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一話

即興と勢いで書いたので続かないかも。

「……知らない天井だ」

オーケー、状況を確認しよう


1、何故か自分は今洞窟の中にいる

2、自分は寝巻きを着ている。寝ていたから当たり前か

3、ベッド、枕元に置いておいた避難用の懐中電灯と緊急用のバックパック一式がある

4、洞窟の外側から何かこの世のものとは思えない音が聞こえる


……もしかしてこれはあれか?巷でよく聞く異世界転生ってやつなのか!?……いやこれは転移か。どちらにしろ

「いきなり異世界なんて心の準備が全くできてねえし行きたくも無かったんだがねぇ」

そう、そうなのだ。学生時代は陰キャの鏡のような生活を送り、あれよあれよと公務員になって数年、可もなく不可もなくな、日々のゲームが生きがいの人生を送ってきたらいきなりこれである。

「せめてさぁ……この……神様との会話とかあってもいいのによお、何でいきなりこんな辺鄙な場所に飛ばされるんだよぉ!」

ーこいつなんでわざわざ異世界に飛ばしてやったのにこうベットの上でゴロゴロやってんの、さっさと一歩踏み出さないとつまんねーだろうがよ社会不適合者ー


それからだいぶ経った。といっても5分かそこらだが

「っはー、はー、……とにかく身辺の整理だ。このままやってるとずっとぐでぐでここでやってて餓死しそうだからな」

バックパックにはサバイバルナイフ、十徳ナイフ、エアガンとBB弾をブルーシートやアル〇スの天然水500mlに軍手5組、何故か風呂敷もあった。

「なんでカロリーメイトみたいな保存食がねぇんだよ!備えてないから憂いしか無いわ!」


それからさらに数分後

「……まぁ無いものは仕方がないけどどうする?このままじゃ三日とたたない内にお陀仏だぞ……え、やっぱ外出て調達するしか無いじゃん、畜生が……あんまし出たくないんですが」

と言いながらもゴソゴソ身支度を整えていく。こいつ吹っ切れないとまともに外にも出れない引きこもり一歩手前なのだ。何故こんな奴が社会で生きていけてるのか疑問が絶えない


「これが今出来る完全装備か……というか裸足だからクッソ痛ぇ」

軍手はめてサバイバルナイフを持っただけのお粗末過ぎる装備だけど仕方がない、これしか無いんだもの

「さぁて外はどんな感じなのかなー……うわぁお」

拠点の思ったより狭い洞窟を抜けるとジャングルであった。後ろは壁、見渡す限りの木、木、草。しかもそのどれもが今まで見たこともないようなものである。

「この植物はなんだよ……ほおづきなのか?いやそれにしてはなんかおかしいぞ、俺の膝位に大きいし中に液体が溜まってる……ジャングルで雨が多いから普通なのか?……あ、蝶だ」

クジャクヤママユサイズのモンシロチョウ?がほおづき(仮)にとまって中の液体を吸い始めた……おいおい夢中になりすぎじゃないか?段々傾いてきて……あ、いきなり大穴が空いて蝶落ちてった

「ウッソだろオイオイオイ……食虫植物にしては物騒すぎるだろ」

しかも外から薄らと影が見えるが蝶も逃げる気配が無いし……あ、消化され始めたぞ逃げろよ……あ、溶けた

「消化速度速すぎるだろ!この世界は修羅の国か!?……こんなところにはいられねぇ、先行(さきい)こう(さき)


道に迷わないよう壁を右沿いに進んで行く。その途中デカ猿が木の上を高速移動したり上空で火の鳥が火の粉撒き散らしながら飛んでたりしたけど姿勢を低くしてたらそのまま通り過ぎてった。なんなんだよこの世界

そんな感じで十分くらいだろうか、最も恐れていた事が起きてしまった

「ゴブ?ゴブゴブゴブ」

「……うせやろ?」

そう、(ゴブリン)と鉢合わせしてしまったのだ。しかも左手には金属製か何かの手甲や籠手をつけ、右手にはかなり太めの木の枝を持っている

「逃がしてくれ……るわけないよな」

相手は完全に戦闘態勢だがこちらは初心者も初心者、もう完全にビビりまくって今すぐにでも後ろを向いて走り去りたいのだがその前に相手が飛びかかってきた

「ゴブルァ!」

「いっ()ぁ!」

思わず呆けていたら大上段からの一撃を貰ってしまった。すんでのところで首を傾け頭は避けたが左肩から鈍い音がした。恐らく折れたのか激痛が走るがすぐに引いた。脳内麻薬とかいう奴なのだろうか

「う、うわああぁぁぁ!」

パニックになりながら右手に持っていたサバイバルナイフを突き出す。振った後だから手は下に行っているだろうからあたるはずだ!と思ったのも束の間

カキィン

「え?」

左手の籠手で攻撃を逸らされてしまう。思わず前にたたらをふんでしまうが相手がそれを見逃すはずもなく、

ガシッ

頭を鷲掴みにされ

ドガァ

その棒で脚を叩き思わず屈みそうになったところを

ドゴォ!

両手に持った棒で思いっきり頭を叩き潰され倒された後

パキャッ

その爪で首を掻き切られた


勿論そんな攻撃を受けて常人が無事ですむわけもない。しかし不幸なことに、彼は意識を失えなかった。失っていればまだ楽に死ねたものを。

(ア”ア”ア”ァ”ァ”ァ”いでえええええ!今何された?え、左手で突きを受け流されたのか?なんでゴブリンがそんな高等芸能出来るんだよ普通は雑魚じゃねぇのか!……オイこの野郎そんな拍子抜けみたいな顔するんじゃねぇぶち転がすぞ……え、待ってこれ俺死ぬの?死ぬよな死ぬわ。嫌だよ嫌だ死にたく無い怖い怖い怖い。こんなんなら最初から外に出なけりゃ良かったんだ。神様仏様助けて下さいクソ野郎。何故チートも無しにこんなとこに許可無く転移させやがったんだよ、元はといえばお前のせいじゃねぇか助けろよ、助けやがれ下さいお願いします許してください許しー)

こうして彼は一回目の死を迎えた

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