MISSION4 奪還〜Departures〜
モッカバ川の畔を走るワンボックス
長ツバのハットを被るロングイが窓を開けて外を見ている
「この車、遅くない?」
生意気な口調で少女がロングイを見る
勢いよく出たのに車が気持ちに追いついていない
「充分だろぉ!車の良さは景色を楽しむのも1つだろうが」
笑って答えるがロングイも車選びを間違えたと少し感じた
「で?どこ行くの?」
「兄ちゃん誘拐されたんだろ、なら誘拐しそうな連中に直接聴くのが1番だろ」
なる程!と少女は頷く
「誘拐しそうな連中って目ぼしい輩がいるの?」
「この街でそんな事する奴ァズロウ絡みしかいねぇよ」
タバコに火を付ける
「ズロウ?」
タバコの煙を払いながら聴く
「この街で1番のクソ達だよ、お嬢は車で待ってりゃいい」
煙を外の方に向けて答える
ロングイはタマにズロウの話をした
タマはこの国でそんな連中が居るのさえ知らなかったのでショックを受ける
頭をポンと叩くロングイの顔は日の光の当たりでよく見えなかったが 優しい目をしているのが少女には解った
それが少女を元気にさせた
ズロウの本拠地 景観に合わない現代的なガラス張りの背の高いビルは威圧感を出している
ビルの前に車を止めて少女を残す
兄を救いたきゃ表に出るな それがロングイから言われたセリフ
飄々とビルへ入って行くといつも居る門番がいない
ビルの中は慌ただしく イカツイ男達が走りまくっていた
「なんだぁ?」
長いツバから警戒と殺気を見せる
自動ドアが開くと中には倒れてる者と武器を持って走る者の2者だった
走る者が手にしてる武器は機関銃やロケットランチャー等の戦争武器
倒れてる者は全員生きている
ギリギリだけど
「なぁ」
そう言って走る者の襟を掴み止める
「なんだよっ!!」
怒鳴って振り返る男が驚く
「ロングイ…さん…」
「何があった?物々しいじゃねーか」
男はズロウファミリーの幹部
本拠地へ入って来たらビルの中に居たファミリーは全滅していたそうだ
4人の男女が入ってきて ズロウに会いたいって言うので、ふざけるなと攻撃したら暴れ始めた、あっ言う間にファミリーを倒したと思ったら、突然ロン毛の男が「どうしたトク?なにっ!今行く」と言って4人共居なくなったそうだ
目的も良くわからず暴れた4人を探して殺す予定らしい
「殴り込みでは無さそうだな…」
幹部の話を聞いて呟く
♫♪♬♬♪♫♪♬♬♪♫♪
幹部の電話が鳴る
スイマセンと言って電話に出る
「なにっ!解った!」
急に怒鳴り電話を切ると、ロングイに頭を下げて外へ走り出す
その後に続くように大勢の男達が外へと出ていった
ロングイは面白そうなので着いていく事にした
車に乗りエンジンをかける
「なんかあったの?」
少女は出てく大勢のマフィアを見ながらロングイに尋ねる
「何も解かんねえからアイツら追っかけてみる」
そう言って車を出す
沢山の車が走る為遅い車でも見失うことが無かった
一方コッコ達はレストランに居た
YUIが3人の傷を直し、女達がご飯を奢ってくれていた
少し高めのレストラン
コッコ達以外のお客はいない
大きなテーブルに乗り切れない位の品が載る
さり気なくチッチはコッコの隣に座る
挨拶を前に
チッチは勘違いとはいえ、同じ星とは知らず攻撃して申し訳無いとクリビーとキーン、リンゴに頭をさげた
力不足と経験不足を知った3人はお礼を言っていた
この状況ですぐに謝れる事をリンゴは心から関心した
逆にお礼を言った3人に女達が好感を持った
女達はユニバーサル Aシティ ベックス区画のチーム BiSH
隊長 チッチ 特化能力 瞬発力 一度に打てるパンチは200発
アイナ 声で引導を渡せるおくり人 特化能力 ハイパワーヴォイス
アツコ 特化能力は分析 メガネかければ頭良さそうに見えるのでかけているだけで度は入ってない
モモコ 天邪鬼な性格でいつもイジイジと地面に円を書いていたら発動した特化能力は穴掘りで地面派
アユニ あの子がそんなに腕力があるわけないと言わせたいが為に華奢なフリをする特化能力は腕力
リンリン あまり喋らない無言で理解しろとジェスチャーするがそれが挙動不審に見える特化能力は射撃
自己紹介をされて3人はインパクトあり過ぎてコメントに困った
コッコは笑って3人のリアクションを楽しんでいた
「何でこの国にいたんですか?ミッションですか?」
リンゴがパスタを巻きながら聴くとアツコがメガネをクイッと上げて
「ナナ王妃からの依頼」だと答えた
任務が被ったのかとイガラシが首をかしげるとアイナが 元政府軍の壊滅拿捕と告げる
兵隊不足からの依頼だと理解した
チッチはキーンの格闘センスに興味を持ったらしく 戦闘後のクソ達の片付け役 清掃員に勧誘するがキーンはひたすら断った
攻撃も凄かったが攻撃中のチッチの顔が脳裏に浮かび恐怖が消えなかった
リンリンが挙動不審に動く
レインボーカラーのツインテールが揺れる
「落ち着き無いですね」
少し笑ってクリビーが言うと
アユニがリンリンの動きを読み説く
「43人…85丁……装甲車2台…」
「モモコ!穴っ!!」
それを聞いたチッチが声を上げると
モモコが座ったまま回り始める
無駄の無い穴の開け方のせいかシュオーンと気持ちいい位歯切れ良い音で地面へと入っていく
「良いよ!みんな来て」
モモコが下から声かけると全員が穴に入った
ガガガ!ガガガ!
途端に壁に穴が空き、レストランの中に鉛玉の雨が横なぐる
チュドーン!!
空気を引き裂く音でランチャーが撃たれ爆発した
土煙を上げて崩壊するレストラン
外ではズロウファミリーが連射を辞めない
耳の奥まで痛くなる発泡音の中
レストランのオーナーは自分の店を見て泣いている
仕方ないっすとレストランスタッフがオーナーの肩を叩いて慰める
モモコがあけた穴の中で話合いがされている
かなり広く掘ってくれたのでみんな余裕で座っている
上では銃声が轟いているが下は嘘の様に静かだ
ここぞとばかりにチッチがコッコの隣にすり寄る
「ねぇ奥さんとはいつ別れてくれるの?」
チッチがコッコの胸板に人差し指を立てて聞いてきた
「1度でも寝たことが無いのにちょっと何言ってるか解かんねえ!」
冷たく返すコッコ
「さっき強く抱きしめてくれたじゃん」
広場でキーンに向かってタックルした時を思い出すコッコ
「あんなの毎日喰らったら肋骨何本あっても足りねぇだろ」
隣にいたキーンが思い出してゾクっとした
「とりあえず俺らは上の奴らやっつけて王子の話聞き出すんで、そっちはそっちの仕事に行っちゃってください」
イガラシが助け舟と言わんばかりに話に入ってきた
ナイスイガさん!! チームJAMが全員そう思った
「ありがとうございます!解りました!」
アイナがチッチの襟元を引っ張ってコッコから引き離す
ナイスアイナ!! チームBiSH全員が親指を立てた
「でわ失礼します」
メガネをクイッとあげて頭をさげる
モモコが勢いよく穴を掘り始めた
「さて、やりますか」
ミヤビが上を見て頃合いを図る
「せーの!」
全員でかがみ上へ飛ぶ
銃声はまだ響いているのでズロウファミリーは誰も木のきしむ音に気付かない
ロングイはタマの前に立ち何かを警戒した
「!?」
タマはロングイの行動を理解してロングイの後ろに身を隠す
潰れた店の真中がモコモコっと膨らむ
ボコーン!!
音をあげて潰れた店の木材や石等が八方へ飛び散る
「ギャー!」 「いでー」 「がっ」
様々な叫び声があちこちから聞こえる
飛び散ってきた物がマフィア達に当たる 刺さるの大惨事
声と同じ位血も飛び散る
ロングイは飛んでくる物を手や足、近くにいたマフィアでタマを守る
怯んだマフィアの元にイガラシが突破口を開く
後に続くようにYUI、ミヤビが暴れる
クリビー キーン リンゴもさっきチームBiSHにやられた腹いせの様にマフィア達をなぎ倒していく
「スゲーなこいつ等…」
ロングイが吹き飛んでいく連中を見て口をあんぐりさせた
指揮を取っていた幹部以外あっと言う間にやられてた
レストランのスタッフも巻き添えでタンコブ1個ずつできていた
「イガさん話聞いておいてください」
コッコは幹部の胸ぐらを掴んでイガラシへ投げる
そのままロングイの方へ歩いていく
ロングイが帽子を脱いでタマへ被せる
「人じゃねーなぁ」
コッコが眼を座らせロングイへ近づく
「お互い様だろ」
ロングイもコッコへ近づきながら喧嘩口調になる
「ズロウの仲間か?」
少し身構えるコッコ
「一緒にすんな!俺はもっとかっこいいマフィアだ」
ロングイがまた一歩前に出て答える
ロングイが前に出たおかげで後ろの少女の姿が見れた
コッコはナナ王妃に呼ばれた時の絵を思い出した
「こ、この娘は…」
ロングイを無視して少女を覗き見る
「それ以上何も言うな、近寄るな!」
ロングイはコッコの身体を抑え押した
コッコはロングイの眼を見た
「お前……」
コッコは何かを言おうとしたが途中で言うのをやめた
それを察したロングイはコッコに
「ちっ!優しい野郎だな」
と軽く拳を胸元へコンと当てた
コッコは少し微笑んだ
レストランの折れた柱に幹部が縄で縛られリンゴにムチを打たれてる
ピシッピシッ!と乾いた音がする
クリビーが羨ましそうに観ていた
タバコを咥え幹部のムチ打ちに見入る
タマと2人で唖然としている
「で、何しにココにいるんだ?」
ロングイの車によりかかりタバコに火を着け訪ねた
ロングイもコッコの隣に行き
「お前たちは?」
と質問を質問で返してきた
普段なら 質問を質問で返すな! と突っ込むとこだがコッコは正直に 王子を探してると答えた
ロングイも同じだと答えるとお互い考える事は同じだと知り幹部を同時に見た
幹部は既にリンゴに調教され全てを吐いていた
とても幸せな顔をしている
ズロウファミリーのボスは北の果て
山間の海の村 ビールカップにいる事が解った
ビールカップ そこは1年中雪が降り注ぐ雪の絶えない場所 降り続ける雪に海風は冷たく吹き刺さる降っては凍り、降っては凍る 寒さを超えた極寒の地
首都からは距離がかなりある ロングイの車だと1週間はかかる
コッコはトクへ連絡して適切な乗り物を頼む
数分後ー
2台のワンボックスSUVが届いた
ロングイは何処から持って来た?と驚くがコッコは サンタクロース と笑って答えた
ロングイに車を1台預ける YUIとミヤビとキーンを同乗させて
「道案内頼むよ マフィアちゃん」
イガラシがエンジンをかけて窓からロングイへ
「任せろ!ちゃんと着いてこいよ葉巻きのあんちゃん!」
髪型の事で言い返した
車は北を目指して走り出す
その頃国境近くの山の村
国の西部にある名も無き山の麓
パシュンパシュン!!とトレーラーのエアの音がする
元政府の連中が3大兵器の一つを見付けた
大きな布でグルグル巻になっていて中は見えない
冷凍トレーラーへ重機を何台も使い運び入れている
そのトレーラーもまた 北の大地 ビールカップを目指して出発をした




