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天空の使者  作者: サルザムライ(占空)
第一章  ヒーローの燈火
3/50

今日の今日で筋肉痛

先輩と居酒屋ではなしていても、どこか体に違和感を感じてる

「もう、筋肉痛か」

腕や足をさすりながら話す僕に先輩は笑いながら言う

先輩曰く、当日筋肉痛が来るのは若さの特権と運動不足らしい


好きな食べ物の話になり

僕は栗が好き

と言ったら想像以上に先輩は驚いていた

ついでにマスターも驚いた


僕にとっては子供の頃のおやつとしてご馳走だったから、驚く先輩に驚いた


仕事や親方の話などしていく内に先の話になった


将来の事


施設を出る事しか考えてなかった僕は何も考えてない


「それじゃ駄目だろ」

始めて先輩に否定された気がした

だからか少しムッとして

「んじゃ、先輩はあるんですか?夢はなんですか?」

と、きつめに返した


「そりゃぁあるよ」

先輩はタバコに火をつけながら応えるが

照れてるようにも見える


「なんですか?教えてくださいよ」


なんだろう?この言い返す気持ちがここちよい

人の話に食い込むのが本当に仲が良い事なんだと急に感じる


「あん?生意気なったな」

ダバコを僕にむけて先輩が笑った

多分、先輩にだからこんな感じになる


「俺の夢なんだと思う?当たんねーから」


質問を質問で返された

でも興味はある

先輩を見てきて、先輩がなりたいもの

先輩がしたいこと


「わかった!全国制覇!」

言ったと同時にお絞りが顔に飛んできた

「なんのだよっ」

笑いながら先輩は突っ込みが入る

僕も笑った

このテンポが楽しい


人の良い所や感情を先輩から教えてもらっている

「で、結局夢はなんですか?」

投げらたお絞りをたたみながら先輩の前に置くと


「ヒーロー」


サラッと答えられた

二度聞く僕に


「だから、ヒーローだよ」

「ネタですか?」

「マジだよ」

僕は生まれて初めてだろうドヤ顔を認識した


先輩はマジだ


「なんのヒーローですか?格闘家とかアスリート系?」

だから僕も真面目に返した


「ちげーよ、スポーツとかで夢を与えるヒーローもいいけど俺は困ってる人とかを助けるヒーローになるんだよ」


「警察とかレスキュー隊みたいな?」


「そこは日雇いの現場者にゃむりだろ」

まるで僕の質問がわかるかの様にトンと答えられた

「体鍛え続けて世の中をキレイにしていく、ウルトラなんちゃらとか、戦隊者やライダーや、マーベルみたいなヒーローだよ」


そういう感じなんだと驚いたが僕を助けてくれた時を思い出すと"なれる"と思えた


「正当派でもダークでもいい、ヒーローになるんだよ!そしてお前...」

「はい、お待たせっ!」

威勢のいい声で前からビールが届いた

「ニィちゃん気をつけな、こいつヒーローの話すると長ーぞ」

マスターが苦笑いしながら僕を見る


先輩は色んな人に言ってるんだ

先輩は理屈じゃないんだ


「大丈夫です、僕こういう話好きですから」

笑顔でマスターに答えると

「珍しい奴だな」

マスターは笑って厨房奥へと行った


先輩のヒーロー話は続いた

先輩のヒーロー論は面白い


"ヒーローは人を敵を殺さない"

これは理想だと思う


"街の一部を壊しても弁償しない"

なんかわかる


"正体はヒミツ"

これも解る


"銃を向けられたらジグザグに走る"

急にリアル


"1度死ぬ"

映画にあった


等とあげたらキリがないが先輩の話を聞いていたら僕もヒーローになりたくなった


「僕も先輩とだったらヒーローなりますよ」

笑って返す僕に先輩はとても優しい笑顔で応えてくれていた


焼き鳥を焼き始めたマスターはヒーロー誕生にとつまみをくれた


    自家製栗甘露


ハチミツが程よく旨さを引き立てている

夏に食べるのも良い


楽しい夜が過ぎていく


この居酒屋で過す最後の夜が過ぎていく



  翌朝

昨日と同じ現場へ向う

昨日かなり呑んでいたのに先輩はケロッとしている


お酒を呑まない僕でもわかる

先輩は凄くお酒が強い


筋肉痛は昨日よりも僕に痛みを載せている

その分力もついた

痛みが邪魔をするが

持てなかった資材が持てる


そしてその分お腹がすく

僕は昨日のカフェで二人前のご飯を食べると

先輩は嬉しそうに僕を見ていた


そしてタバコ屋へ行き

僕は缶コーヒー、先輩は喫煙


タバコを吸っている先輩が銀行をずっと見ていた

「どうしたんですか?」

僕も先輩の見てる方に顔を覗き込む

「しっ!!」

先輩が僕の体を腕でとめる


銀行のシャッターが半分閉まっている

中にはライフル銃の様な物を持った大きな男の後姿が見えた





ここまで読んでくれた方本当にありがとうございます

先輩と僕は後1回です

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