ゴースト④
セルペンテが真っ青な顔になり話を始めた
「あのゴーストは首都ローラの女都知事 ジーリョだ……」
ボードバック共和国は歴史ある国
政治には出てこないが王の統一感はカリスマだ
その王に賛同する政治家が多く中々政権交代が無かった
数年前政権交代の話がやっと出た時
当時国会議員だったペニートから呼ばれる
それは同じ党の同期4人だけ
そして 秘密の話
ペニートは元々国の沿岸部 セブンズバック出身
セブンズバックはマフィアが幅を利かせる港町
王の力によりマフィアも権力かあまり無かった
その分 悪事が少ないので細かな所は治安当局も見ていなかった
そこに目を着けたペニートはマフィアで農業園を立ち上げ違法薬物を造り、漁業関係者にもマフィアを入れ海外へ輸出 貿易と謳い交渉と販売ルートを確立させるものだった
これによる収益は一度で民間人が一生食べていける位でありその欲に4人とも目がくらんだ
人は悲しいかな
目標も欲も現実的になれば力が湧く
それが良いものでも悪いものでも
4人は総方手を回し議長の座にまで登りつめる
これで完全犯罪が成立したかのように思えた
しかし、4人が一生懸命になっているのを応援していた女がこの違法行為を見つけてしまった
それが都知事 ジーリョだった
熱く燃える4人を鏡として張り切る
女都知事ジーリョ
元モデルでルックスもスタイルも良く
それなのに気取らず発想の回転と都民への想いが溢れている素敵な女性だった
偶然な事だった、家族と海へ行き
息子が摘んできた花が薬物だったのだ
モデル時代 仲間の1人が薬物を栽培して常習者になり薬物中毒死をしたからよく覚えていた
薬の怖さも目の当たりにした
沿岸部の船浮かび、光り輝く海と砂浜の先に有る農園
ジーリョはこんな素敵な場所の何処にそんな物が?
その後、警察を介して捜査をしたがそれらしい花は栽培されていなかった
これは偶然だと思い、花の事は忘れるようにした
しかし警察がペニートの指示で捜査をしてなかった事が本部長の密告で解った
警察署長を問い詰めると沿岸部は事業改革中で強制捜査をすれば指揮が下がるので捜査は先延ばしにするように言われたそうだ
納得のいかないジーリョは単身沿岸部を見て回った
トマト農園の別柵の中に花は咲いていた
それから何日も農園主を調べていた
持主は架空の人物
怪しさが漂う
ある日農園の中を探っていると人が来た
草影へと隠れ覗き見る
現れたのは有名なマフィアのボス ドロンボ
一緒にいて花を笑顔で見ている男
ジーリョは愕然とした
そこに居たのはペニート!
慌てて携帯を取出し
写メを撮りその場を後にした
物音に反応し
ペニートが辺りを見渡す
草影から走り去るジーリョを確認した
容姿の良さが裏目に出る
わかりにくいところでも目立つのだ
走るジーリョを見ながら
ペニートは薄気味悪い笑顔を浮かべた
ジーリョの家は首都ローラの王邸近くにある
家に帰り悩んだ
何かの間違い?実はトマト?
旦那さんと1人息子が悩んでいるジーリョを励ます
優しさが染みる
息子の笑顔に救われる、悩んでも仕方ない!
よしっ!と笑顔を作る
ジーリョは警察に行く前に一度ペニートに話を聴いてからにすることにした
翌日、都議の業務を終わらし
ペニートへのアポイントを取り
議事堂へ行く
このアポイントがペニートを動かすことになった
電話を切ったペニートの後には3人の議長が居る
ペニートが振り返ると3人は頷き部屋を出る
しばらくするとジーリョがやって来た
トントンと優しくドアを叩き入ってくる
話もソコソコに本題へと入った
携帯の写メを出しながらペニートへ事情を聴く
口調も柔らかく、出来れば関係ないと言いやすいように話をしていた
ジーリョは優しい振る舞いが出来る賢い女性だ
スーツから白のワンピースへ着替え靴もヒールからサンダルにしたのは
堅苦しさを無くし、話しやすいように
そしてペニートの都合の良い話で終わるようにとの考えで来た
それで良いと、嘘でも薬物栽培等無いと言われればそれで良いと自分に言い聞かせる
今回は、ただ話をスッキリさせたい為だけにココへ来たのだ
しかし、そんな優しさがペニートをつけあがらせた
「なぁジーリョ、君も僕達とこのビジネスをやらないか?」
耳を疑い、自分の甘さを後悔した
仲間が薬物中毒死をして薬物だけは許せない自分を殺してまで対話したのに
ペニートを尊敬していた自分を恥じた
涙ぐみワンピースの上の手をギュウっと握る
「もぅいいです!警察へ行き王にも報告します!」
キッと睨みつけ、テーブルに置いた携帯を掴み取る
「残念!それじゃサヨナラだ!」
気味の悪い笑顔で自分の携帯を出した
血の気が引き自分でも顔が冷たくなったのが解る
!!!!
ペニートの画面には息子と旦那さんが縛られている動画が中継されていた
画面の向こうには目隠しされた姿でマフィアのボスとヴェレーノに銃をつきつけらせていた
泣く息子の声がジーリョを窮地へ追い込む
「なんで?あの2人は関係ないでしょ!」
バンっとテーブルを叩き、ペニートへ怒りをあらわにする
冷静に画面をジーリョの目線迄運ぶ
「僕はねぇサディストなんだよぉ、怒った君も綺麗だぁ!その顔を歪ましたくてしょうが無い」
いやらしい声でジーリョの頰を撫で耳元で囁いた
鳥肌が立つほど嫌悪感が全身に走る
「わ、私が言う事を聞けば私の家族は見逃してくれるの?」
少し震えるジーリョ
「君が欲しいんじゃない、君の全てを壊したいんだ!僕はサディストだって言ったろ」
冷たい眼にやらしい口元に狂気を悟る
「色々知り過ぎなんだよ!殺ってくれ」
静かに命令をするペニート
銃声をかき消す程の叫び声を上げるジーリョ
パー「やめてーっ!」ン
膝から床へ落ちる
「あ、あぁあ」
大粒の涙で画面が見えなくなっていく
そして失意の中、ジーリョの意識が遠退く
画面の旦那さんと息子は首から上が無くなっていた
壁に飛び散る血と散乱する脳や目が画面下へ転がっていた
「フフフフ良い顔だ!もっと観たい!連れてけ!」
ペニートは下半身を膨らませ興奮する
ジーリョの後ろからモルターレとセルペンテが現れ
意識が朦朧とするジーリョを掴み連れて行った
ジャリジャリ!ギィ!
少しづつ我に戻るジーリョ
牢屋の様な格子扉の中で鎖に繋がれていた
理解するのに少し時間がかかった
手首を錠に繋がれているのに違和感を感じ
事態に気付く
目の前には裸で鉄ムチを持つペニートが居た
なんとも滑稽な姿だがジーリョはその変態加減に恐怖した
「おはよう!夜中だけど」
やらしい笑い方でジーリョの顎をムチの持ち手でクイッと上げる
震えながらキッと睨むジーリョ
ペニートは見下げて笑う
「ここは元裁判所の地下なんだよフフフ拷問部屋があったんだよフフフ貴族の趣味か冤罪自白の為かフフフ解らないけどフフフ」
なんとも気持ちの悪い笑いを挟みながら話す
拷問道具が並んでいる
どれも手入れはされているが年季が入っている
ペニートは欲が高まり過ぎて目がイッテいた
「さぁ壊れてくれ!」
そう笑いながら叫ぶと
鉄ムチがヒュンっと音を立て舞!
ピチーン!と高くも鈍い音でジーリョよ肌に当たる
「ぎゃぁあぁあ!」
叫び声が地下へ響く
これにはモルターレとセルペンテも耳を塞いだ
ヒュン!ピチーン!ヒュン!ピチーン!
あぁあ!ぎゃぁあぁあ
ヒュン!ピチーン!ヒュン!ピチーン!
がァァ!おごぅをおお
ヒュン!ピチーン!ヒュン!ピチーン!
アガァ!あぁあ!
ヒュン!ピチーン!
ムチの音と叫び声が暫し続いた
ジーリョの白いワンピースは血に染まり
腕は肉が飛び散り骨が見える程の傷だった
白目をムキかけ意識が飛びそうな時ヴェレーノが戻って来た
憎き相手だ!
意識が戻る
「許せないぞ!オマエー!」
血の混じったツバを放ちながら叫ぶ
「行儀が悪いな」
ペニートは不機嫌そうに言ってジーリョのスカートを上げバンティを引っ張る
延びるパンティを鉄ムチで裂くと鈍い音を立て破けた
べりり!
弱々しい目でペニートを見る
「その顔だよぉ!最高に興奮するよぉ」
もの凄い反りで勃っている
自分の物を無理やりこすりあてジーリョを犯す
「がぁぁああ!!!」
叫ぶジーリョ
意志とは関係なく1つになってしまった
「僕達を応援してくれてたんじゃん!最高だよ!ここ迄してくれてぇ」
やらしい高い声で腰を振る
抵抗も出来ず叫び頭を降るジーリョ
見ていたヴェレーノが興奮してズボンを脱ぎ始める
旦那と子供を殺した男に犯される
これだけは避けたかった
近づいてくる脂肪の塊の様な汚い体
ジーリョは自分の肩の傷口を噛んだ
「〜〜っ」
想像を超えた痛みが首から頭へ走る
その顔を見てペニートはイキ果てる
その悔しさで肉を食いちぎりヴェレーノへ
ブッ!と血と共に吹きかける
大量の血と肉片がヴェレーノと隣にいたセルペンテの顔から下半身へ吹きかかる
「このアマァ!」
プライドの高いセルペンテは自分は手を上げてなかったのに!と怒り狂う
自分勝手な怒りだ
下に落ちていた鉄ムチを拾いジーリョの顔を打つ
横一閃に飛んだムチはジーリョの目を潰した
目から血が河の様に広がり滝の様に流れる
はぁーはぁーと怒りを剥き出しにして仁王立つ
ジーリョはうな垂れ、手の鎖の音が鈍く鳴る
すると
「イヒイヒイヒイヒイヒイヒ!」
突然笑うジーリョ
「もう!見えぬ!光は見えぬ!イヒイヒイヒイヒイヒイヒ闇しか見えぬわぁ!」
気が触れたのか突然大きな声で叫び笑う
「イヒイヒイヒイヒイヒイヒお前等絶対許さないからなぁ!」
この一言でさらに怒りを覚えるセルペンテ
「黙れぇ!」鉄ムチでジーリョを叩く
ビリョっと鈍い音で頰の皮が剥がれ裂ける
イヒイヒイヒイヒイヒイヒ
顎が血まみれになる
それでも笑い続けるジーリョ
目と頬から血を流しセルペンテとヴェレーノの方へ顔が向く
「ひっ!」
驚きで腰を抜かす2人
冷めた目線でペニートがジーリョを観る
「もう、いい」
パン!
ペニートはそう言ってジーリョの頭を後から撃った
小さい口径の銃だが殺すのには充分だった
乾いた銃声が部屋に響き、鎖にぶら下がるジーリョ
ペニートはズボンを履きながらモルターレに死体を捨ててこいと言う
モルターレは拒むも
ペニートの異常さに怯え
血まみれになりながら城の外まで運ぶ
元モデルだけあって軽かった
そこにヴェレーノが現れ
車に有る2つの亡骸も一緒に捨てる様に言う
入口前に有る公開処刑場跡地の崖からジーリョを投げる
静かな湖畔に
ドボンっと悲しい音がした
その後2つまた落とし、悲しい音が聴こえた
全てが終わった後マフィアの掃除部隊を呼び部屋を綺麗にした
これは2軒分なのでかなり高額
ヴェレーノとペニートが立替えて支払う
ペニートはセルペンテへこれは貸しなので
お金じゃなくて言う事を1つ聞いてくれれば良いと肩を叩いた
セルペンテはペニートへの恐怖もあり拒否できなかった
そして数日後
ヴェレーノが死亡した
話が終わる
メンバーは眉間にシワ寄せて下を向いていた
最初に口を開いたのはキーン
「1000パーお前ら悪ぃじゃん!」
怒鳴られて頭を抑え縮こまるセルペンテ
「潔く殺されてください」
クリビーが目を座らせゆっくりと言う
「女の敵!人のクズ!死ね!」
リンゴも啖呵をきる
黙って泣くセルペンテ
それを観るイガラシとユイ
「まぁこいつ守るの仕事じゃ無いし」
ボソッとミヤビが言う
え?と言う顔でメンバーを見るセルペンテ
イガラシが目を閉じ月明かりの方へ顔を上げる
「これはお前の為じゃなくゴーストの為に除霊するからな」
膝と頭を抱え泣くセルペンテの前に腰を落としゆっくりと話す
「お前の身は自分で守れ!俺達は除霊をするだけ!その間に逃げろ」
ユイは話を聞いて泣いていた
リンゴは涙の訳がジーリョの話だけとは思えなかった
「すみません!」
イガラシの肩を握りセルペンテが食いつく
バシ!
平手でセルペンテを叩く
「触るな!お前は早く逃げて自首しろっ!」
イガラシのギリギリの優しさも入っている
セルペンテが泣きながら頷く
この光景を見て少しだけスッキリするメンバー達
その頃、崖の下の湖からゆっくりと頭を出すゴースト ジーリョ
髪が浮かび
ジワジワと頭部が水面から出て来る
イヒ!イヒ!イヒイヒイヒイヒイヒイヒ
笑い声と共に傷付いた手足で崖を掴み
上がり始める
イヒイヒイヒイヒイヒイヒ!
月明かりに照らされたゴースト ジーリョの復讐が始まる
そして月が雲に隠れ暗さが増し闇夜へと変わる
突然強い気配を感じる6人
剣を構える!
脳の引き出しから剣術を読取る
フー!
息を吐き、上体を内にいれ足を肩幅にして丹田で剣を持つ
開いている入口の扉
公開処刑場からジーリョが這い上がってきた
「行くぞ!」
ミヤビが言うと一斉に走り出すメンバー
‼!!!!!!!
一斉に足を止める
ゆっくりと歩みよるジーリョの後に首無しのゴースト達が崖を上がって来た
イヒイヒイヒイヒイヒイヒ!
1体、また1体と次々に現れる
ボロボロの服に剥き出しの骨
ジャッ!ジャッ!と音を立てて来る
「なんだこいつ等!すげぇ数で来んぞ!」
キーンが驚く
「トクちゃーん!これ何?ゾンビ?」
腕時計からオペレータートクへ中継する
{ゾンビだねぇ!操ってんのはゴーストだ!本体から電気が凄いとんでるヨ}
モニターを観ながらゴーストから木の枝の様に流れる電気を説明する
{解離サーベルで遮断できるから大丈夫}
「ありがとう!」
その情報をメンバーへスーツで伝える
一瞬で情報が飛び
メンバーは頷き足を動かす
ウオオオ!
一斉にゾンビへ斬りかかる
ゾンビも襲いかかってくる
殴りかかるゾンビ 掴みに来るゾンビ
石や棒で攻撃するゾンビ
メンバーも攻撃する
一振り、二振りと縦へ横へと斬る
的確に当たったゾンビは斬られた所から砕け地面へ転がる
「こりゃ死刑囚だな」
キーンが斬りながら呟く
「何人死刑になってんの!キリなくない!」
リンゴが剣で足でゾンビを攻撃する
クリビーは相手の動きを、読みながら
ヒラリヒラリと斬っていく
集中攻撃を受けるイガラシ!
「イジメよくないよっ!」
まとわりつくゾンビを払い除けながら斬ったり、蹴ったり、落としたり
ユイとミヤビもイガラシのフォローに行きたいが後少しの所でゾンビにまとわりつかれている
イヒ!イヒイヒイヒイヒイヒイヒ!
笑い声がメンバーから離れていく
「しまった!」
イガラシが遠退くジーリョを観ながら叫んだ
「ゾンビを俺に向けるからジーリョを頼む!」
「どうやって?」
イガラシの言葉にユイが聞く
「1回ゾンビ引きずってでも俺んとこ来い!」
「うっおおををおぉあ!」
イガラシの言った通りにしようと
ミヤビがフルパワーで歩き始める
ユイもゾンビを引きずり歩く
ドゴゴゴー
地響きを鳴らし砂埃をたてゾンビを引きずりイガラシの元へ向かう
ゴリゴリゴリー
地面で擦られ骨が撒かれる
「ぬあぁぁあっ!」
ゾンビにまとわりつかれながも戦ってるイガラシの元へ着く
「よしっ!後はこの崖を砕くからお前らは跳んでジーリョんとこ!」
時間が無いと踏み急ぎで話す
ゾンビを斬りながら2人の腕を掴む
「え?」「エ?」
突然の事で驚く
2人の腕を持ち扇風機の様に回し上へと投げる
えーーー!
と言う間に宙に居る
「ユイ!辛いかも知れないけどジーリョ助けれるのあんたしかいない!頼むよ!」
叫ぶと直ぐに地面をフルパワーで殴る
反り返しになっている元処刑場の崖
地面が割れる音が伝わる
メキメキ!ガラガラガラ!
四股を踏むような姿勢の下が粉々に砕ける
「イガラシさーん!」
悲痛なミヤビの叫び声に戦ってる3人が振り向く
ユイはイガラシの言葉を胸にジーリョを探すため城の入口へと走る
邪魔するゾンビを斬りながら城の闇へと消えていく
足場を失ったイガラシは無数のゾンビ達と漆黒の湖へと吸い込まれる様に落ちて行く
まとわりつくゾンビが剥れ、次々と離れていく
月が雲を押しのける様に出ると湖からいくつもの黒い手が珊瑚の様に出ているのを照らす
「流石にヤバいな」
苦笑いしながら落ちていく
城内通路を走るセルペンテ
裏門へ向うも中々着かない
走っても、走っても同じ場所へでる
ゼェゼェと息を切らしながら立ち止まった
懐中電灯で通路や壁を照らす
冷たい空気と石の壁
年季の入った木の扉には監査室と書いてある
「また、監査室……」
大体の察しはついているが認めたくない
強気な目線で周りを見ているが
足は震えている
セルペンテの後
うっすらと白い影がある天井には蜘蛛の様にぶら下がるジーリョが居た




