夜
「咲希先輩、配信おつかれさまでした!」
「雪ちゃんもおつかれさまー!」
配信を終え、お風呂に入り、2人でお酒を飲んでいた。
飲んでるのは、雪ちゃんのオススメの梅酒。元々梅酒が好きだし、これ自体が美味しいから、私はかなりの勢いで飲んでいた。
「咲希先輩、注ぎますよ。」
「お、ありがとね!」
私はコップに梅酒を数センチ入れて、水で薄めて飲むタイプだけど、これだけ飲んでたら酔ってくる。
「先輩、もっと飲んでくださっても大丈夫ですよ?」
「でも、無くなっちゃうともう飲めないし…。」
「この梅酒って、私の知り合いが作ってるので、よく譲ってもらえるので大丈夫です!」
「そう?じゃあ今日は飲もうかな!」
自分でも、かなりテンションが高いのは分かってる。でも、可愛い女の子に注いでもらったら、断るわけにならないよね。
「えへへ、酔っちゃった。」
「確かに、口調も崩れてますもんね。」
「雪ちゃーん、ベッドに連れてって~!」
「ふふっ、じゃあ行きましょうか。」
雪ちゃんが私に肩を貸してくれる。えへっ、良い匂いだぁ。
「先輩、着きましたよ~。」
「雪ちゃんも一緒に寝よっ。」
「しょうがないですね~。」
雪ちゃんがニコニコしてる。笑顔も可愛いね。
「ねぇ先輩、私のこと好きですか?」
「えぇ~、まだ会ったばっかりだよ~?」
「そうですけど…。」
「んー…好きだよ。可愛いし、優しいし、良い匂いするし大好きっ!」
「っ!? 先輩が可愛すぎる!」
「きゃっ!」
雪ちゃんが私の上に乗ってきた。馬乗りってやつ?
「私、先輩のことずっと好きだったんです!」
「えへへ、ありがとね。」
「だから、その…抱いても良いですか?」
「抱く?」
んー…抱っこして寝るってこと?
「良いよぉ。おいで~!」
私は腕を広げて、雪ちゃんを迎えてあげる。
「ありがとうございます!私、女の子が好きで、今までも色んな人で練習してきたので、先輩のことも気持ちよく出来るはずです!」
「んー…?ありがと…?」
「それじゃ、失礼します!」
目を閉じた雪ちゃんの顔が近付いてきて、そして…。
…あれ、私いつの間に寝たんだろ?昨日は、雪ちゃんと飲んでたところまでは覚えてるんだけど…。
私は体を起こした。…えっ?
「何で私、裸なの?」
全裸だし、なんか体がダルいしで、変な感覚。
とりあえず服を着るかと思ったけど、ふと横を向いてみた。すると、隣には裸の雪ちゃんが…。
「…私、雪ちゃんに手を出しちゃったの?」
さすがに、この状況で何があったか分からない歳ではない。今まで未経験だったけど。
「んっ…あ、おはようございます先輩!」
「おはよう雪ちゃん。」
お互いに全裸だけど、いたって冷静だ。
もっと慌てるもんじゃない?
「雪ちゃん、ごめんなさい。私、雪ちゃんに手を出したみたいで…。」
「えっ?あ、先輩、昨日のこと忘れてるんですね。」
「…うん?」
待って、どういうこと?私のほうが年上だし、お姉さんだし、先輩だし。先に手を出したのは私だよね?
「忘れちゃったなら、思い出させてあげます。」
雪ちゃんが私に馬乗りになる。
片手を私の頭の横におき、もう片手を私の顔に添える。
なんか、抵抗出来ない雰囲気がある。あと、この角度の雪ちゃんは可愛いじゃなくて、凄く綺麗。
「あはは、思い出したよ。」
「それは良かったです。」
「で、このまま終われるの?」
雪ちゃんは、なんというか、妖艶な雰囲気が出てる。欲情してるでしょ?
「…良いんですか?」
「終われるなら終わって良いよ。」
「…先輩って、誘い受けですよね。」
「雪ちゃんだけだよ。」
別に、女の子が好きとか、私の体に無頓着というわけじゃない。でも、なんとなく、雪ちゃんなら良いかなって思うだけ。
「それじゃあ、またいっぱい気持ちよくしてあげます。」
「雪ちゃん、働くのって、遅刻とか厳禁なんだよ。」
「すみません…。」
今日は雪ちゃんとのユニットの撮影会。10時集合で、家から電車で30分かかるのに、雪ちゃんは9時まで私にご執心だった。シャワーを浴びる暇もなく、身支度だけして家を出てきた。
「はぁ、体はダルいし、大丈夫かな?」
「ごめんなさい…。」
雪ちゃんがしょげてる。かわいい。
私は雪ちゃんの耳に顔を近づけて、呟いた。
「気持ち良かったよ。ちゃんと責任とってね?」
「っ!はいっ!」
ふふっ、雪ちゃんが元気になった。ちょろいね。
これからよろしくね。
色々書きたいことは浮かんでるので、いずれ投稿するかもしれません。
お読みいただきありがとうございました。