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サボり魔先輩に恋に落ちるまで  作者: 春夜もこ
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後1年~最悪の卒業式~

 最悪だぁ…。


 私、盈月高校1年生の澄野瀬名は、長い長い卒業式の最中、ひとり静かにため息を吐いた。


 朝からやばいかも…と思っていたけど、案の定体調がよろしくない。もとよりすぐに体調を崩す体質なのだから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれない。


 ただ、今は良くない。だって先生に「体調が悪いです」なんて言ってみてほしい。目立つでしょう。いやだ、目立ちたくない。だから言いに行けない。大丈夫、あと長い話を2つ聞けば終わりだから。耐えるのは慣れてる。


「はぁ…」


 もう何度目かのため息が出る。もはやため息というか浅い呼吸。といっても目立ちたくないから、音は立てない。


 うぅ…気持ち悪い。それに体育館寒すぎじゃない?暖房付けよう?大丈夫、私立だからいけるって。


 あ…頭も痛くなってきた。虚弱体質め。


「もういいか」


 勝ち目のない自分の体調と格闘していると、不意に隣から声が聞こえた。独り言…?ちなみに隣は二年生の男子である。


 独り言をこぼした先輩は、そそくさと席を立ってどこかに行ってしまった。あれ?まだ式典中だよ!?もしかして、不良とか…?


「澄野さん、大丈夫ですか?」

「あ、先生…」


 席を立ってどこかに行った先輩のことを考えていると、いつの間にか先生がすぐ近くに来ていた。あれ?どうやって…?


「ちょっと具合悪いです」

「保健室に行きましょうね」

「はい…」


 目立ちたくはないけど、先生が来た時点でもう手遅れかと諦めて、席を立つ。まぁ、うん、倒れるよりはましだよね。


 そして先生に連れられて体育館の外に出ると、さっき出て行った不良疑惑の先輩がいた。


「あ、眞白くん、教えてくれてありがとうございます」

「別に。サボりのついでです」


 そういって先輩はスタスタと歩いて行った。


 どうやらこの先輩が先生に言いに行ってくれたらしい。眞白先輩…不良とか思ってごめんなさい。いやでもサボりに変わりないしどっちだ…?


「さ、澄野さんも行きましょう」

「はい」


 先生の後をついて保健室に向かう。


 あ、眞白先輩にお礼を言うの忘れたなぁ。1つ上だし、今度会った時に言おう。

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