表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

福音とスキル

天使に案内された部屋はなんと畳で、中央にちゃぶ台があり、その奥には布団、さらには冷蔵庫とテレビと、いたって一般的な旅館のような場所だった。

個人的にはホテルより旅館のほうが好きだから少しうれしかった。

一つとても驚いたのは、冷蔵庫だ。

中身は入っていたが、携帯食品が多かった。

一番の驚くべきところはその不可解な性質だ。

なんとRPGゲームのように扉を開けなおすと、中のものが元通りになるのだ。

つまり、実質無限にこの空間で過ごすことができる。

もしかするとこのデスゲームのステージは、予想以上に多いのかもしれない。


「さて、状況を整理しようか。」


今までに俺が見てきたものをまとめることにした。

ちゃぶ台の上には紙とペンが置いてあったので、忘れないうちに神にいろいろな情報をまとめておこうと思ったからだ。

俺は適当なところに工具セットを置いてペンをとった。


要点をまとめると、

一つ、俺たちはデスゲームで生き残らなければ、せっかくの二個目の命が無駄になるということ。

二つ、デスゲームの内容は、一つではなく第一ステージが個人戦というのならば、団体戦もあるかもしれないということ。さらにはただ戦うだけではないかもしれない。

三つ、俺たちに配られたデバイスを使うことで、いろいろなアイテムなどの、このデスゲームを有利にするものが購入可能ということ。さらにそのときに使用するポイントは、この先のデスゲームの内容によって、ためることができるということ。

四つ、いまいち実感がわかないが、俺たちの体にはすでに福音と呼ばれる特殊能力のようなものが備わっていて、それはこの世界において絶対的なものであるということ。


デスゲームというと要は生き残ればいいように感じるが、こうやってみると常に何かを考えて行動することが重要になってくるということが分かった。

これらのことから考えると、俺の今しないといけないことは二つだ。

それは福音を確認することと、具体的にデバイスで何が何ポイントで買えるかを調べ、最も効果的なものを購入するということだ。

神代はこの世界では、新しい命に福音が与えられるといっていた。

つまり福音というのは、運要素の強いものとなっているということだ。

さらには福音よりも強い力はないというのだから、福音が弱いものだと、生き残ることのできる確率はほぼゼロになってしまうはずだ。

そういうことを考えつつ、俺はデバイスを操作し、個人ステータスの画面を開いた。


ーーー

神成 時悠

  体力:8

 精神力:10

 敏捷性:12

  筋力:9

  知能:11

総合評価:C


  福音:無限の旅人[インフィニティルーパー] LV.1

 スキル:所有していない

ーーー


うーん。いいんだか悪いんだか。

あまりぱっとしないステータスに俺は反応に困った。

しかし、ステータスよりも優先するべきは福音だ。

俺が、福音の文字をタッチすると画面が切り替わった。


ーーー

福音:無限の旅人 LV。1

LV.1 説明 死に戻り。死ぬと時間を巻き戻す能力。巻き戻る時間は、死ぬときに指定できる。

LV.2 説明 解放されていません

LV.3 説明 解放されていません

LV.4 説明 解放されていません

LV.5 説明 解放されていません

LV.6 説明 解放されていません

ーーー


死、死に戻り!?

異世界に転生しても欲しくない能力ランキング1位の、あの死に戻りか。

俺、あんなに格好つけて絶対死なないなんて言ってたのに、死ぬことが前提の能力なんて皮肉が効きすぎてるだろ。

なんてネタは置いといて、この能力の考察をしよう。

自分の能力がわからなくて勝てませんでした。なんてことはしゃれにもならないからだ。


福音で大事になってくるのはLVの要素なんじゃないだろうか。

もしもLVによって大きく能力が変わってくるなら、毎回自分の能力を検証することになる。

だからきっとLVは現在のLV以下の能力は据え置きで、追加されていく感じになりそうだな。


それにしても、このデバイスは説明不足が過ぎるんじゃないか。

この程度の説明だといざっていうときに何もわからなくなるじゃないか。

急に与えられた能力のLVの上げ方だってわからないし。

ステータスだってそうだ。

何を数値化して俺のあのステータスになったかの説明が一切ない。

これはさすがに神代がめんどくさがって説明を減らしたなんてものじゃ納得できないぞ。

極端に説明が少ない理由はどこかにあるんじゃないか?

そろそろ、スキル、アイテム購入を見てみるか。

俺はデバイスをステータス画面からショップ画面へと切り替えた。

すると四つの大きなまとまりがあり、その中に気が遠くなるほどの量のものが売ってあった。

俺は、その中から一番今知りたい情報である、スキルを選択してみた。

その中で、一つ目につくスキルがあった。

「スキル:説明」だ。

もしかしたらこれが説明の少ない理由なのかもしれない。

今は最も情報収集が必要なので、俺はこのスキルを購入することに決めた。


ーーー

Kポイントは魂に刻まれており、不正をすることができません。100ポイントを使ってこのスキルを購入しますか?※スキルは一度購入すると魂に刻まれます。

YES/NO

ーーー


という説明文が出てきた。

俺は一つのスキルの購入に必要なポイントが100と意外に高価だったのが驚いたが、そのままYESを押し、購入をした。

そして、もう一度ステータス画面に戻り、しっかりと適応されているか、確認をした。


ーーー

神成 時悠

  体力:8

 精神力:10

 敏捷性:12

  筋力:9

  知能:11

総合評価:C


  福音:無限の旅人[インフィニティルーパー] LV.1

 スキル:説明LV.1

ーーー


俺が説明の文字を押すとこのスキルの説明が出てきた。


ーーー

このスキルは、デバイスの文字をタップすることにより発動し、より多くの情報が得られるスキルである。LVによって得られる情報の量が変わる。

ーーー


スキルの使い方がわかったので、いろいろ説明スキルを使って、調べてみることにした。

しかし、先ほどまでより少し詳しくなっただけで、あまりまだ意味はなかった。

LV1は、こんなものなのだろうか。


部屋に備え付けてあったタイマーを見ると入ったときには一時間だったものがもうすでに十分になっている。

俺はデバイスの使用をやめて、これから始まる第一ステージ個人戦の対策を考えることにした。


今、俺の武器になるものは福音とこの工具セットだけ、か。

少し心もとなく感じたが、いまたくさんKポイントを消費するのはよくないと、俺は考えていた。

なぜなら、魂に刻まれるという文があったからだ。

きっと俺のように、福音が時間に関係している者もいるだろう。

もしそいつらが、スキルを購入したのちにスキル購入前に戻ったらどうなるだろうか。

きっとそのことをこの魂に刻まれるという言葉は暗に伝えているのではないだろうか。

もし俺が、今スキルなどを大量購入したとして、相手に負けたとしたとき死に戻ってここに来たとしても、何も状況は打破されなくなってしまい、それこそ永遠に死に続けるだけになるだろう。

それを阻止するためにも今、ここであまりたくさんのものの購入は避けたかった。

しかし、俺の福音は戦闘向きではないことが明らかだから、武器が必要になってくる。

けれど俺はすでに武器となりえるものを持っている。

それは工具セットだ。

もちろん工具セットの中にはのこぎり、などの人を殺そうと思えば殺せるほどの殺傷能力のある武器、といえるものもある。

だから、俺は今から急いで武器を購入する必要もなかった。

そう考えた俺は早速荷物の準備に取り掛かろうと、武器になりそうな道具を工具セットの中から、取り出していた。

すると準備が終わったタイミングでちょうどアナウンスが聞こえた。


『ただいまより、第一ステージ個人戦を始めます。』

『皆さんはへやのそとにでて、案内をお待ちください。』


その声は女性のものだったので、きっとルーシーか、その他の天使なのだろう。

俺は、多少野蛮な格好になってしまったが、工具を装備して、部屋の出口へと向かった。


俺は第一ステージの敵が、どんな人物でも、絶対に生き残って見せる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ