん家でいいなら泊ってく?」


「……、いいんですか?」


「明日休みだし、お前も泊るだろ?」



 私の淡い期待は簡単に消え去った。


 ゲームに夢中な先輩の存在を忘れていた。


 私はこの時に痛感してしまった。


 先輩にとって、私は()()()()()でしかないのだと。


 その寂しさと先輩と過ごせる喜びが胸の中でぐちゃぐちゃに掻き混ぜられる。


 ベッドを譲られた事で、先輩の匂いに包まれた私は全く寝付けなかった。


 下腹部にほんのりと熱を感じていた。


 アルコールのせいだと、冴えた頭に言い聞かせるのに精一杯だった。


 そんな中そろそろ空が薄っすら明るくなり始めた頃、カラカラとベランダのガラス戸が開く音がした。


 気を遣って音を立てない様にしているのが分かる。


 私は上体を起こす。


 テーブルの下でゲームに夢中になっていた先輩が熟睡していた。


 少し開いたカーテン越しに、煙草を吸っている姿が見える。


 私はガラス戸を開けた。



「ゴメン、起こした?」


「いえ……、眠れなくて……」


「女の子なんだからちゃんと寝ないと」



 やはり先輩は笑う。



「それより、年頃の女の子が男の家にホイホイ泊るのはオススメしないぞ」



 煙を吐き出しながら先輩が言う。


 やはり笑顔だった。



「オジサンみたいな事言うんですね」


「ハハッ、お前から見たらオジサンだからな」


「……」



 私の事を想って言ってくれているのは分かる。


 けど、そんなに私の事を見てくれて、分かってくれているのに……。



「なんで私の気持ちにだけは気付いてくれないんですか……」



 声が震えた。


 悔しかった、悲しかった、切なかった。


 そして何より、これで終わってしまう。


 そう思った。



「……え?」


「私……、先輩の事が好きです……。好きだから……、泊ったんです……」



 煙草の灰がポトリとベランダの床に落ちる。



「けど……、先輩にとって私は()()()()()()()()でしかなくて……。それが……、今日ハッキリ分かりました……」



 涙が溢れていた。


 これを言ったら、もう前の様な関係には戻れない。


 それも嫌だった。


 今日、ここに来なければよかった。


 先輩の家に行けると浮かれていた数時間前の自分を呪いたい。


 何より、先輩は私など眼中になかったのだという事実が辛かった。



「……ゴメン」



 そう言って先輩は私の頭を撫でる。


 女性の様に華奢で柔らかく、私よりも小さい先輩の手。


 その優しい手ですら、今の私には刃物に思えた。


 思わず払いのける。



「先輩の優しさは、私にとっては人も殺せる凶器でしかないんです……」



 そんな事を言いたいんじゃない。


 それなのに、何故わざわざ先輩を傷つける事しか言えないのか。


 自分に幻滅する。


 嫌悪が沸き上がる。


 負の感情でぐちゃぐちゃなる私を先輩は抱き締めた。


 抵抗しようと思ったがその思考とは裏腹に、私の両腕は先輩を抱き締めていた。



「ごめんな、気付いてやれてなくて……」



 優しい声が私を撫でる。



「俺、昔から他人の()()()()()はよく分かるのに、自分の事は全然分かんないんだ……」


「先輩は無能です……」


「そうだな、無能だな。だからさ……、辞めといた方がいいよ……」



 意味が分からなかった。


 思わず先輩の顔を見上げる。



「俺はさ、大学終わったら地元に帰るんだよ。関東からいなくなる。そんな奴と幸せになんてなれない」


「先輩は……、私の事……嫌いですか……?」



 先輩は首を横に振る。



「じゃあ、どうして……!」


「俺と付き合えば、君は確実に寂しい思いをする。必ずね。だったら、もっと違う人を好きになった方がいい」



 先輩は半分程しか吸っていない煙草を、室外機の上に置いた灰皿で消した。


 私は先輩の首に腕を回して唇を奪う。


 煙草の辛みとメンソールの香りがした。


 唇を離すと、先輩はまたゴメンと言った。


 私は先輩に抱き付いたまま泣いた。


 結局、先輩は私を彼女にはしてくれなかった。


 前期の試験も終わり、大学は長い夏休みに入る。


 それと同時に、先輩は地元に帰ったのだった。




§



 

 夏休みには部活の合宿がある。


 しかし、先輩は不参加だった。


 その年の夏休みは、私にとって何も覚えていないくらいに何もないものだった。


 そして後期が始まる。


 笑いそうになるくらいに前と変わらない生活が続く。


 私は部室に顔を出しづらくなり、部室を避けるようになった。


 後期から私は実家を出て一人暮らしをする事になっていた。


 両親に頼んで、大学の学生寮ならという事で入学時には許可を貰っていたのだ。


 ただ、寮の部屋が空いたのは後期からで、今更引っ越しという事になった。


 簡単な引っ越しをして、早めに帰っていた部活も遅くまで残れるようになったのだが、部室を避ける私にはそれも意味がないと気付いたのは寮から通学した初日の事だった。


 まだ日が高い夕方、私は寮の最寄駅で電車から降りた。



「あれ?部活は?」



 私の降りた目の前に先輩が立っていた。


 突然の事で心臓が口から出るかと思うくらいに身体が反応してしまい、途端に恥ずかしくなる。



「先輩は、なんでここに……?」



 私は俯いたまま何とか声に出した。



「いや、俺ん家の最寄がここだから。てか、俺ん家来た事あるじゃん」



 先輩は笑いながら言う。


 確かにそうだ、先輩のアパートは私が住むようにな寮と駅を挟んで反対側だった。



「てか、帰るの?乗り換え?」


「いや、その……。先輩は今から大学行くんですか?」


「ハハハ、授業全部終わってんじゃん。それに、大学行くんだったら逆のホームだよ」



 何を言っているんだ、私は。


 よく考えればその通りだ。


 こちらは上りのホーム、大学に行くには下りのホームでなくてはならない。



「それより、最近部室行ってないってな。あんまり俺いないから、気にせず行けばいいのに」



 ハハハと笑う先輩。


 先輩が部室にあまり来なくなったという事も聞いていた。


 それも私の事を思ってなのか。


 何とも言えない虚しさがこみ上げてくる。


 それを察知したのだろう。


 先輩は軽く頭を掻きながら言った。



「俺、今から新宿行くんだけど、一緒に来い。飯奢るからさ」



 先輩が優しく私の頭を撫でてくれる。


 やっぱり、先輩が好きだ。


 どうしようもなく好きなんだ。


 私は涙をこらえるのに必死で、先輩の腕を抱いたまま電車の座席に座っている事に気付いたのは、寮の自室に戻った後の事だった。


 新宿に付くまでの二十分程の時間、私達は一言も発する事なく過ごす。


 気まずさは特になかった。


 代わりにあったのは、今までに感じた事のないくらいの安心感だった。



「悪い、飯って言ったけどコーヒーでもいい?ケーキ頼んでいいから」



 私はコクンと頷く。


 駅から専門学校へ向かう道筋の途中にある喫茶店に入った。



「予定があったんですよね、先輩」



 注文を取りに来た店員が私達のテーブルから離れたのを見て、私は言った。



「あぁ、専門学校の授業があるんだよ。まだ少し時間があるから」


「専門学校……?」



 私は目を丸くした。


 先輩はダブルスクール状態だと言う。


 既に三年の先輩は比較的スケジュールに余裕があるらしい。


 とは言っても、それでもかなりハードだと思う。



「何の専門なんです?」


「Web開発系。やっぱこっちの方が俺には合ってる。最初から農学部じゃなくて理工学部に進めばよかったよ」



 ハハハと笑う先輩は、少しやつれた様に見えた。


 元から線が細く多少筋肉質だったのだが、今はその筋肉も落ちてしまっているようだ。


 ゴメンと断りながら、先輩が煙草を取り出した。



「嫌です」


「え?」


「先輩が理工学部だったら、今の部活に入ってないですよね……?」



 先輩は煙草を断られたと思った煙草を仕舞おうとする手を止めた。



「まぁ……、誘われて入った口だからな、学部が違ったら別のとこに入ってたかもな」


「だから、嫌です」


「……」



 行き場を失った煙草を持ったまま、困った様に笑う先輩。



「すみません……、私、子供みたいに」


「みんな子供だよ」



 そう言って煙草を咥えて火を点ける。



「みんな誰かに認めて欲しくて、構って欲しくて、愛して欲しいんだ。だからこそ傷付いたり傷付けたりする。人間って、そういう度し難い生き物なんだよ」


「私は……、先輩の事が……やっぱり……好きなんです……」



 いつの間にか目から涙があふれてきた。



「……、知ってる」



 先輩の声はこの上なく優しく、女性の様な手は私の頭を撫でてくれる。


 ズルいよ。



「ゴメン、そろそろ行かないと」



 スマホで時間を確認した先輩はアイスコーヒーを一気に飲み干し、荷物を持って立ち上がった。



「お金は置いとくね」


「先輩っ!」



 このまま別れるのは嫌だった。



「専門の授業が終わるのは何時ですか……?」


「え?今日は一時間で終わるけど……」


「それまで、ここで待ってていいですか……?」



 目を見開いた先輩は、そのまま優しく笑った。



「分かった、終わったらここに迎えに来る。飯はその後に行こう」



 先輩はそう言いながら千円札を数枚追加でテーブルの上に置いて行った。


 灰皿の上で、完全には消えていない吸いかけの煙草が微かに煙を上げている。


 私は徐にそれを手に取り、見様見真似で吸う。


 メンソールの香りと辛さが口の中に広がる。


 あの時と同じ味。


 思わず咳き込む。



「ケホッ……、間接キス……」



 なんて子供じみてるのだろう。


 私は急に恥ずかしくなり、煙草の火を灰皿で完全に消した。


 周りを見渡すが、幸い誰もいなかったのが唯一の救いな気がした。


 安堵の溜息を吐いていると、ケーキが運ばれて来る。


 目の前に置かれるミルクレープ。


 しばらくそれを見つめた後、口に運ぶ。


 やけに甘く感じるのは、さっき吸った煙草のせいなのかもしれない。



「何か食べたいものある?」



 喫茶店に戻ってきた先輩に連れられ、新宿の街を歩いていた。


 平日の夜だというのに人で溢れかえっている。


 はぐれない様にと、先輩は私の手を握ってくれた。


 私よりも小さい手。



「先輩って、ホントズルいですよね」


「え?なんで?」


「私より女の子らしいじゃないですか。骨格も手の大きさも」


「俺にとってはただのコンプレックスだよ」



 そんな話をしながら、結局はハンバーガーチェーン店に入った。


 先程食べたミルクレープが重くて、普通のご飯が食べれなかったのだ。



「折角奢るんだから、もっといいとこ行っていいのに」


「それは、また今度にしましょう」



 私はいつの間にか笑っていた。


 特に面白い話があった訳でもないのに。


 なんの変哲もないただの世間話ですら、先輩とだったら楽しくて嬉しくて堪らなかった。


 やっぱり、大好きなんだ、この人の事を。



「俺さ、大学辞める事にした」



 それは余りにも唐突だった。



「……え?」



 理解が追い付かない。


 なんで。


 待って。



「……、私の……せいですか……?」


「違う違う」



 困った笑顔の先輩。


 先輩が言った事が理解できない癖に、やっぱり可愛いななんて考えていた。



「やりたい事が出来たんだ。そっちに行こうと思ってね」


「大学からいなくなるんですか……」


「すぐじゃないけどな。三年の後期が終わったら辞める事にした」



 つまり、あと半年。


 半年で、先輩と会えなくなるかもしれない。



「私……、先輩と結婚したい……」



 私は何を言い出したのだ。


 話が飛躍しているというレベルではない。


 これでは完全に電波じゃないか。



「……え?」


「いや!その!すみません……、忘れて下さい……」



 顔が熱い。


 恥ずかしくて死にそうだ。


 少しの間キョトンとしていた先輩は、声を上げて笑い始めた。



「ちょっと、先輩!」


「いやー、ゴメンゴメン!ぶっ飛び過ぎててさ」



 お腹を抱えて笑う先輩を見て、私もなんだか笑えてきた。


 ひとしきり二人で笑った後、先輩は笑顔のままで私にこう言った。



「じゃあさ、お前の卒業式の日に迎えに行くよ」



 この先輩の言葉は今後二年半に渡り、私を悩ませる事になる。


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