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天空の使者  作者: サルザムライ(占空)
第4章 MONSTERS
43/50

MISSION4 奪還〜ハグミィ〜

消える意識の中で思い出すのは

1人の女性


Dr.ハグミィ


TEAM BiSHが結成された時もう1人メンバーがいた

前向きで明るく 茶髪で綺麗な人



ある日チッチはビルの屋上で景色を眺めていた

「チッチー!チッチー!」


少し、しかめっ面でブツブツと言っている

後ろから呼ばれているのも気づかずに


呼んでいたのはハグミィ

「おいっ」

立てた2本の人差し指がチッチのケツへ刺さる

「ガッ!!」

少し浮いた

「何 デリヘル呼んだら姪っ子が来たみたいな顔してんだよ!」

ハグミィは痛い顔して振り向いたチッチのホッペをつねりながら顔を近づけた


「ハグミィ…どうしよう…みんな本気じゃん だから怪我とか多くて…みんなの負担を軽減させたいんだよね」

チッチはメンバーが大好きだ


MISSIONでは多かれ少なかれ怪我はする事が多々ある

それを心配していた


「チッチの言うとおり!本気でやってる証拠だよ!それを心配したら逆にみんなやりづらいぞ!」

そうなんだけど…と顔を両手で抑える

ハグミィはチッチの肩を抱き励ます

「考えすぎない!余り周りに気を使うと 夜の営みも気を使い過ぎて乱れられないだろ!」

コクリと頷くチッチは少し元気になった


ハグミィ 茶髪で綺麗な女性

そして…呼吸と同じくらい 下ネタを言う女


ある日 火山爆発が起きた島の被災地援護のMISSIONが入る

ユニバーサルからは3チームが救護へ向かった

その中にはコッコとイガラシ率いるTEAM JAMもいた


火山爆発による 津波と火災

島の噴火の為、外海から孤立してしまい食料等が届かず苦しい状況だった

ユニバーサルスタッフは軍人になりすまし水や食料を先に配る

怪我人や行方不明者捜索 崩壊家屋撤去

避難者誘導等とやる事は山積み


チッチはテキパキと支持をして皆を配置させる

「結成してどれくらいだっけ?」

モモコと作業してるコッコが聞いた

「もうすぐ1年です」

「それであれだけ動けるのか、いいリーダーだな」

感心して見る

「はい!」モモコは笑顔で返した


でもチッチはそれでも悩んでいた

皆の特性を活かせてるのか?

島の人達の為に円滑に回っているのか?

自問自答しながらも精一杯がむしゃらにやっていた


「余裕ないね!そんなんじゃ男に逃げられるぞ!」

ハグミィがそう言ってチッチの肩をたたいてつっかえ棒をした

ホッペに指がくい込ながら

「ハグミィ…どうしよう…」

「またかっ!」

涙目のチッチをニコニコと見た


少し人のいない所へ二人は移る

「なぁチッチ、お前は周りを考えすぎるよ、みんなの為に身体張ってる分みんなもチッチの為に身体張ってるんだから」

ハグミィが真面目な顔つきでチッチの目を見て言う

「解ってる、こんな新人隊長なのに…すごく感謝してる」

みんなの気持ちと行動が嬉しいが故の悩み

それをまた感謝を返す為にはと考えてしまう


考えることはいい事 考えすぎるのは空回りのもと ハグミィはチッチの良い所であり悪い所と指摘した

「隊長なんだから時には過酷な指示をしなくちゃイケない時もくる その時に心配ばかりされたら動く側が情けなくなる!! 時には嫌われる位の覚悟を持たないと駄目だろ!!」

この言葉がチッチに刺さった

「まぁ喧嘩はあっても嫌いになる奴はうちのTEAMには居ないけどね」

そう言ってポンと背中を押した


確かに心配してるようで実は嫌われない様にしてたのかも知れない

みんなの事を考えているようで自分の事を考えていたんだ…

そう思うとチッチの中で何かが弾けた

「ありがとう!!ハグミィ!」

万編な笑みで答える

その笑顔は一皮向けた素敵な輝きを放った

「すんごい良い笑顔!!その輝きは皆を幸せにできるよ!」

「本当!嬉しい!」

「裸にエプロンでその笑顔出されたら1日中やれるよ!」

凄く喜んだチッチは最後の言葉で目が半眼になった

それを見て笑うハグミィ

「チッチの悩みはセックスレスの若夫婦の悩みにしたら大した悩みじゃないよ!行こう!」

そう言って背中を見せた

ハグミィは人の為に何かをする事が好きだ

世話好き、人の幸せが好きの頼れる人だった



翌日ー

部落の一部にご遺体が並ぶ

黒焦げ 部位が無い等と身元が確認しづらいのが多い


これは各TEAM胸が痛む

YUIがご遺体を拭いている

少しでも身内に解るようにとの配慮だ

TEAM BiSHも吹き始めた

込み上げる感情に涙が止まらなかった


TEAMの男手は行方不明者を探してる島民を呼んでくる

これもこれで酷な仕事

出来れば生きて再会したいのだから


あちこちからする泣き声は耳の奥から離れない


災害はやり場の無い事ばかりだ


本物の軍隊が到着する、隊長クラスは国からユニバーサルの事を聞いているので円滑に皆が動けている

その中に1人軍人でも島民でもなさそうな男が手伝っていた

彼は慣れないぎこちない姿で倒壊した建物の撤去をしていた

人手が欲しいので誰も何も言わずにそのままにしていた


夕刻ー

食料を配る、島民や観光客が泥だらけで並ぶ

そこに昼間の男も並んでいた

彼は食料を貰うと 近くの子供達に自分の食料をわけていた

「気持ちはわかるけど貴方も食べないと倒れますよ」

ハグミィが男に声をかけた

Drとして身体が資本だからと説明をする

男はぽっちゃり体型で見た目では普通の人より食べそうだ

「丁度ダイエット始めたばかりで夜は食べない様にしてるんです」

明らかにウソだが男の笑顔は優しい笑顔だった

ハグミィは感心して

男に少し興味をもった

男と話をする

彼は観光客で噴火の2日前から来ていたそうだ

自然が大好きで世界中を旅するカメラマン

噴火直後カメラ片手に被災者を助けてまわっていた

写真で伝える世界の自然の良さと恐怖

人だけでは星は生存しない事を一生懸命ハグミィに話していた

熱く語る彼にハグミィは目をキラキラさせて聞いていた

関心は胸をつつき始めた


数日後ー

島はライフラインも復旧してほんの少しだが生活としていけるようになった


あとは軍隊に任せてユニバーサル3チームは島を出る事になる

ハグミィは男を探しキョロキョロとしていた

様子の変化をずっとチッチは見ていた

チッチは解っていた、ハグミィが恋をした事に

でも口には出さなかった

話が盛り上がると恋は加速するから

ユニバーサルの人間とテラの人間が恋に落ちると幸せな結末は無いからだ


船が島を出る時 男は港から海へと伸びる灯台の下で手を降っていた

誰より早くハグミィは気付き身を乗り出し手を振リ返す


男の姿が見えなくなるまで


ユニバーサルに戻ってからハグミィから下ネタが出て来ない

普段は冷たい視線を見せていたTEAM BiSHはなんか落ち着かない


話しかけても心無い返事

喉を痛めたアイナに塗り薬 怪我をしたモモコに風邪薬 喋らないリンリンに腹話術の人形を渡したりと行動がおかしい

チッチは解ってる でも言わない…


皆がハグミィを責める様になってきた

流石にマズイ状況なのでチッチはハグミィを呼び出した

ハグミィはただ謝るだけで何も答えない

そして直ぐに部屋へ戻ろうとする


「恋したでしょ」

チッチはハグミィの背中に話した

立ち止まり動かなくなる

「あの火山のあった島の男でしょ…」

核をつく

「どうしよう…チッチ…」

涙を流すハグミィ

しっかり者で優しいハグミィがやり場のない恋に悩んでいた


ユニバーサルはMISSION主体の生活

たとえ付き合っても一緒には居られない

子供もつくれない

テラは普通の星 寿命も違う

幸せな結末はただ僅かな時間一緒にいれる位なもの

但し、ユニバーサル星の人として居るのならの話だ


もう1つ幸せの選択肢が有るのならば


2度目の死に値する 星を捨てると言う選択肢


ハグミィはTEAM BiSHが好きだ

みんなが大好き

しかしそれと同じ位人を好きになってしまった

「この星にも男は沢山いるよ!」

チッチも必死にハグミィへ語りかける


「私ね卑怯なんだけど、ずっとマツクワさんのオペレータールームで彼を見てたの…まだ島に居て復興の手伝いしてるんだよ」

ハグミィは少し遠くを見ている

チッチは頷きで返事をしてる

「そしたらね島の子供たちと話して、恋バナになってたの…彼、落ち着いたら私を探すんだって子供たちに言ってたの…」


両思いだった


好き同士なのに一緒に居れないのが余計辛かった

チッチは頷く事も何か話しかける事もできなくなっていた

ハグミィは部屋へ戻って行く


ーミーティングルームー

チッチはハグミィを除くTEAM BiSHと話をした

マツクワは黙ってコーヒーをすする

先に声を出したのはアイナだった

「恋は辛いけど…終れば思い出でしょ、そっとしておこうよ」


「そうだよ、今は辛いけどその分私達が何とかすれば…ねっ」

アユニが後に続いた


「恋は分析できないからアレだけど、きっと後少ししたら元にもどるよ」

何時もより多めにメガネを上げるアツコ

リンリンとモモコは下を向いたままだった


少し時間がたてば解決する



何度話してもその答えの繰り返し

話合いは平行線


「それは…皆の本音?」

下を向いたままのチッチが皆に言う

黙るメンバーに続けて

「ハグミィを除隊させる」と呟く


「ふざけんなぁっ!!」

言葉を聞いた瞬間アイナがチッチの胸ぐらを掴む

「ハ…ハグミィ…には…幸せになってもらいたい…」

「それでその答えかっ!星を出たら私達との記憶消えるんだぞっ!笑ったり泣いたり助け合った毎日がアイツの中から消えるんだぞ!」

アイナは泣きながら叫びチッチを壁へと押し付ける

マツクワが止めに入る

「そんな事チッチも解ってる!!ハグミィを思えばこその答えだ!!お前らも本当はわかってんだろ!」

全員泣いていた 全員解っていた

全員離れたく無かった

ただそれだけだった

「最終決断はハグミィだ、テラへ行くと言うならそれで良し、残ると言うならそれも良しだろ」

マツクワが全員へ言い聞かせる様に話た


ハグミィの答えはテラへ行くだった


解ってた答えだと皆自分へ言い聞かせる

元々不器用な人達の集まり、どう言う顔をすればいいか誰も解らなかった


王へ申請してハグミィはテラの人間へ戻る

前の人生とは別の人として


この星の全ての記憶が消される

Dr.ハイドが記憶を消す準備をしている


小さなプールへ服のまま入るハグミィ

見送るTEAM BiSH

プールへ身体を入れながら

「私は例え記憶を消されても皆を忘れないから」と声を上げた

「当たり前だ!忘れてたら思い出させてやるよっ!」

アイナが泣きながら叫んだ

「ありがとう…みんな私にはキラキラした素敵な仲間だよ…」

泣きながら言葉を返して頭がプールへ浸かる


「ハグミィー!!」

チッチが大きな声で名前を叫ぶと全員が泣き崩れる

Dr.ハイドがボタンを押した

ルームの外では泣くマツクワをコッコが慰めていた


目覚めるとハグミィは満点の星空の下に居た

起き上がると首から後頭部へ痛みが走る

「‼」

「大丈夫?」

男がハグミィに話しかけた

「私は…?」

「何?どうしたのミドリ?」

ハグミィは状況が掴めない


男の話では復興作業中に突然倒れたと言っている

何も思い出せないハグミィに男は自分は婚約者で2人で世界中をまわって旅するカメラマンだと言う

撮影で入った島で噴火に直面したという

男はハグミィの体を気遣いながら部屋へと運んでくれた


「本当に大丈夫?」

男は冷たい水を用意してくれている

「ありがとう…」

ハグミィは部屋の中から星空を見ていた

「どおしたの?」

「うん…なんか…星見てると…なんだろ…約束事があったような…」

「???少し疲れたんだろ…」

男は優しくハグミィを後ろから抱きしめた

キラキラと光る星がハグミィを照らすように見えた


その頃ユニバーサルでは

寂しいのか女子全員がチッチの部屋に居る

「チッチこれで良かったなかな?」

アイナが転がりながら言った

他のメンバーは黙っていた

「良いわけねーだろ」

低い声で返す

皆驚いてチッチを見る

「私達がもっと!もっと活躍してハグミィが何処にいても私達を感じる位になってやるんだよ!!」

ニッとアイナの口元が緩んだ

「そうだな!キラキラと沢山輝いて存在をアピールしてやろうぜ!!」

「そーだそーだ」

アユニが手を上げる

「ならもっと強くなりましょう!皆を分析するわっ」

クイッと顔を手のひらで覆うようにアツコがメガネを上げる

「約束だね!光輝く星みたいになって存在見せつけよう」

モモコの肩が上がる

リンリンのツインテールも揺れた


全員泣きながら誓いを立てた


それからどれくらいの時が経ったろうか

MISSIONを受けたTEAM BiSHが出発する

「さぁ狩りに行くか」

ひと回りもふた回り成長したTEAM BiSHがそこに居た


薄れる意識の中で思い出す誓い

チッチの念は通信でTEAM BiSHに飛んでいた

「そうだ…もう…変わったんだ…まだキラキラして無いじゃん」

チッチの凍りついてる髪やまつ毛が動く

「そうだよ…まだ約束の星みたいになれてない…」

アイナの手が雪を掴む

「こんな所で止まれない!」

アユニが膝を立てる

「先ずはイエティを分析するから…」

メガネをクイッとあげる

「見てろよハグミィ!」

モモコが穴掘り準備にはいる

ガチャン

リンリンがバズーカをイエティへ向ける

「うちのTEAMをナメんじゃねぇ!!」

リンリンが叫びバズーカを撃った

ドフン!!

低く大きな砲撃音がイエティへと唸った



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