右大臣 左大臣
クックアイランド 王宮から少し離れた所にある国営テレビ局
誰もいないテレビ局にスダとハルマは戸惑っていた
本来24時間動いているのに灯りはついているのに人の気配は無い
気配をつかもうと耳を澄ましても
静かさが周りを包み事務的な機械音だけが聞こえる
警戒しながら銃を構え放送室の前に着く
ドアを上から下へと観て、ドアノブをチェックして
バッと中へ入る
「誰もいない……」
拍子抜けたようにスダが銃をおろした
「スダ!あったあれだよ」
ハルマが指を指した方向にはビデオテープが再生されていた
ハルマが無線機で報告をする
{九士団全員へ通達!!ビデオテープは確認しました!でも局内に人が1人も居ません!!テープ止めます!}
{待てっ!}
指が停止ボタンを押す寸前でムロが叫んだ
{どうしました?}
{カウントダウンしてるって事は、それがヒントになってる、0になった時、何かをするならそれを邪魔させないようになってる筈}
{どういう事?}
クロキが入ってきてムロへ聴く
ムロは珍しく真面目な声で答えた
{奴らは犯行声明に意味を持つ奴等、それを邪魔するのは許さないって事、スダ!ビデオデッキを確認してくれ}
ムロの言葉に返事をしてビデオデッキを止めずにバラすと停止ボタンから2本の配線が明らかに違う方に延びていた
その2本を指でたぐり追う
2人は目を見開いた、その先には筒状のアルミ缶で出来た爆弾があった
{ありました!爆弾の形状からアナログ式なんでバラしてから戻ります}
そう言って無線は切られた
「なんだろ?なんか簡単すぎるな」
無線をゴウと一緒に聞いてたコッコがつぶやく
「これ位わかりやすくしてるのには意味があると?」
ゴウがコッコの顔を見た
「そんな感じがする」
「カウントダウン時に犯行声明以外……」
ハッとした顔をするゴウがとっさに無線機を出した
{シュン!サダ王のセレモニーの挨拶会場へ!なんかヤバそうだ}
{どうしたゴウ?セレモニー会場はAIポリスが10台入ってるぞ、会場も俺らと大臣達しかしらないし}
焦る言い方をするゴウに対しまるで小指で鼻くそでもほじってる位余裕に答えるシュン
{カウンターの数字が秒単位だから違和感あったんだけど!0になるのはセレモニー挨拶時間だよ!}
その声がを聞いてクロキがすぐ計算した
「ホントだ!」
隣にいたヤマタカがすぐ部屋を出て行った
その頃ドームライブ会場 ホイップ控室
スッと目を開けミヤビが起きた、寝ぼけているのか目に入る景色が頭では理解できていない
隣にはホイップが居るものと思い手をまわすがそのまま布団に手が落ちる
「ん?んんんん?」
手をワイパーの様に振る
隣に誰も居ない
「ん〜今何時だ?ライブリハか?」
そう言って起きて部屋を見渡すも誰も居ない
ステージ衣装もそのままぶら下がっていた
ミヤビは部屋を出ると
ライブとは思えないくらい静かで暗い通路
非常灯以外ついていない
「なんだ?どういう事だ?」
なんにも理解できぬままトイレに行き、用をたし、手と顔を洗い頭を整理させる
ドーム会場を覗くとミヤビは驚いた
あれだけいたお客さんが1人もいないのだ
整理しきれないミヤビ
1万人はどこへ??
会場の場所が変わるのか?スタッフもいない?
色々な考えが一瞬で頭に浮かび周りを見渡すとドームモニターに映る怪しげな画像とカウントダウン
「なんだこれ?」
ミヤビは少し画像に見入ってしまった
サダ王は挨拶の中継の準備をしていた
大臣2人がサダ王の両サイドに立ち、マイクをもって簡単なリハーサルをしている
大臣は堅い表情だがサダ王は祭りに来た子供みたいにはっちゃけていた
カメラもAI、自動で3人ををチェックしている
はしゃぐサダ王に少し迷惑そうにする左大臣ゼンジロウ
愛想笑いで苦笑い右大臣モリワキ
やりたい放題サダ王
10台のAIポリスがカメラの外側で扇状に警備配置された
カウンターが残り1分を切る
ゴウと別れたコッコが王宮を出るとすぐにオペレータートクに連絡をする
「トク!もうすぐ武器転送頼むと思うから準備頼む」
「まってたゼ!!各武器転送準備OK!いつでもイケるからな」
まってただけにテンション高く答えるトク
王宮入り口にYUIとリンゴが門に寄りかかり4人を待っていた
ニコリとYUIが微笑む
3.2.1
街のモニターに映るカウンターが0になった瞬間
画像が変わった
ヤマタカが廊下を走る、速い足音が響く
あと少しでサダ王の元へ着きそうだ
残りの九士団とユニバーサルのメンバーが各々の場所でモニターに食いついた
映ったのはサダ王
満面の笑みでカメラ目線
テロリストが映ると思っていただけに拍子抜けする
その時サダ王の周りにいるAIポリスが銃を構え始めた
薄暗い部屋で白装束の男が気持ち悪い笑い声で人差し指を立てて呟いた
「世界が今、変わる」
目の前のキーボードのボタンを立てた人差し指で落とし押した
サダ王の居る部屋の扉が開く
ヤマタカが入ろうした瞬間AIポリスが火を吹く
左大臣ゼンジロウの眉間に赤黒い点がつくと
後頭部から水風船が破裂するように血と脳が飛び出した
同時に右大臣モリワキがダンスを踊る様に身体が動き出す
AIポリスが放った攻撃で蜂の巣になっている
ヤマタカが飛び込んでサダ王を抱きかかえ転がる
モニターを観てコッコがトクに連絡する
「トク!」
「OK!いくゼ!」
カッコつけて弾くように転送ボタンを押す
「ん?」
「ん?」
トクとコッコが固まる
「おい!トク!武器たのむ!」
再度トクに通信するが応答が無い
トクはコッコへ通信かけるが応答が無い
「隊長!コッコ隊長!」
名前を呼びながらカシャカシャと転送をかけるが武器は転送されない
慌てるトク
それでも転送ボタンを何度も押すが用意してある武器はそこから動かなかった
腕時計のスイッチを入れる
「ヤバい!Dr.ハイド!通信障害ダ!至急診てくれ!」
ユニバーサル通信でDr.ハイドへ連絡する
「スグ行く!」
速攻返事が戻ってきて、トクが少し安心した
しかし状況はまだ何も変わっていない
クックアイランドのモニターに白装束が現れた、画像ではない
LIVE中継で犯行声明が始まった




