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海底の甲羅侍(3)

 その妖気の〝波〟を見たとき、磯魚千代は頭に血が昇るのを感じた。


 なによりも倒したい、倒せねばならぬ敵だった。足を止めようなど、欠片も思わなかった。


 怒りに染まる瞳、その奥に、父と母の姿が浮かび上がっていた。

 二人は決して死んだわけではない。しかし、彼女の目の前で奴によって大きな怪我を負わされたのだ。

 そうではない他の仲間──櫂さん、新池さん、和泉ちゃん──よりも深手を。

 千代は、両親に守られた、そう思った。それはつまり、自分は両親を手助けするどころか、足手まといになってしまったということに他ならない。双子とは言え、姉であり、長子であり、やがては跡目を継ぐはずの立場にあるにも関わらず。

 自分の弱さを痛感した。

 もしも自分にも異能ちからがあったなら、きっと、結果は違っただろう。

 千歳のように〝一流〟の退魔師であったならば。


 千代は間もなくして、攻撃圏内に入った。妖怪はまだ動かない。彼女はそのまま一直線に、絶叫をあげながら、殴り掛かる。それを妖怪は、背負っていた甲羅を、左手で、左肩の方から身体の前へと引き摺りだすようにし、防いだのだった。


(──あ。死んだ)


 千代は確信した。


 奴にはまだ、右手がある。刀を抜かれる。腹を斬られて無様に死ぬ。

 なにも為すことなく。


 雄々しい声が彼女の耳朶を打ち、千代の全身は爆発的な衝撃に襲われた。





 漕島清輝の判断力は、千代を救わんとして、まさにこのとき、奇跡の解答を導き出していた。彼は自らの武器、兜蟹の形状が持つ特性を大いに生かしたのである。円形の刃、その決して斬ることのできない〝面〟の部分で、千代をぶっ叩いたのだ。まるでテニスや卓球のラケット、あるいはハエ叩きのように。全身全霊でもって。


 ふっ飛ばされた千代は透明なトンネルの壁に激突した。千歳の悲鳴が後ろから聞こえたが、漕島に気遣いの言葉を掛ける余裕などない。目の前には、侍が如き風体の妖怪がいるのだ。


 その攻撃は、千代を失っても、動きをやめずにいた。一歩、大きく踏み出しながら、盾代わりの甲羅の影で、握りしめた刀を抜き放っていく。


 その前で剛槍を振り切った漕島は、今、完全なる無防備であった。


「うおおおお──ッ!!」


 だが漕島は地面に対し、踵で踏むという()()に出ることで、後方へ大きく跳躍してみせた。無傷。そう見えたのは一瞬だけ。時間遅れで、腹部に死線が浮かび上がる。俄かに血が垂れた。漕島の額から大粒の汗が噴き出す。冷や汗である。だが、その一線、引かれたのは皮一枚。まさに斬られたのは、皮一枚のみだった。フライトジャケット、シャツ、そして皮だった。


(硬身功は発揮できなかったか! やっぱり!)


 攻撃でもって逃亡するという二律背反を成し遂げはしたが、防御に至ってはまるで不完全に終わった。それは激氣の特性を考えれば当然のことである。彼は磯魚姉妹に対し、自分の力は『防御術や治癒術に不向き』と語ったことがあるが、それは事実と少し違う。


 ただの──ほぼ生命エネルギーと変わらぬままの、無添加、無着色に近い──氣ならば、硬身功も軽身功も会得すること容易いが、激氣となれば、軽身功はまるで出来ないし、硬身功は自らが攻撃するときのみにしか発揮できない。また、氣を体内で巡らすことにより自然治癒力を向上させることも、激氣では叶わない。ただの人にとっての致命傷が、そのまま、彼にも当てはまるのである。


 そのようなデメリットを上回るメリット。それは攻撃に特化しているという一点にのみある。同等の力同士でただの氣と撃ち合えば、まず間違いなく激氣に分がある。


 そして激氣の生成には体力のみならず、戦意もまた不可欠なのである。故に攻め手を緩めてはならない。攻めている間だけは、身体を硬化させられる。怯むことなく前へ前へ。それこそが激氣使いの闘い方だ。


 漕島は師からそう教えられていたが、千代を辛くも助けられたことで安心してしまい、また、千代と同じく脳裏に死の一語が過ったことで、つい誤ってしまった。


 漕島は悔しさを見せないよう、侍を睨み付ける。


「テメェ、最初から、俺を狙っていやがったな」


 甲羅を盾のように構えし侍は、素知らぬ顔で頷く。


「うむ。姉妹のことは、もう充分、知っているでござるからな」

「新参者は、なにするかわからねえってか」

「そういうことでござる。事実、驚いたでござるよ、今の一手」


 甲羅侍は薄く笑みを浮かべた。漕島は余裕の笑みと受け取った。

 ふいに千歳が、大声を出す。


「漕島さん! お姉ちゃんは大丈夫!」

「わかった! 連れて下がってろ! ここは俺がやる!」


 敵から目を逸らさず、漕島は答えた。

 侍から笑みが消える。


「今の一手、確かに驚いた……が、ここは通さんでござるよ」


 その一言で漕島は察する。


(そうか、こいつは親玉じゃねえんだな)


 先ほどは千代の暴走に頭が混乱し、親玉だから襲い掛かったのかと思っていたが、違った。


(少し冷静になってみりゃ、千代は結界を越える前から、こいつの存在に勘付いていた。もっとも正体まではわからなかったようだが)


 結界の所為で気付けなかったと見るべきだろう。

 わかっていたなら、その時点で走り出していたに違いない。


(そして龍宮城を見たときには、そこに妖気を感じていた。つまり城にいる奴と、こいつは別物だ。だから通す、通さないなんて台詞も出やがる)


 だとすれば千代が暴走した理由はなにか。それは今、考えるべきことではない。

 この侍を倒して城に向かう。漕島は方針をそう定めた。

 そして兜蟹を肩に担ぎ、腰をやや落とす。必滅の構えである。


(まずはこいつを吼咆斬で甲羅ごと滅ぼす)


 激氣には多くのできないことがある。だが、こと攻撃に関しては、他の追随を許さない。

 吼咆斬はその一つの極致と言えよう。それを撃ち放つ兜蟹は最強の矛だと漕島は信じている。


(そうだ、二度目はない)


 その考えを見透かしたように、侍は傷一つない甲羅を見せつけた。余程、その頑強さに自信があるのだろう。それから、骨のように真っ白な刃をちらつかせた。その切れ味、奴の技量、身を持って知っている。また皮一枚で済むなど、甘えた考えを誰が持つだろう。


 甲羅を破れば、漕島が勝ち。破れなければ敗け。


「オラァ!」


 漕島は渾身の力で、剛槍・兜蟹を振り下ろした。爆発的な破壊エネルギーが、穂先より迸る。手応えは充分。塵一つ残すことなく消滅させてやっただろう。漕島は口角を僅かにあげた。


 だが、その激しき氣が絶えたとき、そこには依然変わりなく、甲羅が存在していた。


 漕島の顔色がさっと青ざめる。掠れた声が、甲羅の向こうから発せられる。


「げに恐ろしき! だが! 問題なし! でござる」


 その口ぶりとは裏腹に、甲羅侍がすぐに斬りかかってくることなかった。衝撃波を真正面から受け止めたのだ、盾によって受け流したとしても、全身が痺れること間違いなしである。彼が完全に立ち直るまでに、およそ三拍を要する。


 その間に、漕島はまず周囲を見回した。千歳の位置、千代の無事、それを瞬時に把握する。それから槍を振るって攻め込む。満足に動けぬ相手だが、防御に徹すれば突破することは難しい。甲羅に閉じこもる亀のように、手も足も出ない。これを倒すには、千歳の協力が必要だ。漕島はそう思った。彼女の異能──黒蛸──ならば、甲羅をとろけさせることも可能なはず。


 だが彼が口を開くより先に、その千歳が言った。


「撤退! 撤退だよ!」


 漕島は、まさかと思った。ここで退く必要などない。


「あぁ!? 黒蛸を使えば──」勝てる闘いだ。

 その言葉を発することはなかった。


「無理! 絶対! 悪い〝流れ〟になってる!」


 続けて千代が、荒い息の混じった声を出した。


「……千歳の……言うとおりに……」


 漕島はハッとする。彼女の怪我はどれほどのものか。先は『大丈夫』と聞いたが、果たして本当にそうか。急変し、死が近いからこそ、千歳いもうとは退けと言うのではないか。


「──わかった。先に退け! 俺が殿を務める!」


 侍が鼻で笑った。


「なら、ここで摘むでござるよ、おぬしだけでも」

「なめんなよ、甲羅野郎!」


 漕島は兜蟹を大きく振り上げた。侍がさっと甲羅で全身を隠す。


「ウラァッ!」


 だが漕島の真の狙いは、侍ではなかった。その遥か向こう、天守の、最も高いところ。恐らくは、奴の守るべき主がいるであろうところである。吼咆斬はそこまで届き、その爆発音は、彼らのいるところまで返ってきた。


「貴様ッ!」

 甲羅から顔を出した侍の目は、怒りに満ちていた。


「今のでテメェの主人が死んでたら嬉しいぜ。確かめに戻ってくれねえか?」

「くっ……」

 侍は忌々しげに睨んだ後、踵を返した。


 その背は甲羅で堅固に守られており、追撃は不可能だろう。


「おい、人間!」


 顔だけで振り返り、侍は言った。


「貴様の名は、なんと言う?」

「漕島、清輝。テメェは?」

「……ガタロウ」


 戦場において名乗りをあげるということは約束めいている。同じ相手と戦場で二度会うことは極めて稀なことだが、それでも、この場ではつかなかった勝敗を、互いの優劣を、いずれ確かに白黒白黒つける。その決意を互いに、短い言葉で表すものだ。


 二人はどちらともなく踵を返す。

 そしてガタロウは城に向かって駆けだし、漕島は来た道を戻っていく。


 双子巫女にすぐ追いついた。千代は千歳に肩を貸して貰いながら、足を引き摺るようにしていた。漕島は問い掛けることすらせず、千代をひょいっと片腕で持ち上げ、脇に抱きかかえる。


「そう……じま……?」


 彼女のそれは、焦点の合っていない目だった。


「暴れんなよ。今、退くからな」


 だが、三人はすぐに足を止めることになる。水母火の群れの所為である。


 いっそのこと吼哮斬で一掃したくもなるところだが、彼らを敵とは言い難い。こちらに敵意のある妖怪でないのなら見逃すが穏健派の通例である。ここは早足で、多少の事故を覚悟して、突き進んだ。


 その後は、ぽつぽつ敵はいたものの特に苦戦することなく、第二関門にまで戻ってこられた。あと百メートルも走れば出口のある領域、安全地帯というところで、三人は足を止められる。


 わらわらと妖怪たちが道を占拠していた。こいつらは龍宮城からの差し金に違いない。漕島はそう考えた。昨日、浜辺で見た妖怪群と、構成が酷似している。なによりも殺意を感じる。だが、奴と決着をつけなくてはならない。こんなところで、雑魚にまみれて死ぬわけにはいかない。漕島は最後の一発を放たんと、力を溜めようとした。


 その前に千歳が一歩出る。


「ここは、わたしに!」


 次の瞬間、千歳の身体が紫色のオーラに包まれる。それはどこか、ぶよぶよとしているように見えて、海小僧を思い出す。だが人型ではなく、黒蛸という名が示す通り、八本の触手めいたものが伸びている。


「ついてきて!」


 漕島の答えを待たず、千歳は一直線に走り出す。立ちはだかる妖怪は彼女の触手に掴まえられて、次々、黒いへどろのようなものになって沈んでいった。触れるものを腐らせ液状化させる能力、それが千歳の黒蛸なのである。しかし持続時間は極めて短い。妖怪の群れを抜けるまでに尽きた場合、後を引き継ぐ必要を漕島は感じ、いつでもそうできるよう、兜蟹を握りしめ氣を滾らせる。


 幸いにも、それは懸念に済んだ。三人が群れの中央を突破しきるのと、千歳の異能が力尽きるのと、同じ時であった。


 決して無事とは言い難いが、三人は敵地より生還したのだ。


 千代を室内に運び込み、布団に寝かせたところで、漕島は目の前が回るような感覚に襲われる。全身に震えが走り、思わず、畳の上に突っ伏すが、辛うじて、千代に圧し掛かるようなことにはならぬよう、倒れることができた。


「漕島さん!? 漕島さぁん!?」


 千歳の声が遠くに聞こえていた。漕島は薄ぼんやりとした脳裏で、毒だ、と感じていた。傷は腹部のもの一つ、あの白き刀に塗布されていたとしか考えられない。


「あわわわっ! お薬! お薬ー!」

 千歳は慌てて、部屋を飛びだしていった。


 退魔神社は、このようなときのために、治療用の符であったり、薬品を常備してあるものだ。


 激氣の弱点が一つである。当然、漕島だって万が一に備えて、特別な──妖怪が持つ毒に概ね効き、とても高価な──解毒薬を、荷物に忍ばせてあるのだが、呂律が回らぬせいで伝えることができなかった。そのまま彼は意識を失った。


 完全なる敗走だった。





 時はやや遡り、海底回廊。


 ガタロウは、当初、城までの帰路を駆けていたが、やがて泳いで行くことに切り替えると、外部から、その頂点を目指した。刺すような冷たさの波を掻き分けていく。最上階、そこには外廻縁──いわゆる縁側──に出られるように、障子戸があったが、今や跡形もなくなっている。ぽっかりと穴が開いて風通しが良い。良すぎるくらいである。あの槍使いが必殺技の凄まじさを、如実に物語っている。離れたところにあっても、この有様だ。


(なんと恐ろしき人間!)


 ガタロウの身は心なし震えていた。恐怖のためではなかった。海の冷たさ故でもない。


 背中の甲羅を引っ掴み前に持ってきて、その表面を撫でる。僅かな傷がついている、あの破壊エネルギーを間近に受けたにもかかわらず。


(あれを二発受けて尚!)


 その事実に興奮したのだ。ある河童より引き剥がしたこの甲羅は、ただ頑強であるのみが取り柄ではない。その表面を超流曲面に仕上げることで、いかなる衝撃も受け流さんと工夫している。この甲羅こそ、最強の盾と呼ぶに値するだろうと、ガタロウは確信した。それから白刃、化け鯨の肋骨から削り出したもので、切れ味は日本刀に決して劣らない。


 ならば、これを持つ自分に敗北はあり得ない。


(これまで実感はなかったが、ツバキめ、中々の上物を寄越してくれる)


 ガタロウは口角を吊り上げた。


()()()()()、俺を愛してくれているんだな)


 穴から中へ入る。さぞや凄惨な有様だろうと思いきや、確かに、畳や天井の梁に無数の裂傷が走っているが、部屋全体にまで及んでいるわけではなかった。穴の手前、およそ三割ほどだ。もっとも部屋の損傷具合など、ガタロウにとっては、どうでも良いことだった。


 彼は大きな声で、その名を呼ぶ。


「ツバキ! 無事か!」


 反応がない。


(消し飛んだか? そんな!)


 もう一度名を呼んだ。


 すると奥の襖がそっと開き、不安げな目をした女性がそっと顔を覗かせた。


 その者こそ乙姫ツバキ、この城が主である。豪華絢爛な十二単を纏う、十代中頃の少女に見える妖怪の姫である。その相貌には、汐杜の双子にも似た趣があった。ただ、両の瞳は黒い。髪は床に垂れるほどに長く、真ん中で分けられている。


「……沫太郎まつたろう? あぁっ、沫太郎!」


 彼女はガタロウを認めると、襖を勢いよく開け放ち、その胸元へ飛び込んだ。ガタロウも、そっとツバキを抱きしめ返す。


 沫太郎──それこそ侍が真の名であった。今となってはこの世に、ツバキ姫しか知らぬ名だ。


 〝ガタロウ〟とは妖怪の一種族、河童の別名である。河童ではない彼は姫以外には、そのように名乗るようにしているのだった。わざとらしいござる口調も、姫の前では不要である。


 愛しかった姫君の、艶ある黒髪を撫でながら、彼は耳元に囁く。


「ツバキ姫、怪我はないか?」

「もちろんっ。でも、少し危なかったわ。貴方に助太刀しようと思って、縁に出ようとしたところだったから」

「なんて馬鹿なことを! あぁ本当に無事で良かった……。たかが人間、されど、あの一撃ばかりは本当に危ないものだ。俺だって甲羅がなかったら……」

「それでも心配だったの!」


 胸元に埋めていた顔を、勢いよくあげるツバキ。

 今にも泣き出しそうな表情かおだった。


「ここらでも、海水を通して感じられたわ、あの男の脅威を。幾ら甲羅があると言っても、万が一が起きるかもしれない。それほどの氣。……わらわは貴方を失っては生きていけないわ!」

「俺だって同じだ。お前がいなくなったら……()()よ、とても」


 言い聞かせながらガタロウ──沫太郎は腰を下ろし、あぐらの間に姫を抱える。姫は、こてん、と頭を彼の胸に預けた。


「……うん。ねぇ、沫太郎の方こそ怪我はない?」

「ないさ。甲羅の、いや、きみのお陰で」

「彼奴らは?」

「新参者に一太刀浴びせただけだ。少しは身体が不自由になると良いが」


 白刃に塗られたのは、相手の運動神経に作用する毒であるため、何の処置も施さなければ、死ぬことも考えられる。だが沫太郎はそのような期待をまるでしていない。汐杜神社の両親を斬ったときも死に至ることはなかった。彼らが入院したわけすら、毒のせいではなかった。あくまで重傷のためである。今回は、そこまでの傷も与えられていない。


 そもそも、今はまだ、神社側の人間を殺すわけにはいかない。

 漕島清輝なる男が少しでも鈍くなれば本当に幸いだ。


「そう」


 ツバキはなにやら考える素振りを見せて、言った。


「ねぇ、沫太郎」

「なんだ?」

「そろそろ、良いかもしれない。人数も三人にまで減らしたし、これ以上、援軍が来る前に」

「最後の闘いを仕掛けると?」


 沫太郎が問えば、ツバキはそっと身体を彼から離し、顔をじっと見つめて、


()()()()()()()()()、沫太郎。そして一緒に……」


 うっとりとした声音で答えるのだった。


 沫太郎はなにも言わず、突然、ツバキ姫の瑞々しい唇を奪った。

 とても冷たい海の底で二人の影は静かに重なる。

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