表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天空の使者  作者: サルザムライ(占空)
第一章  ヒーローの燈火
4/50

想い

銀行の中は半分しまっているシャッターのおかげでよく見える

行員は頭の後ろで手を組み、立っている


女子行員らしき人が男の指示なのかバッグにお金や書類らしき物を詰めていた


「銀行強盗?」


先輩はつぶやいたが何故か僕はそれがリアルに感じ取れず

「あの銀行員の女の人綺麗ですね」

と鼻の下を伸ばした

「お前、ああいうのタイプ?」

思った以上に先輩が驚いた

先輩はポケットから電話を取り出し警察に電話しようとした時、僕はシャッターの張り紙を見つけた

「先輩あれ」

張り紙を指差すと先輩は電話の操作を途中で止めた

まるで牢屋の格子のようなシャッターに貼ってある張り紙を2人でハモリながら読む


お客様各位

      お詫びとご案内


[本日 東都レトロ銀行 本店は映画撮影の為休行させて頂きます

ご迷惑をおかけして申し訳ございません]


その下には近隣の支店の案内と銀行本店と制作会社らしき名前が入っていた

僕は先輩と顔を見合わし プッと笑いを吹き出した

「映画の撮影って」

どっかで本当に銀行強盗ではと期待していたが僕はフーっと息を吐きホッとした


先輩も電話をしまう


パァン!

パリン

銃声と何かが割れる音が聞こえ、叫び声もした


しかし外を歩く人達は銀行に顔を向けるもそのまま歩き過ぎていく

都会の人達は本当に何ににも興味がないのかと思うと僕は少し寂しく感じた


先輩はその点、思いっきり食いついていた


「これ、マジじゃねーか?」

先輩は細い眼をさらに細くして呟く

「でも、張り紙が」

指を指す

「撮影なのにカメラもスタッフもいないっておかしくねぇか?」

流石ヒーローになる男

僕は感心した


確かにそうだ、急に違和感を覚えた


もし張り紙が銀行強盗の仕業で、シャッター半分も強盗の指示なら...


「先輩!警察に!!」

頷いて先輩はしまったばかり電話をとり出し連絡をする

よしっ!と思った時、僕と先輩の後ろに人の気配を感じた


慌てて振り返ると二人の男がバッグとライフルを持ってシャッターの影に立っていた

1人は親方と同じ位の大きな体でどっかの国のお偉いさんみたいなマスクを被っていた



すぐ後ろには奇麗な行員さんを人質にした長身の男がいた

マスクがお揃いなのが気になるとこだが空気読んで僕は言わなかった


「お前ら気付いたなぁ」

低く重い声で大男が言うとライフルが僕と先輩の方へ口を向ける

シュンッと速いケリで先輩が大男の手を蹴飛ばした

ライフルを構えた手は上を向き万歳状態、すかさず先輩は大男にタックルをする

大男は後の男に倒れ2人とも転んだ


先輩は女子行員の腕をつかみ引っ張ると僕の方へと投げ

僕は生まれて初めて女子を受け止めた

「早く逃げろ!」

先輩が叫ぶと

  <パァン‼>

銃声が響き、先輩がくの字になって跳んだ


ざわつく街が一瞬止まる


先輩が僕の前転がる

一瞬で赤く染まる足元

僕は理解するのにどれ位だったのだろうか

一瞬なのか?長い時間だったのか


我に返ったとき叫ぶ女子行員と街の人達

先輩は血溜まりに倒れて顔がわからなくなるまで血が沢山付いていた


ドラマや映画ならきっと最期の言葉が聞けただろう

でも何も聞けぬまま

最期を迎えた


リアルは腰を抜かし座り込む僕


先輩の血の温かさがズボンに染み込んで僕の身体へ伝わる


サイレンの音がする

強盗のライフルが僕へと向いた


«銃を向けられたらジグザグに走る»


先輩の声が聴こえた気がした


「うっあわぁあァァア」

良くわからない奇声をあげ僕は立ち上がり走った!

それは逃げるのではなく、立ち向かう為に

銀行強盗の方へジグザグジグザグに走った


恐怖と筋肉痛もありジグザグに走に変なモツレも加わる

銀行強盗は僕を定められず撃てない


先輩は僕のヒーローだった

先輩は口だけでは無い本当のヒーロー

笑顔をくれて

優しさをくれて

勇気をくれた


だから僕も強くなる、誰かのヒーローになる為

先輩の意思を継ぐ


雄叫びをあげた僕は大男へ殴りかかる


   ペニュ

弱々しい音がした

殴った僕の手首が曲がる

大男には全く効いてない

マスクだけが少し回った

人を殴るのに初めてが銀行強盗ではレベルが高かった


背の高い男の銃口が僕へと向いていた


銀行入り口に盾と銃をもった機動隊が取り囲むも

ライフル弾は僕の方へと飛び出し

僕は先輩の横へと吹き飛んだ


痛みと言うよりはお腹に熱さを感じた


視界はぼやけ始め、滲んだ視界を闇が蓋をしていく

物凄い音が連続して聞こえた

機動隊が何かしてるのだろう


最期に見えたのは銀行強盗達が目の前で血を吹き出し踊っていた

マスクが取れて見えた銀行強盗の素顔がブスだったのが

僕の最後の印象だ


力が抜けていく

闇が僕の視界を埋めていった


親方悲しむだろうな

親方すみません...


先輩ありがとうございました...


涙がこぼれる

短い間だったがとても楽しい思い出が頭に見える


生まれ変わったら

先輩と親方に逢いたい

それが僕の最期の願いだった

まだつづきます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ