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明日が怖い。

「何か?」

目が点になった拓也に、瑠奈が声をかける。やっと目を合わせたと思ったら、この一言である。

「瑠奈ちゃん、結構イケるんだね。」

「ええ、まあ…。」

普通なら、すでに気分が下がってしまっているだろう。しかし拓也にしてみれば、やっと口をきいてくれた喜びの方が大きいのだ。学にしても、瑠奈がそこまで不機嫌になるとは思っていなかったので、ホッとしている。

拓也の名誉のために説明しておくと、拓也はいかにも人当たりの良さそうなタイプだし、顔立ちもなかなか悪くない。ただ、瑠奈が興味がないので、とことん無愛想なのである。


口をきいたと思ったら、いつものペースで食べ始めたので、拓也はさらに驚いている。ビールも学や拓也のペースに遅れをとらず。そんなわけで、拓也は瑠奈に驚かされっぱなしである。瑠奈は口数は相変わらず少ないが、酒の力で多少の会話はできるようになっている。

「瑠奈ちゃんって俺のイメージと全然ちがったから、びっくりだよ。」

拓也がつい本音を口にした。

「はぁ?イメージ?私はね、このまんまなの!勝手なイメージ持たないでください!」

「言うねえ。」

苦笑する拓也に学が追い討ちをかける。

「フン。目が覚めたか。だから言っただろが。」

「ハハハ!瑠奈ちゃんといると飽きないよ。」

「拓也〜。お前は懲りない奴だな〜。」

「瑠奈ちゃ〜ん!今度はこいつ抜きで会ってくださーい!」

「いやです~!」

瑠奈は酔っぱらって、少々テンションが高い。

「どーしてー?」

「人見知りだからでーす!」

「今日から知り合いだよー?」

拓也は次の約束につなげようと、こんなやりとりを何回か試みたが、酔っぱらってもココは変わらないようだ。

「しつこい人は苦手でーす。ごちそうさま~。おやすみなさーい!」

最後にはこう言って、一人で帰っていってしまった。


「学、ありがとな。瑠奈ちゃん、イメージとは違ったけど、面白い!」

「お前、ホントに変わってんなあ。」

「決めた!瑠奈ちゃん気に入った!」

「ハイハイ。じゃあ明日、学校でな。」

「おう。おやすみ!」


「げ!」

学は駅で拓也と別れてからLINEを見て思わず声を上げてしまった。焼き肉屋にいる間に瑠奈が入れたメッセージを今さら読み、明日が怖くなった学であった。

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