ホイップ・ニュー・ストーン
LIVE会場は湧いていた
一曲のはずが何曲もミヤビは演奏している
ホイップとバンドメンバーから認められたのだ
歌姫 ホイップの出番終了まで弾き続けた
歌声は曲を増すごとに上がっていく
ミヤビも最高の歌声に魅せられ感無量!
これ程楽しく熱く演奏した事は無かった
2人はメロディラインに心を載せ通い始める
理屈なき愛だと感じた
演奏が終わり
ギタリストと拳を合わせる
同じ1流だからこそ認めあった
会場からは拍手が怒涛の如く鳴り響く
両手を上げ舞台袖へはける途中
モニターを見てミヤビが目を見開いた
パレードで爆発が起きているではないか
我に返る
「わりぃな!もう行くわ、ありがとうみんな!」
ギタリストにギターを返し外へ出ようとすると前にホイップが現れた
「これ、あとで連絡頂戴」
そう言ってミヤビに紙を渡す
「あ、あぁ、ありがとう」
照れるミヤビは柄にも無く頬を紅く染めた
そして急いで外へと出ると一気に走り出す
爆発騒ぎへとすぐ着くミヤビ
「な!文字通り、駆けつけたろ」
コッコがクリビーに笑顔をみせた
その後 YUIとリンゴが来る
「被害はあそこだけよ」
YUIがコッコへ報告する
「テロリストの仕業ですかね」
キーンが周りを見渡して聞くと
「はっきりとはわからんが、アベさんの話だとテロリストはボマー(爆弾魔)だから可能性は高い」
「となると、ここにはもう居ないっすね」
「あぁ、テロリストは次の準備に入ってるな」
ユニバーサルメンバーは街へと消えて行く
その時 九士団リーダー シュンが馬上からコッコ達を探していたが入れ違いで見つからなかった
街中を歩くメンバー達
「随分楽しそうにやってたな」
コッコがミヤビに言うとミヤビは嬉しそうにホイップの話をし始めた
コッコはミヤビの顔を見て話し方を聞いて恋をした事を察した
連絡先を貰って浮かれてるミヤビに
自分達がこの星で恋をした時の辛さを改めて言う
この星では結婚出来ない事
子供を作れない事
また、ユニバーサルを抜けるとしたら記憶を消される為、全てなくなる事
ミヤビは少し引きつった顔で笑い
「わかってます!大丈夫です」
とコッコに言って1人、人混みの中へと歩いて行く
「悲しい恋にならなきゃいいっすね」
イガラシがミヤビの後ろ姿を見ながらコッコへ言う
「お互い惹かれ合ってるっぽいしな、しかも相手がホイップ・ニュー・ストーンね…若いのは恋に落ちるのが早いな…」
少しため息混じりに答えた
「恋に時間は関係ないでしょ」
YUIがコッコへイタズラめいた口調で突っ込むと
「YUI、ちょっと頼まれてくれないか?」
少し重めの口調で返した
YUIは微笑んで
「わかってるわよ、コーヒーでも呑んで待ってて」
「??」
クリビーとキーンは首をかしげたが
察したリンゴがYUIと一緒に歩き出した
一方王宮では九士団が集まっていた
壁には小さいモニターと大きなモニターがいくつもついている
モニター操作のキーボードの所にクロキとアラキが座り監視操作をしていた
それを見守るように大きな円卓があり
そこに他の九士団が座っていた
「このセキュリティの中でなんで爆弾を確認できなかった?」
シュンが円卓で全員に向って叫んだ
「AIポリスのセキュリティカメラに爆弾が反応しなかったのよ」
クロキがモニターにAIポリスの監視画像とセキュリティ画像を映し出した
「今までそんな事なかったのにね」
姉をフォローするかの様にアラキが入る
「実際爆発はした、海賊達の体にはなにも仕掛けはなかったのかな?」
冷静にゴウが言うと
「死体は調べたけど腹の場所はグチャグチャで破片はあったけど目ぼしき装置類は見つからなかったよ、他も切り刻んで調べたけど何もないね」と解剖をしたヤグラが答えた
「怪しい奴は誰か見なかったか?気配でもなんか感じた奴はいないか?」
ヤマタカがメンバーを見渡して聞いた
「正直、俺らも浮かれてたわけだし中々、ねぇ」ムロが明るく答えると
「それじゃぁダメだろ!!」と間髪入れずにヤマタカが返した
スダとハルマが次喋る準備をしていたのにタイミングを逃した
お互いに指を指し、ジェスチャーで残念さをアピールするがムロとヤマタカが言い合いになり始めていた
豪快で堅いヤマタカとひょうきんでお調子者のムロは真面目な話の時は噛み合わない
収集つかない感じでザワつくのを見かねて
響く音でバン!
とシュンが机を叩いた
一瞬で静まる
「証拠は何もないが変な気を放ってる奴らがいた」
シュンが口を開く
「早く言えよ!」ヤマタカがシュンにイラっと言う
「もし、あいつ等が仕掛けたなら命落とす覚悟が必要だぞ、それ位の圧がある」
「そいつら監視モニターに映ってますかね」
スダがシュンの真顔に直ぐ様事態を飲み込む
クロキが監視モニターのタイムレコードを画面に引き出した
「時間と場所は?」
「爆発が起きる1、2分前でクッキングスペースヤードの大通り」
聴きながらデータを打ち込む
「シュンがそんな風に言う奴らってどんだけすごいんだろ」
そう言ってハルマが生唾を呑んだ
「出たわ」
そう言って大きなモニターへと画像を映し出す
「老人と居るこの人達?」
クロキが少し驚いた感じに画面を見ると
「こいつらが……?」
と他のメンバーが画面を見て固まる
モニターに背を向けてるシュンが振り返り
「そうだ、こいつら…が?」
と驚いた
その画面には酷く不潔なブスが4人いた
「余り凄さ感じないけど、不潔そうで圧はあるわね」
アラキが冷静に返した
「ち、違う、もっとスマートだし、こんな汚らしくない!」
慌てるシュン
「でも、その前後にこの人達以外映ってないわよ、場所が違うとか」
タイムテーブルを動かしてもブスしか映ってない
「そんな……」
「なら、特徴教えて!私がモンタージュ書くから」
気落ちするシュンに紙とペンを出し描く準備をするアラキ
特徴を細かく言うとアラキはササッと書き始めた
他のメンバーも特徴をよく聞き頭に描いていく
アラキが書き出した紙をシュンに見せた
「こんな感じかしら」
「なぜ、モンタージュを名乗りでた!」
自信満々のアラキにシュンが少し怒り口調で返す
アラキは絵が残念だった
特徴こそあれど、描かれていたのは小学生もビックリな絵であった
ムロが爆笑する
「アラキちゃん最高!」
親指を立てて盛り上げる
テヘっと笑うアラキに「褒めてねーよ」とスダが突っ込む
「まぁ特徴はみんな聞いたし、シュンと確認しながら街中探そう、特徴も聞いて周れば誰かしらわかるかもしれないし」
ゴウが皆に語りかけるように伝えた
「そうっすね、観光客ならホテルからあたりましょう」ハルマがそう言うとに、アラキにホテルデータをタブレットへ転送してもらう
九士団は席を立ち出ようとした時
ウィーンと部屋のドアが空いた
「ちょっといいかな?」
右大臣と左大臣が入ってきた
やたら綺麗なスーツにこれみよがしの国の名誉バッジ
ザ 大臣といった感じである
2人は明日のメインセレモニーの場所を変更しメインセレモニーは予定通り行うと王の伝達を持ってきた
「くれぐれも他言無用で、王と九士団、そして我々左大臣、右大臣以外は知らない話ですからね」と念を押された
元々この大臣をよく思わないヤグラが
「大丈夫ですよ、それ迄に犯人捕まえますから」と喰いついた
「そりゃ楽しみですな」右大臣モリワキが嫌味っぽく笑い返す
ムロがなだめるようにヤグラの肩を叩き九士団は街へと向かう為部屋をでる
街は日が落ちるも、盛り上がりは続いていた
昼間の事件があったにも関わらず街は賑わいを増す
もちろんドームもLIVEが盛り上がっている
そして控室ではホイップとミヤビも盛り上がっていた
ホイップは国1番のアーティスト
部屋も特別豪華である、高級ホテル顔負けの設備と装飾
冷蔵庫に無いものは無い位の食料と飲料
部屋の中央には大人4、5人は横になれる大きくきらびやかなベッド
2人はそこで甘い空気を出している
ギタリストの指さばきは夜の大人の音を奏でる
ホイップはミヤビにメロメロ 潤んだ瞳で見つめ、何度も何度も抱きしめ合いながら口づけを交わす
ミヤビもホイップに応える、夢中である
優しく、激しい2人だけ時間だ
クックインターナショナルホテル
コッコの部屋にはイガラシとYUIがいた
YUIが調べて居たのは ホイップ・ニュー・ストーンである
この国の人間では無く、他の国での活動もある事が調べられていた
「危険だな…」
「これ、多分テロリストとの関係ですよね」
YUIから見せられた調査報告書をみて2人は重く受け止めている
「どうする?」
YUIが聞くとコッコは「しょうがないだろ、手は打つしかない」
「そうね、私とリンゴでもう少し動いてみる」
「頼む、くれぐれもミヤビにはバレないようにしてくれ、変な所で真面目だから……」
「わかってるって♪」
軽く微笑んだYUIはリンゴを呼び出しホテルから出ていった
「いいんすか?ミヤビには伝えなくて」
「いずれわかる時が来るからそれまでは」
「そうっすね」
イガラシは少し小声で答えた
夜が深まり、街の灯りは昼を思わせるほど明るい
人が祭りで盛り上がりをみせている、そんな時こそテロリストも動きやすいのでパトロールへ行く事にした
4人はエレベーターに乗り込む
最新ホテル、エレベーターが速い
直ぐにチン♪と音を立てロビー階に着く
ス~と扉が開くと
銃を構えたAIポリスと九士団のヤマタカとムロ、ヤグラが居た
そっと扉を閉めるがこじ開けられる
AIポリスの映像を観るシュン
「このブス達……?」
すると通信でヤマタカが
「こいつら、お前の言ってたのと特徴が似てるな」
「すまん、映像では全くわからん」
「取り敢えず連行する」
ヤマタカが手を上げるとAIポリスの銃口が4人へ近づく
「どうします?」
キーンがコッコとイガラシを見ると
「これ接触のチャンスっすね」
「あぁ、願ってもないチャンス到来だな」
2人はニッと笑い投降する
4人はAIパトカーに乗せられて連行された




