コードネーム
新しい章に入ります
「うっ、うぅ…ん…」
意識より先に声が出た
ボヤけている視界は徐々に色を集め周りの景色を僕に見せる
!!!!!
今しがた声が出たのに声を失った
ここは何処だ?
そしてとなりの男は誰だ?
だらしない顔して寝てる……
さらに、その隣にいる女の子も誰だ?
しかも可愛い……
僕は川の字の端に居る
窓のない部屋にいて
大きなベットで寝てたようだ……
壁は鉄?錆なのか?そういう色なのか?
扉は1つ
後は蛍光灯だけ……
エアコン無いのに涼しい
壁からか?
僕は手を当ててみた
ここから冷気が来てるか、空気が冷たい
それも心地良い
まず状況を整理しよう
確か僕は……
「あっ!」
最後の記憶が蘇った
僕は銀行強盗に殺されたんだ!!
そう思って服をまくり上げ腹を見た
なんともない?
尚更解らない、アレは夢?
嫌!違う!
あの時の衝撃は覚えてる、夢なんかではない!
取り敢えずドアの向こうを確認してみよう
そう思って立ち上がる
膝に力が入らずカクンと身体が床にひっぱられるように僕は倒れた
どれ位ここに居たんだろ?
呼吸を整え、フンッ!と息を吐くのに合わせて身体を起こした
立てた!
伸びをして身体少し左右に振って慣らす
パシッ!パシッ!!
「よしっ!」
そう言って自分の顔を叩き改めてドアをそっと開ける
隣にも部屋があった
明るい!少し目がやられた
ぶら下がっている電球を1発目に見てしまった
目がチカチカしてよくわからない
キッチンなのか?食器棚やカウンターがあって誰かもたれて笑い声がする
聞き覚えのある声……
僕は目を擦り視点を合わせると
横顔が見えた!
あのヤンキー顔は!!
「あーっ!」
一瞬でパァと視界も頭の中も鮮明になった
「せんぱーいっ!」
嬉しい!先輩が居るっ!
「オっ!起きたか!」
カップ片手に顔を僕に向けて笑顔で僕を見た
夢でも何でも良い!先輩にまた会えた!
僕はテンションが一気に上がると先輩の方へ駆け寄った
さらに目を疑った!
「えっ?えぇ?」
先輩の前にあるテーブルの対面にはあの銀行強盗が座ってた
どういう事?少し身構えて、ブス銀行強盗を見る
テンションが下がった
「おはよう」
ブス銀行強盗が軽く手を上げて笑顔で挨拶?
「な、なんでお前がっ!」
すると笑いながら
「んじゃこっちのほうが見慣れてるか?」
そう言ってブス銀行強盗の身体が波打ち始め
ウニウニとする
身体が変わっていく
同じ太っていても段々しまりのある贅肉の筋肉質になった
脂っぽさが無くなってハリがでる
顔も変わり始めた
「あっ!あぁあ?」
僕は驚いた
ブス銀行強盗が親方になった
ハハハと笑いながら
「ある時は銀行強盗!またある時は日雇い建築会社の社長!その正体は」
また身体がウニウニして全体的に小さくなりはじめる
ニューンと身体の全てが変わっていった
髪を、頭の上で1つに縛った目つきの悪い髭面が現れる
「覚えてるか?」
驚いた、まさかだった
「居酒屋のマスター!」
笑顔で僕を見るマスター、髪を上げてたので解りずらかったがあの眼力というか目つきの悪さで
思い出した
「これってどういう事なんですか?」
僕は2人を挟むテーブルのお誕生席部分に立ち2人に聴いた
「もうすぐあの2人も目を覚ますと思うから、そしたら話すよ」
先輩はカップを僕のほうに向けてニヒっと笑った
「飲みものいる?コーヒーでいい?」
カウンターの向こうから女の人の声がした
「ウホッ!」
僕は動物的な声を出した
胸こそあまり無いが長い髪と切れ長のキレイな瞳
「銀行員の人ですよね」
完全に鼻の下を伸ばしデレッた
「お前も物好きだよな」
先輩が笑いながら僕を指差すと
ストンっ!
僕と先輩の間にフォークがシュンっとぬけてテーブルに刺さった
ビィィンとフォークが細かに震えていた
「ねぇイガラシは?」
女の人は僕にコーヒーを煎れてくれた
頭さげる僕に微笑み、マスターに聞いた
「上じゃないか?外の空気吸ってくるって言ってたから」
マスターは腕時計をカチャカチャいじりながら応えた
「ハイドさんは?」
先輩が女の人に聞く
知らない名前ばかり出てきてわからないので
僕は黙ってコーヒーを飲んだ
美味いっ!
「美味しいでしょう♡」
女の人は腰を曲げて顔を僕の前に持ってきた
照れる!マジ美人!
「Drは手術あるから終わり次第帰国するって」
と先輩には冷たく返した
「うっお!おぉあおぉー‼⁇⁈」
隣の部屋から叫び声が聞こえた
どうやらもう一人も目覚めたらしい
僕も叫ぶ気持ちは解る
「俺は見ず知らずの娘に童貞を捧げた挙句記憶もないのかぁぁぁ!!」
そこまでの気持ちは解らない
「心の声が出るタイプだな」
マスターがボソッとつぶやく
ビダンッ!
何か叩かれた様な音がした
女の子も目が覚めたっぽい
「何!この山猿!」
ドタドタと床を蹴りながら怒って
女の子が僕達の方へ来た
「誰?」
キョトンと僕達を見るとその子は女の人を見つけて走った
「ユイさぁーん」
コーヒー片手の女の人の胸元へ飛び込む
僕は正直羨ましかった
「いってーな!何で殴られるんだよ」
見るからに凶暴そうな奴が頬をおさえて部屋から出てきた
先輩とはまた別タイプのヤンキー顔だ
左頬は赤くなってるけど
「って、誰?」
奴も同じ反応だった
「おしっ!みんな揃ったな!ミヤビ、イガラシ呼んできて」
マスターは先輩にそう言うと、先輩は笑顔で部屋から出て行った
「さて若いの3人!死んで生き返った気分はどうかな?」
「死んだんだ」
マスターの呼びかけに3人ともハモって同じ事を言い下をむいた
バンッ!
勢い良く扉が開いた
そこにはドレッドヘアで細見の長身男がいた
髪は後ろで縛ってる
前の方に大きめのサングラスが乗っかっていた
「みんな目覚めたぁ!」
両手を広げ大きい声で僕達3人をハグしてくれる
なんかファンキーな人だ
「あ!若頭さん?」
奴が指を指して長身の男に声を掛ける
「そうだよ、これが素顔なんだよ!」
笑いながら自分の顔に指を指で円を書く
「かなり見た目違うからわかんなかったっす」
奴は凄い笑顔で長身の男に握手した
多分ここに居る僕達3人はこの人達と何らかの境遇があって集まっているのは空気で読めた
「さて、まずは自己紹介させてもらおう」
マスターがそう言うと他の3人が僕達の前へ集まった
「私達はある星、もしくは違う世界のユニバーサルという国から来たのね」
女の人が話始めた
僕達3人は はぁ? となる
「詳しくは入国したらうちのキングから説明されるから」
先輩が人差し指を立てて僕達に言う
「今から大体の説明もするから、元居た世界に帰りたければそれもアリだから」
笑顔の声で長身の男が言うが僕達はまだ理解出来ていない
「まずははじめましての人も居るからな
俺が隊長、コードネーム コッコだよろしく!」
マスターは隊長だった
「俺は参謀長のコードネーム イガラシ!」
勢いのある人だ、長身の男は参謀長
「そして俺は行動班 コードネーム ミヤビだ」
先輩の名前はミヤビ!初めて知った!
「私は派遣Dr、コードネームユイね♡みんなと一緒に動くからよろしくね」
僕は無性に興奮した
「おい!下!勃ってんぞ!」
からかう様にコッコさんが僕の下半身を指差した
どっと笑いが起きた
若さ故とイガラシさんは僕の肩を抱きミヤビ先輩は僕のブツをデコピンならぬチンピンした
ゆいさんと女の子は顔を赤くして
奴も赤い顔…
奴…!!
奴も勃ってんぞ!
「さて、本題だ!俺達はこの星の国王達から依頼された案件を実行して給料をもらう、いわば万屋だ!」
「よろずや?ニンニク卵黄?」
奴が顔を斜めにした
「それは字は似てるが違う、なんでも屋だ」
ミヤビ先輩がツッコミを入れる
「この星の国王達は政治に口出しが出来ない仕組みになっている
しかし国民を思う気持ちは皆持っている
その為、国王達の側近や親類から情勢を聞いたり自分の目でお忍び確認したりしている」
コッコさんの話に僕達3人は食い付くように頷いた
「しかし、政治に口出し出来ないので行政を動かせない!だから俺達に仕事がまわってくる
もちろん時には国民の悪にもなる!仕事次第だ」
イガラシさんはもり立てるように話
「俺達の国は殺し以外なんでもする」
コッコさんがトンっと言うと
僕は先輩の正義の味方話を思い出した
「じゃあ今回の件も?」
奴がイガラシさんの方へ質問した
「そう、君達の国王からの案件で動いた
銀行の頭取が裏金工作し資金を集め、政治家がヤクザを使い国を盗る計画を阻止する事だ」
「その案件を調べてる時3人の若者の情報が入る、不遇時代を歩いてるって」
ユイさんがそう言うと女の子が反応した
「世の中には不遇な奴は沢山いる、でも今回の件に絡んで来たのも何かの縁、だから試験をさせて貰った!」
試験?
いつあったのか僕には解らなかった
するとミヤビ先輩が僕に
「不遇時代を過ごしているのに自分の生命を人の為に使えるかだよ」
と、まるで見透かしたかのように教えてくれた
「だから全員合格!」
オッケーの指にして僕達の前に出した
「でもね、人の為に生命を投げ出しても報われないことの方が多い事も知っておいて、生命は大切なモノだから」
確かにユイさんの言う通りだ、僕は先輩の時、突っ込むだけで殺された……
「と、まぁ話はこんな感じ!これから生れる変れるのだがどっちの世界に行く?元の世界か俺達の世界か?」
ちょっとだけイジワルそうにコッコさんが問いかけて来た
「俺はアンタ達と行く!何だか楽しそうだ」
奴は真っ先に答えた
「私もユイ姉と行く!約束したし!」
女の子が手を上げて乗り出してきた
そして僕の答えも皆と同じ!
僕はヒーローになるんだから!
満場一致の新人の答えに喜ぶ先輩達
ムードはとても良い
謎は多いけれどなんか信用できる人達だ
そして僕達は新しい名前を自分でつける
苗字はあっても無くても良いそうだ
面倒くさいからみんな名前だけらしい
それが コードネーム
いさとなると、3人とも悩んだ
ネーミングって以外に難しい
「名前貰えるってサイコー!!」
奴は元々名前が無いので凄い喜んでいた
そんな素直な喜び方を見て
なんか僕は奴が好きになれてきた
名前の基準ってなんだろう?
僕の本当の名前は拾われた地名だったからな
すると女の子が
「私は リンゴ!リンゴにする」
そう言うとユイさんが優しい目で頷いた
奴は何故?と女の子、いや リンゴちゃんに聞いた
なんでも友達がそう呼びたがってたらしい
思い出から来た物のようだ
「そしたら、俺 キーンが良い!」
奴がそう言うと
「キーン」
先輩4人が首を傾げた
「親父とイガラシさんの共通の思い出を名にしたいんだ!
呼びやすそうだし!」
イガラシさんは歯茎が出るくらいニィ〜と笑ってキーンの肩を叩いた
かなり嬉しいだと感じた、イガラシさんは目に涙を浮かべていた
「なら僕だって、ミヤビ先輩とコッコさんとの思い出で……」
言いかけたらミヤビ先輩が
「藁納豆?」
「それは嫌」
笑いになった
「あと、なんかあったか?」
コッコさんが指をコメカミにあてて悩み
「栗の蜂蜜煮!」
ボンっと手を叩いた
「んじゃ、クリばちだな」
笑いながらミヤビ先輩は僕をからかうが、そんなに嫌いじゃないネーミングだった
「栗…マロン、ハチ……ビー」
ユイさんはそう言って
「クリビーは?」と僕に振った
「ハイ!それで♡」僕はユイさんに名付けて貰えるなら藁納豆でも良い
こうして僕達3人のコードネームが決まった
読んでくれてる皆様本当にありがとうございますm(_ _)m
PVが増えているのがとても嬉しいです




