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天空の使者  作者: サルザムライ(占空)
第三章 正義の行方
32/50

テロリスト④ 終結


ハァハァ カハッ! オォ ウェッ!

コッコとイガラシの生首を見てキーンの呼吸がおかしくなる


クリビーも言葉を失い、ただ首を見ていた


「アハハハッ どこのどいつかは知らんが

 ざまぁないのぉ」

老人が嫌味な笑みでクリビーとキーンを指さして笑う


言葉こそ聴こえていないがその態度が瞳に映る

「ハァーハァ、ハァハァ!ハー」

キーンが無理矢理呼吸を整える

老人の態度に胸糞悪いと嫌悪感がでるキーンは

呼吸を少し浅く、深くと繰返し拳を握る


クワッと鬼の形相になり檻を殴りはじめた

特殊な檻だけあって殴ってもヒビどころか音もしない

ひたすら叩くキーンの拳が血を吹いた

アクリル合板はクリアなので殴る度、出血がへばりつくのが解った


ピッピッと飛んできた血が顔に付き我にかえるクリビー

でんでん太鼓の様に腕を振り回すキーンを後から止める

「無駄に殴っても駄目だ!」


そんな2人を指を指してさらに笑い馬鹿にする老人


「クソジジィがぁ!」

キーンが叫ぶとクリビーは手を離した

いや、離れた? 弾かれた?


この時、空気の読めるクリビーだけが気付いた


「うおおぉぉ!」

雄叫びを上げるキーンの体から円を描くように赤い何かが観えた

「ジジィ、ウェザー許さねぇーっ!」

その赤い円は拳へと動く

ドゥゴウ!!

打ち立てた拳が檻を割った

バキバキ ドゥゴン!!


「なっ何!!」

さっきまで散々笑っていた老人の顔が驚きで間抜けなアホ面に変わった

割れた穴から光る獣の様な眼光

「がァ!」

キーンが老人へと飛びかかる!

慌てて幹部がキーンへ銃を向けるがキーンはそれに反応したかのように老人方面から幹部の懐へ瞬間的に移動する

左手が赤く光ると掌底を下から上へ突き上げた

幹部は宙を舞、1回転して倒れた

「ひぃぃっ!」

老人が腰を抜かした

ゆっくりと老人の方を向く

老人の眼に映るキーンは死神に観えた


「シネ!」

キーンの眼はイッていた

ジワリジワリと老人の方へ歩くキーン


その間クリビーはウェザーの動きを観ていた

よくは解らないが違和感を感じたのである

2人の首に


イガラシの目が片方開いてる

「ん?」

テヘっと舌を出すイガラシにクリビーが気付いた

「キーン!生きてるよ!二人共!」

拳を振りかぶり老人の顔めがけ向う拳が止まる

拳圧と赤い光で老人は鼻が潰れ鼻血を出すのと同時に小便も漏らした

震えが止まらない老人


まじ?という顔でイガラシとコッコの首の方を見た

キーンの拳の赤い光がオレンジになり黄色になり消えた

ニッと笑うコッコ

「どういうこと?」

ポカーンとするキーン

「こういう事」

笑いながら袖から体を蛇の様に出す2人

スーツのメタモル機能で身体を軟化させ袖に潜り込み顔を出した所を生首の様に見せていた


「お、お前等裏切ったのか?それとも仲間だったのか!?」

老人は後ずさりしながら指をさして叫ぶ


「ドッチデモナイ!オレタチハ イライヲコトワリニキタノダカラ」

サニーの言葉に愕然とする

後ろにいたウェザーの4人が部屋を出ていった

「ふざけるな!」

老人が叫ぶも

まるで小馬鹿にした様にサニーは軽く手を上げ部屋を出ていく



先程 サニーがコッコに負いかぶさり熱を放出したのは監視カメラを溶かす為だった


コッコの耳元で「イライヲコトワリニキタ」

とサニーが言うと一緒にいたイガラシからの提案で生首作戦になったのだ

この作戦の狙いは時間稼ぎである

リンゴの爆弾解除の為


キーンの特化能力の目覚めは計算外だった


「おのれ!全員神の生贄になれ!」

老人は腰を抜かしたまま腕を伸ばし起爆スイッチを押す

カチッ

カチカチカチッ!


何も起こらない

「わりーな、ウチのメンバーは優秀でな」

コッコがニヤッと笑う


下の階でリンゴふーっと息を吐き

全ての起爆装置を外し終えていた

「間に合ったみたいね!やるじゃん私!」

手を上げて喜ぶ

ゾク!!

その瞬間、冷気を感じ後ろを見て驚く


「ヤァ」

手を上げたスノウとノウムがいた

驚くリンゴに対して軽く挨拶が帰ってきた


「テキじゃない、シアゲニキタンダ」

「仕上げ?」

不思議そうにノウムを見ると スノウがサッとリンゴをお姫様抱っこして端へ退けた


突然のウェザーアサシンとお姫様抱っこに緊張からかリンゴは固まったままで2人の行動を眺めた

スノウが手から凄い冷気が出る 

パキパキと音を立てすごい速さで氷が広がると

パキーンと爆弾を全て凍らせた

そこへ、ノウムが大量のガスの霧を巾着の様に形どり一気に縛り上げた

シュオー!キュ!

爆弾がある洞窟に一瞬で巨大真空冷凍庫になった

「す、凄い……」

リンゴが呆気に取られる

「オマエもスゴイヨ」

スノウがリンゴの肩を叩き出て行く

「1ヶ月ハ何ガアッテモダイジョウブダ、アトハ クニノニンゲンニ ショリサセロ」

そう言ってスノウも出て行った


老人はクリビーに縛られていた


しかし老人はスキを観て上のヘリポートへ行こうと考えている

モニターをチラッと見ると絶望が老人を襲った


もう観念せざるを得ない状況を目の当たりにしたのだ


端から逃げる信者達が次々と黒焦げになる映像が映った

幹部は信者を捨てヘリコプターを飛ばそうと乗り込む

プロペラが回り飛び立とうとした時ヘリの前にレインコートが現れた

瞬間的な速さだった 機体が粉々に散り幹部諸共砂漠の風へとなった


「終わりだ!」

コッコがそう言うと老人は気を失い、小便の上へ倒れ込んだ

ビジャ!!

跳ねる小便を避けるイガラシ

「連れてくの嫌ですね」

臭い小便まみれの老人を皆触りたくなかったので少し放置した


牢屋からは頭の花が刈られた人達が我にかえり、次々と外へ出て行った

後から到着した九士団達が開放したようだ


老人を触りたくないユニバーサルは到着したムロに老人を渡すもムロも拒否


九士団も触りたくなかったのでジャンケンで連行者を決めていた


ムロとハルマが文句を言いながら老人を連れて行った


コッコ達はミヤビの元へ急いだ

全員が走ってくる姿を見てYUIがホッとした顔で皆を迎えた

横たわるミヤビをコッコが抱き上げホテルへと連れて行く


1つのテロ騒動が終わったのだ


王宮ではサダ王が右大臣と左大臣の身体を包帯で巻いていた

ミイラを作るかの様に顔以外全てに包帯を巻いている


亡骸を見ているサダ王の顔は無表情

むしろ眼は冷たさを感じる眼差しだった


左大臣の亡骸を端に寄せ

右大臣の亡骸へと話しかけた

「なぜ…何故だ…」

押し殺すように言葉を吐く



「なぜ、左大臣を殺した!仲間だったんだろ モリワキ右大臣…」


右大臣の亡骸は何も反応していない


「もうお前らの負けだ、モリワキ右大臣……イヤ、ヨルドアよっ!!」

静かに話し掛け、名前を呼ぶ時に叫んだ


「チッ!」

舌打ちがした

ゴロンと回転してモリワキがサダ王を見る

本人はガバっと起きたかったが

包帯で固定されていて身動き出来なかった

ボーリングのピンの様

「何故 左大臣を殺した」

冷たい眼で投げかけると

「お前に!サダ王に寝返るつもりだったからだよ!お前の人望には参ったもんだ!」

モリワキ右大臣が叫ぶ


サダ王は悲しい顔をした


「いつから気付いていた!サダ王!」

「お前を助けた時からわかっておった

ワシ等はある集団を探していて、もしかしたらテロリストとお前らならそいつ等を知ってるかと思っていたんだ、そしていつかお前に聞こうと思っていたんだ、お前が改心したらの話だが……」

サダ王は神への思いを持つものなら、いつかテロ等しなくなるのでは?と期待していた

野放しにするよりそばに置いていた方が世のため 

本人達も地位や名誉を持てばテロ等という愚行をしなくなると考え わざと身分を渡した


そのサダ王の案に応えたのが ゼンジロウ左大臣

彼はサダ王の優しさや配慮に感謝していくうちに人を傷つける事を辞めたくなっていた


十年際の最初の爆発騒ぎでゼンジロウはモリワキにテロを辞める事を持ちかけた


ゼンジロウがサダ王に全て白状されては困るので、納得したフリをしてモリワキはあえてその話に乗る


そしてゼンジロウの警戒が解けた時に殺害したのだ


サダ王は話を続けた

「全てのAIポリスに武器や爆弾、監視カメラを取付、わし等をずっと狙っておったのもお前の仕業だな」


冷たい視線を送られるとモリワキはサダ王に今迄に無い恐怖の先にある闇を見た

勝手に足が震え言葉が出なかった


今はこれ以上話し合えないと判断するサダ王

「少しの間、檻に入っとけ」

包帯巻きのままモリワキは担がれ檻へと連れて行かれた

廊下にはサダ王の静かに歩く足音が不気味に響き渡った


ホテルではベッドにミヤビが寝ている

ベッドの脇にはDr.ハイドとトクが居た


通信が戻り現状を知った2人が急いで来てくれた

YUIの応急処置が適切だったので治るのも早いとDr.ハイドが診断した

トクは1人泣いている


Pi-rurururu♫


ホテルの電話が鳴る

YUIが出ると電話の主はシュンだった


十年際をやり直す為 是非ユニバーサルのメンバーに来て欲しいとの事

コッコは指でオッケーを出すとYUIがシュンへ伝えた


Dr.ハイドとトクはホテルでミヤビの看病をすると言って参加を拒否する

特にDr.ハイドは人見知りの為全力で拒否をしていた

イガラシがからかう様にハイドをしつこく誘う


その様子を見てミヤビが少しだけ笑った

それに気づいたメンバーは安心した様に笑う


本当の宴が今始まる

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