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朝。

うっすらと明るくなってきた時、学が目を覚ました。一糸纏わぬ腕の中には、一糸纏わぬ瑠奈が眠っている。

「瑠奈…。」

学は小さく呟くように名前を呼んで抱きしめた。セックスがこんなにドキドキすることだったのかと、昨夜のことを思い出して、もっと愛おしくなった。学は、そんなに遊んでいたわけではないが、経験はある。興味本位だったり、身体だけが満たされることが当たり前だと思っていた。瑠奈の素肌を感じて、またまどろむ。


温かい、包まれている感覚の中で瑠奈が目を覚ました。目の前の素肌にギョッとする。そーっと様子を見ると、学に抱きしめられて眠っていたらしいと理解できた。昨夜のことを思い出して、異常な恥ずかしさを感じてオタオタしていたら学が目を覚ました。

「おはよう。」

学は優しい目でじっと見つめて、額にキスをする。瑠奈は照れまくって赤くなっている。

…レ、レディースコミックみたいなことしちゃった。恥ずかし〜‼︎

学に委ねていたとはいえ、自分自身が、そんなことをするときが来るなんて、などと頭を巡るのは昨夜のことばかり。

「シャワー浴びてくるわ。」

学がベッドから起き上がってバスルームに向かう。瑠奈は裸の後ろ姿を見てまた赤くなる。


「瑠奈もシャワー浴びてきたら?」

「だって…。」

浴びに行きたいけど、この姿でベッドから出るのが恥ずかしいのだ。服はあちこちに散乱している。上半身を起こして、毛布で体を隠していると、学がバスタオルを投げた。

「ホラ。」

「ありがと。」


シャワーを浴びながら、また思い出す。

「こんなコトばっかり考えてる私って、淫乱?」

シャワーの音に紛れて独り言を言ってみる。

「わ、忘れないと!恥ずかしくて顔が見れない!」

痛いくらいの水圧で洗い流す。


「しまった…!」

バスルームのドアを開けた瞬間に瑠奈が言う。

服を脱ぎ捨てたまま、持ってきてなかったのだ。バスタオルを巻いて、そーっと部屋の中を歩く。と、そこで学が振り返った。

「見ないでっ!」

慌ててタオルを押さえると、学がクククと笑う。

「何がおかしいんだよ!」

「ずいぶん恥ずかしがるんだな。」

“友達”だった頃の瑠奈は、恥じらいとは程遠かっただけに、このギャップは新鮮で、愛おしくさえ感じるのだ。しかし、瑠奈には、それを気づく余裕すらない。いきなりの恋に、未だに戸惑っているのだ。

「…いいけどね。そんな瑠奈も色っぽい。」

学はニヤリとして、壁に張り付いて固まる瑠奈に壁ドンをする。

「あ、あわわ…。」

「ベッドに戻る?」

学の手が白い肩をなでる。瑠奈が固まる。

「フフフ。可愛い!冗談だよ。早く着替えな。」

笑って抱きしめる。

ホッとしたような、ちょっと惜しかったような気持ちで着替えて化粧をする瑠奈だった。

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