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隣人ゾンビ

「あああああ」

「あー水無月さん、こぼれてるこぼれてる」

「あああああ」

「全くもう」


 と言いながら僕は口からぼとぼととカレーをこぼしてしまう水無月さんを見てかわいいなぁと思う自分がいる。極めてノーマルで家賃お部屋共に可もなく不可もないアパートの二階。僕の部屋は201号室だが、今僕がいるのは隣の水無月さんが住む202号室にいる。

 水無月鏡子さん。なんだか占い師的なスピリチュアルな力を感じる魅力的で素敵な御名前をお持ちの御姉様であるが、その名前に負けない美を兼ね備えた女性でいらっしゃるお方だ。モデルのようにスリムで、なびく黒髪は艶やかな事限りなし。


 そんな彼女の家に僕は上がり込みカレーを共にしているわけですが、僕と水無月さんは決してお付き合いをしているわけではないし、お付き合いに発展するかもしれない良いご関係というわけでもない。僕達の関係はあくまでも隣人。それ以上もそれ以下もない。でも僕は当たり前のように彼女とこうして一緒に時間を過ごしている。


 いや違う。これは犯罪ではない。不法侵入でもなければ僕がとんでもない一方的変態野郎というわけでもない。勝手に上がり込んではいるが僕の行為は決して法に触れ罰せられるものではないという事を強く言っておく。彼女の面倒を見るというのが、僕に課せられた使命なのだ。


 ――いやー、お綺麗だなあ。ゾンビになっても。


 僕の隣人、水無月鏡子はゾンビである。


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