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改めて。

「やっと顔を上げた。強引に襲ったりしないよ。」

学は、ホッとした表情かおをする瑠奈を見て、いきなり押し倒さなくて良かったと思う反面、寂しく思う。

…ホントは、抱きたいけどさ。さすがにこんなにウブだとは。


「遅くなっちゃったから、今日はもう送っていくよ。」

「そんな…。」

瑠奈が悲しそうに学を見る。

「駄々こねないの。朝、迎えに行くから。」

学としては、一緒にいたいが、見た目とは違ってウブな瑠奈と一晩を過ごすことは、自信がないのだ。


抱きしめて、額にキスをすると、瑠奈はまた赤くなった。

「今、動かないと、本当に帰さないぞ。」

抱きしめたままそう言うと、瑠奈がジタバタする。

「か、帰る!帰ります!」

慌てる様子を見て学はクスクス笑う。


歩いて帰る道のりは、見慣れている景色。なのに手をつないでいるだけで、違って見える。

「あの…。こういうのって、恥ずかしいんだけど。」

「そう?俺は、瑠奈と手をつなげて嬉しいよ。」

「これってカップルみたい。」

学が思わず吹き出す。

「あの…。今日から俺の彼女なんだけど?」

瑠奈の顔を覗き込むように言うと、瑠奈はまた赤くなる。

「瑠奈といるとホントに飽きないな。」

「人を飽きないとかかわいいとか、ホントに失礼な奴だな!」

瑠奈は本気で恥ずかしくてたまらないのだが、その反応が学には、可愛くてたまらない。瑠奈は本当に恋愛にはオクテで恐ろしく免疫がないのだ。

「褒めてんだよ。そこまで免疫ないと思ってなかったから。」

「もう!そんなことばっかり言うな!」

瑠奈はずっと顔が赤いままだ。こんなに照れ続けることは、普通なら難しいだろう。

瑠奈の家まであと数メートルのところで、学が瑠奈の顎を引き寄せて唇を重ねる。

「おやすみのキス。」

優しく微笑む学。

「学って、キス魔?」

「す、好きならこれくらいキスするのが普通なの!」

瑠奈が赤い顔のまま、キョトンとして聞くので、今度は学が赤くなってしまった。そして瑠奈の前に直立して言った。

「改めて、言います。俺と付き合ってください!」

「は、はい。」

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