表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/51

一生のお願いvs一生のお願い。

『瑠奈ちゃんとのセッティングをしてくれ。頼むから。一生のお願いだ。』

イヤな予感がしたので、あえて拓也からの電話に出ないようにしていたらLINEが来た。

…勘弁してくれ。俺の方こそ一生のお願いだ。

拓也が思っていた以上に熱烈なことに対する驚きと、拓也への罪悪感で学は悶々としている。

…拓也、ごめん。横取りしようとか、裏切るとか、そんなつもりは微塵もなかったんだよ。でも、気づいたら、惚れちまってたんだ。最初にセッティングを頼まれたときは、本当に何とも思っていなったんだ。ああ、なんて言おう。

派手な着メロにドキッとする。画面を見ると、姉の佳奈からだ。

「久しぶり~。その後どう?瑠奈ちゃん元気にしてる?」

「…実はそのことなんだけど…。」

「何?まさか、フラれたの?」

こういうことをあっさり言い放つ姉だが、意外に要領が良いので、何か知恵を貸してくれるかもしれないと、話すことにした。

「いや、そうじゃなくって…。」

「あらあら。そうだったの?それはお友達とのことが気がかりね。」

一通り話すと、佳奈は驚きながらも、相手が瑠奈ということで弾んだ空気が伝わってくる。

「どう思う?友達も瑠奈も両方、手にしていたいと思うことは、いけないんだろうか?」

「そんなことないわよ。どっちも大事なんだから。まあ、そう思うなら、少しでも早く正直に話すべきね。あとは、ご縁ね。」

「ご縁?」

「そう。ご縁。一時的に気まずくなっても、ご縁があればまた仲良くなれるわよ。」

「そうだと良いけど。」

「大丈夫よ。本当の友達だったらね。それより、学校サボって雲隠れなんかすんじゃないわよ。」

「なんでわかるんだよ?」

「小さな頃から、都合が悪くなると雲隠れの術、使ってたじゃない。」

「そうだった?」

「そうだったのよ!アンタが雲隠れするたびに、私が共犯の疑惑がかけられたんですからね!」

佳奈に記憶にはない、苦い過去の話とアドバイスをもらって、電話を切った学は、意を決して、通話ボタンを押した。

…神様!一生のお願いです。拓也に許して欲しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ