一限⌘2次元と3次元
ここは、東京のある高校。東京と、言えども田舎な方で。
畑だってある。僕は、そんな畑に囲まれたマンションの高層部に引っ越してきた。
両親は、共働き。2人とも全然別の仕事をしている。その為に、母の海外転勤によりこちらに越してきた。父の会社の近くに、だ。友達なんて居なかったから、むしろいいかもしれない。出身が同じ中学の奴から、嫌がらせを受けていたが、それも無い。ゆっくり読書を楽しむ事が出来る。
と。思っていた。
⌘
「えっと、昨日引っ越してきた、く、黒羽苺です。よ、よろしくお願いします…っ」
担任の先生―――名前は忘れた――は、嬉しそうに言った。
「だ、そうだ!お前ら、仲良くしてやれよ!はははっ…あ、黒羽は、一番後ろの窓際な」
「は、はいっ」
前に居ることが、地獄なのですぐに、席に着いた。
先生は、今日の事の話を始めた。
今は、9月前半。夏休みが終わり、文化祭が終わったあとぐらい。の、タイミングなのだが、此処はまだ終わっていなかったようだ。作りかけの看板等が転がっている教室があったのを見た。
まあ僕は、興味なんて無いし、関係ない様なものだ。
すると、隣に座っていた、そこそこ大きい男子―――180あるかな程度だが、俺は、164程度しかないので、十分大きいと思う――が話かけてきた。先生の話は、興味ないようだ。
「宜しくな、俺、…」
「おい!咲赤~聞いてくれよおお…俺が話してるだろおぉお!先生泣いちゃうぞぉぉ」
「あ、すんませんー」
「んで、…」
先生は、話を終えると、そそくさと教室を出て行った。
僕は、誰にも関わらないよう、持ってきていた小説を取り出し、栞を挟んだページを開く。
行け!自分!話しかけるなオーラを出すんだ!
「で、えっと、くろはねいちごだっけ?」
「ひっ!?」
急に、話しかけられた為に、変な声が漏れる。
犯人は、さっきの隣やつだ。
「う、うんそうだよ…」
「俺は、咲赤菊。宜しくな!苺!」
「…苺って呼ぶな…」
「え?駄目?可愛いのに」
「は?」
このでけぇ図体のどっから可愛いなんて言葉が出てきたんだ?
「え?いや、可愛いじゃん。俺は好きだぜ」
「…僕は、自分の名前が嫌いなの」
「…そこまで言うなら、改めて宜しくな黒羽」
「うん。宜しく」
宜しくじゃなああああああああい!自分!何、仲良くなっちゃってんだあ!?あ?!ああ?!更に、コミュ障発動しすぎだぞ!?おい!
「なあ、皆、黒羽の為に、自己紹介しようぜ!!」
あああああああああああああああああああ!?
あいつ、何余計な事を!?俺は、静かに本をおお!?
⌘
あのあと、一人一人が、自己紹介してくれて、僕に質問攻めをするという、転校生の恒例行事を食らった。
嘘ばっかり、話していたような気がするけど…((白目))
昼休みは、教室の自分の席で食べ、本の続きを読もうと、栞を抜いたタイミングで、まあ案の定、あいつに、話しかけられる。
「なあ?さっき、読書が好きとか言ってたけど、何読んでんの?」
「エッ…!」
視線を、本に向けたまま震える。背筋が本当に凍ったかと、思うぐらい。
「?」
「こ、これ?これは…」
これは、同グループのアイドル2人組とライバルグループ3人組のセンターの3人の三角関係の恋愛小説である。この業界では、かなり有名で、小説の挿絵を描いていた人によって、コミカライズも、されている。僕は、原作の小説の方が好きなので、こちらを読んでいる…。分類は…うん。…BLです。
「恋愛ものだよ」
「ふーん。そんなの読むとは思えんがな~」
「嫌味かな?」
「いやー…なんて言うの?それ?面白いの?」
「面白いけど、無理っ!やだ!見せないいいっ…」
「ええ~いいじゃーん」
いや、無理無理。無理。見せたりしたら、この新しい高校生活が開始5時間程度で終わる…!
てか、なんで俺は、こんな本持ってきたんだ!?馬鹿ああ!?
本を上下左右に移動させて、咲赤の手をかわす。
「ひょい!」
腕の限界が近ずいていた、俺の手から、本を奪い取ったのだ。
あっ…死んだ。
「黒羽。本読んでてもいいけど、どうせなら皆と話をしたりしようぜ?はい。本」
彼は、本の中を見ること無く、机の上に置いて、こう言い残して去っていった。
「お前が、来るの皆楽しみにしてたんだぜ?期待させておいて、損させるなよー」
「ちょ、え、勝手に期待してただけだろ…?」
僕は、やばい本をカバンの奥底にしまい込むと、席を立って、あいつ達が溜まってる机に向かってみた。
⌘
父は忙しい為、僕が手続きの説明を放課後、職員室で担任の利口先生から、聞いてきたのだ。
それが、終わり教室に荷物を取りに帰った。
教室のドアを開けると、声がした。
「お前、こういうの好きなんだな」
そこには、あの死守し、カバンの奥底に隠したBL小説『Sadistic♡Love』が!あいつ、咲赤の手の中にあったのだ。
死んだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
完全にアウト。はい。乙でした。昼休み楽しかった為に、忘れてた、僕が悪かったです。
「…。」
「黒羽~?」
僕は、運動音痴とは、思えないスピードで、咲赤の手の中の本を駆け寄り、奪い取る。
「…中を見たか?」
戸惑いにより、謎にドスの効いた声で尋ねた。
「えあー…。冒頭数ページ程度を、ぱらぱらと…」
「ううううあう…死んだ…うう…」
「そんなに、傷付く!?」
「当たり前だろォ!?俺は、ずっと腐男子隠して生きてんだああ…泣く。マジで」
半泣きで、キレた。
自分よ。いつもは何処へ行った?テンションがおかしいぞ…。ああ。どうしたら。
「誰にも言わねぇから。な?」
「絶対だぞ!もうっ…!」
「…」
「どうした?」
咲赤は、ただただこちらを見つめる。
「…可愛い」
「は?」
「いや。何でも、じゃ!俺は、失礼~」
教室を出ていこうとするのを、俺は止めた。
「ちょっと待って。なんで1人で教室に居たの」
「え?たまたま忘れ物があって取りに…」
「嘘だ。何も持って無いじゃんか。なんで。」
「…お前。…んん…なんて言えばいいんだろ。わかりやすくすると…嫌だったら、後で殴って」
困り顔だと思えば、急に真顔になって、咲赤は、距離を一気に縮める。
「んッ!?」
そして僕を、抱き寄せ、口を寄せて重ねた。
後ずさりしようとして、後ろにあった机に足を引っ掛け後ろに倒れそうになるが、大き過ぎるこいつのお陰で倒れずに済んだのだが。
「んんッ…!んん!……っ!…はあっ」
ああああ!?ん!?あ!?
「だ、大丈夫?ごめん。俺、お前に堕ちた」
「…ッは?え。あー倒れそうになったのは、大丈夫」
何が大丈夫だ!元はと言えば、咲赤が悪いのだろ!?恥ずかしくなって、咲赤の手を振りほどいて、距離を置き直した。
「可愛いから」
咲赤は、そう言って顔を赤らめた。
「え」
「好き。出来るなら、今すぐお前を襲いたい」
「え?僕が?襲われる?え?夢?2次元?」
「3次元だし、現実」
「ん?!は?え?僕は、男だぞ?会って全然経ってもないし?」
「腐男子の癖に、変な事を言うんだな」
「え、いや。あっち(2次元)と、こっち(3次元)は、ちげえよ!?」
「そうか、とりあえず今日うちに来ない?」
「ええっ…。別に問題は無いけど…いいの?」
「もっちろん!いーやったー!帰ろ~」
波乱の高校生活の始まりであった。
https://blove.jp/novel/175477-恋味♡フランボワーズ①/
2回書くのは気が進まないので、こっちは読んでください