表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天空の使者  作者: サルザムライ(占空)
第三章 正義の行方
22/50

裸の王様

月は黄金色の輝きで満天の星を輝かし

蒼々とした空は海を黒く映し出す

静かに大型客船はボードバックからクックアイランドへと向かっている


小さな街が有ると思うくらい船上は人と娯楽施設で賑わっている


チームJAMは個々自由時間を満喫していた

船で2日かかるので任務の話は着く前に集合かけるので先に自由時間とコッコ隊長からの計らいだった

クリビーとキーンはミヤビに連れられカジノで遊ぶ

以外にクリビーが熱くなってる

流が読める特化能力があるにも関わらず勝てないのが納得出来ないらしい

それがギャンブルである

キーンは直感だけで台を選びスロットを楽しんでいた

ミヤビはクールに酒を煽りタバコ片手にルーレットで勝っている


リンゴとYUIは船の中にある洋服屋で、はしゃぎながら、体に合わせてファッションショー感覚で店から店へと移って行った

店から出る度に買い物袋が増えていく


イガラシはコッコ隊長と酒を飲みながらテーブルいっぱいの料理を食べて笑いながら話していた

それぞれがそれぞれの時間を楽しんでいる


楽しい時間はすぐ過ぎていくもの

午前5時

何もない大海原を眺めるミヤビ

慣れないお酒に酔いつぶれたキーンとクリビーは甲板に横になり少し明るくなり始めてる空を観ていた

少しの風と冷たい床が心地よい


ミヤビはそっと横になっている二人を見て微笑んだ

まだ半年位だが成長しているのが良くわかるのが嬉しかった

「少しは骨のある顔付きになったな二人共」

ミヤビが二人に言葉を投げると二人共寝ながら腕を上げ親指を立てた

「ほれっコレ飲めっ」

ポケットから瓶を取り二人の顔の横に置いた

「これは?」

青い顔のクリビーが瓶を取る

「Drから貰った酔いざましだ」

聞いた途端一気に蓋を開け飲み干す2人

よほど辛かったようだ

キーンは効くのが早く直ぐに顔色が戻った

クリビーはその30秒ほど後に効いた

流石Drハイドの発明 効くのに1分かからない

「おっ日の出だ」

ミヤビが昇る太陽を観ながら言うと2人も立ち上がり 次第に光が大きくなる太陽を観て自然と笑顔になる

少し冷たい空気と暖かい光が気持ちを明るくしてくれる

「なんかワクワクすんなぁ」

キーンが伸びをしながら言うとクリビーは深く深呼吸した

「なんか良いですねこう言う時間も」

「任務終わったら3人でテラの旅でもするか」

嬉しそうに言うクリビーにミヤビが優しく応えた


女子チームは朝焼け入浴タイム中

湯船に浸かりながら楽しげに男の話をしている

中々理想の高い2人の会話はえげつない

メンズのダメ出し

それが女子トーク

2日目の夜にクックアイランドへ着く予定である

クックアイランドは世界同盟非加盟国であり

通年飛行機での入国が出来ない様になっている


本来ユニバーサル達は王族の許可が有ればそっと国へ入れるが今回は許可が無い為、船での入国になった


2日目は食事以外は皆、体のメンテナンスをしていた

コッコ隊長の部屋に集まり今回のミッションの話が始まる


話の内容は1日さかのぼり、昼のボードバック

王室での話

タミ王と側近アベがコッコと対面で座る

「ご指名ありがとうございます」

自分の時間を取られたので少しの皮肉を込めてコッコが言う

タミ王は少し笑った

「本当にスミマセン、この間来てもらったばかりなのに」

申し訳なさそうにアベが頭を下げた

普段、王の隣に座る事など無いアベがそこにいるのをコッコは不思議な違和感を感じた

「今回はアベの依頼なんだが、クックアイランドをテロから守ってほしいんだ」

タミ王が突然切り出しアベはバスケットボールのドリブルの様に何度も頭を上下に動かして頷いた

その様子を見て尋常な話ではないとすぐ分かった

「テロとは?」

「実はヒップワン宗教国へ潜りこんでるうちのエージェントのエビから内通で今度クックアイランドの開国十年祭の時にテロを起こす事がわかりました」

コッコの質問にすぐ応えるアベ

「なら、クックの国王に教えれば良いじゃないですか あそこは世界一と言われてる兵士達がいるんですから」

「テロリストが用意してるのがかなりの爆弾と......」

といってツバをごくりと飲むアベ

「と?」

「ウェザー全員です」

「え?」

流石にコッコも驚いた

「なら、尚更クックの国王に言わないと」

「言いました、でも取り合って貰えませんでした」

少し悔しそうに言うアベ

「でも、伝えたんだしそれで取り合ってくれないならそれでいいじゃないですか、責任は果たしてますよね」

なだめるようにコッコは返す

アベはテーブルの紅茶をグイッと飲み

「クックアイランド国王の...サダ王は…私達アベ家の人間なんです」

語尾を上げ、思い切って言った

コッコは驚いた

人種も違えば立場的にも王の近くに居て王にはなれない一族が王になるのは 無い事なのだ


「ナゼ?ボードバックの国王側近家系が一国の王に?」


アベは少し遠くを見て話し始める

「私とサダ王は"ヨッちゃん""さっくん"と呼び合う位の仲良しでした、幼き時より年下のさっくんを弟の様に可愛がっていました

国王側近としてさっくんの成績は抜群です!武道良し!頭脳良し!人当たり良しと本当に素晴らしき男なんです!そのうち世界情勢を学ぶうちにさっくんは 世の中の差別、戦争等を本当に嫌がり、15年位前に世界を変えると言ってアベ家を飛び出しました そして10年前にクックアイランドの人達を当時の支配者 ヒップワン宗教国家 ヨルドア派から開放、開国させ新生クックアイランド 初代王になりました 王になれば危険はつきもの   しかし今回ばかりは相手が悪すぎる!!幼い頃から一緒にいた仲良き親族!ほっとく事はは出来ないのです」

アベはコッコの目を見ると力強い説明と少しの涙声で頭をさげた


その姿にコッコはただ黙った

「かなり危険な話だがお願い聞いてくれないか?」

タミ王がボソっと言って頭をさげた

「でも、ウェザーは王族は殺さないですよね、なら大丈夫じゃないですか?」

二人の頭を上げさせながら応えた

するとアベが

「ウェザーのターゲットは九士団と言う兵士達、そこを狙い、国がパニックになったそのスキにサダ王の命と国を盗る計画だそうです」

「確かな話ですか?」

コッコは食材に興味はあったもののあまり乗り気ではなかったがテロリストの行動が入念なのでただのテロでは無いように思えて来た

「はい、うちのエージェント、まぁスパイなんですが、ヒップワンは過激宗教国なので信頼出来るエビと言うのが行っているので間違いないです」

普段は穏やかなアベが力強くで訴える

コッコは少しだまり「わかりました」と承諾した


この内容をメンバーに伝えたコッコ

部屋は少し静まる

その空気を切るように

「なので、無理にウェザーと闘う事はしないでくれ、あくまでもテロの阻止とテロリストを捕まえて国王に差し出すのが今回のミッションだ」

とフォローがてら伝える

「まぁ受けた物は仕方ないっしょ!皆でやりましょ」

それを悟ったようにイガラシが入ってきた

「じゃあ作戦会議に入りましょ、コーヒーいれてくるわ」

YUIはそういって立ち上がり部屋の小さいコンロで湯を沸かす、リンゴはスッと立って手伝い始めた


船は港へと到着した

アベからテロの話が通ってるだけあってチェックはとても入念だった

荷物 バッグ

しかし到着した全ての者が驚いたのは

チェックが全てロボットによるものだったのだからだ


完全X線通路を入り、AIポリスが顔認証 身元確認をしていた

ユニバーサルの一行はそれぞれこの星のIDを保有しているので問題なく通過する


港は明るく来航客を受け入れている


街に入ると一行はアベが用意したホテルへとタクシーで向った

タクシーもAIだ

街の監視システム 高々と建ち並ぶ、きらびやかなビル達、そのビルに付いてる巨大モニター AIポリス は近未来を感じさせている


「凄い綺麗、思ってたより全然都会!」

リンゴがタクシーの窓から映る光の景色を観て感動する

それを察知したようにタクシーのスピーカーから街の案内が流れる

街の見所やグルメ自慢の店達

流行りの音楽やファッションの紹介が一行を和ませた

クックインターナショナルホテル


一際高い建物 丸み有る造りを街の灯りがてらし高級感をだす

「アベさん気ぃ使ってくれたな」

コッコが少し申し訳無さそうにホテルを見上げつぶやいた

部屋は最上階3つの部屋

チェックインするとベルボーイが荷物を持ち案内してくれる

"ここはAIじゃないんだ"

全員そう思ったが口にしなかった


高速エレベーターであがると部屋へと続く廊下からカラフルなジュレを並べたような優しい光の夜景が広がった

「ここでいいよ、部屋割こっちでするから」

そう言ってチップを渡すとベルボーイはエレベーターで下へと行った

「こりゃ女子と二人で来たいっすね」

イガラシが口元を緩めた

「アタシたちも女子よ」

YUIがからかう様に言うとイガラシはイヤイヤイヤと手を前に出し逆にYUIをからかった



女子は二人ひと部屋で後はグーパーで決めたコッコはキーンと同部屋でイガラシはクリビーとミヤビと同部屋 

それぞれが部屋へ入りクックアイランドの十年祭の栞を見る

明日から前祭 メイン祭 デザート祭と3日間 世界食材原産国ならではのジョークの効いたネーミングだった 



翌朝


大きなベッドで目を覚ますクリビー

1面に広がる窓から見える景色に目を奪われた

夜は夜景で美しい街だったが

朝には大きな山が太陽の光に照らされドン!と見えた

この国を支える大黒柱のように大胆かつ悠々とそびえている


「凄い!」


色々思った事はあったがこの一言以外しっくりする言葉は無かった


TVの番組表にあった国案内を思い出しTVをつける


軽快な音楽と共に目の前に見える山がTVに映る


クックアイランドへようこそ♪

この国は9つの島で成り立つ1つの国

本島首都 シュンシティ

真ん中にそびえ立つクッキングマウンテンは自慢の山です♪

他8つの火山島の影響で島により季節が違うのもこの国の魅力! 乾季 雨季のバランスもとれてます

通年違う季節がこの国にあるので食材全てが旬の物♪


山周辺は砂漠ですがその先には森に家畜と野菜 湖と川には淡水魚 海には海水魚 常に火山活性石のおかげで水も空気も綺麗!

世界トップクラスの食材国になれたのはこの山々のおかげなんです♪

是非ご来航の皆様!食を自然を存分にお楽しみください♪

安心の治安!!

先進技術を使った防犯システムのAIポリス!世界の治安維持を志す九士団♪


スポーツ!音楽!ファッションと皆様の心を満たし喜ばす国!!


それが クックアイランドです♪


すっかり見入って目を輝かすクリビー

後からイガラシが

「観光向けのCMにそこ迄興奮するんじゃないよ!」と突っ込んだ


クッキングマウンテンの周りを取り囲むように大通りがある

その部分部分に大きな橋があり各島へと繋がっている

大通りのメインストリートには歴史と気品を感じる立派な城がそびえ立つ


そこが王宮 前祭パレードが始まる場所


レッドカーペットの先にある王室には九士団が集まって少しざわついていた

「本当にそのカッコでやるんですか」

「やるよ!これが私のスタートだったんだから十年の節目、初心に帰るんだよ」

すこし高めの声が響いた

「イヤイヤ!王!あんた狙われてるんだぞ」

「それはお前らも同じだろ、しっかり防具つけて行けよ!」

「王に言われたくないです」

笑い声が一気に広がる


一方ユニバーサル一行は王達とコンタクトを取るのと街の状況確認の為パレードを観に出た

しかしこの状況ではコンタクトは中々取れたものではない


一応それぞれがポジションへ着く

コッコ、イガラシチーム

YUI、リンゴチーム

クリビー、キーン、ミヤビチーム


街は時間の経過と共に華やいで行く

〈トク!聞こえるか?〉

〈キコえてるヨ〉

コッコがオペレーションチェックを始めた

〈街のセキュリティがかなり厳しいからコッチからサインだす迄武器の転送は無しでたのむ〉

〈ラジャーよ!その代わり合図来たらスグ送るからナ〉

〈オッケー頼む〉

街では色々なイベントが始まりだす


食イベント コッコの心をわし掴み足向きを変えさせる

イガラシは酒のイベントへ行っていた


YUIとリンゴはコーヒー片手にファッションショーを観ている

ミヤビは"3DAYS寝泊りミュージックライブ"に興味津々


この時全員思った

[何か有ったら動けばいい]と

完全に、祭りのムードに呑まれている

それ位、国中がうかれているのだ


コッコは両手いっぱいに食べ物を持ち

イガラシは酒瓶を持って

お互いに、飲ませ、食べさせている


ミヤビは近くのイベントスタッフにライブの話を聞いていた

3日間ドームの中で寝泊りしながら祭りとライブを楽しむそうだ

1万人入るらしいがチケットはもう完売 

肩を落とすミヤビ

クリビーとキーンはミヤビがマジ凹みしてるので少し焦っていた

対処が解らないらしい


するとスタッフがそんなミヤビに近寄ってきた

「お兄さん、よかったら倍値で譲るよ、今年はこの国の歌姫 ホイップ ニュー ストーンが出る貴重なライブよ」

と1枚チケットを出した

流石に任務中だし、しかも倍値でなんて買わないでしょと苦笑いするクリビーとキーン


そっとポケットからお金を出しためらいなく買うの見て驚く!!

「ミヤビさーん!」

そんな声も、聞かずにドームへとミヤビが消える

取り敢えず報告しようとした時


沢山の花火音が青空に響き渡る

トランペットの音が軽快に空気を揺らし

太鼓の音が地を揺らす


前祭の始まり

街の各ビルにあるモニターに王宮入り口が映りだす

スーと華やかな王宮門が開くと白馬がゆっくりと出てくる

国中から歓喜の声が湧き始めた


ドーム内も同じ映像が流れ、ドームが震えるほど歓声が響く


そして国中が笑った

「やっぱり王は違うなぁ」

「嫌いになれねーよ」

そんな声があちらこちらから

ユニバーサル一行は少し驚いていた

「こいつが王?サダ王か‼」

コッコが咥えていた焼鳥を落として呟いた

そのモニターに写ったのは

金色の冠をかぶり

人の字型のヒゲをはやし

小さいぽっちゃり体型に無数の傷跡

提灯パンツにしろの靴下にスニーカー


初代クックアイランド

王 サダ!!

裸の王様のパレードが始まった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ