表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/51

ケーキバイキング。

イライライライライライラ……。大股で歩いて、気づいたら駅にいた。イライライライライライラ……。次に気づいた時には知らない街を歩いていた。夢中で歩いていくうちに、電車に当てずっぽうに乗っていたようだ。

「あー!くそー!めんどくせーんだよ。もう近づくんじゃねー!」

人目を気にせずに叫んでみる。

「腹減った!何か食おう!」

店を物色してみるも、食べたいものが思いつかないので、またイライラしてくる。

「迷ってる?」

「まあね。」

「迷うなら、ケーキバイキング行きましょ。」

…誰?一人で行動していたはずなのに。

不思議に思って振り返ると、春奈がいたずらっぽく笑っていた。

「どうして?」

「私も、ムシャクシャしてたから、飛び出してきちゃった。さあ、行くわよ!モトを取りに!」

春奈がガシッと瑠奈の腕を掴み、勢いよく歩き出す。

「ちょ、ちょっと!店、知ってんの?」

「当たり前よ。この界隈は高校時代の庭みたいなモノだったんだから。お気に入りのケーキバイキングに案内するわよ!」

張り切って歩く春奈はワクワクしたオーラ満開で、そしてなんだか頼もしい。

案内されたのは、ホテル内のカフェ。ジーンズでもOKな気軽な場所だ。

「オシャレなトコだね。ホントにジーンズでも大丈夫?」

「もちろん!さ。入ろ!ガッツリ食べよう!」

席に座ると、店員がワゴンを押してやってきた。ワゴンには見本のケーキが何種類も乗っている。一つのケーキが瑠奈の目に留まる。

「これはフランボワーズ?」

瑠奈は濃いピンクのソースにマカロンが乗ったケーキを指さす。

「はい。フランボワーズのムースです。」

「やっぱりねー。瑠奈は真っ先にそれを食べると思ったわ。」

春奈はちょっとだけ得意げに微笑わらう。

「レアチーズケーキも、オススメよ。ソースが選べるの。」

「もしかして…?」

「フランボワーズソースも、あるわよ。」

二人のやりとりを見て、店員が微笑む。

「まだ後からオーダーできるので一度にたくさんオーダーしなくても大丈夫ですよ。」

「は。はいっ!」

慌ててオーダーを一旦〆る。


「おいし〜!」

感動の声を上げる二人。それぞれの皿には、フランボワーズのムース、チョコタルト、イチゴショート、レアチーズケーキ、マンゴープリンなど、ケーキがにぎやかに盛られている。

「やっと瑠奈をここに連れて来れた。絶対に気にいると思ってたんだけど、」意外にタイミングが合わなくてね。」

「春奈。ありがとう!もう感動!」

「まだ早いわよ。ここ、マカロンもバイキングに含まれてるのよ!」

「すご〜い!」

瑠奈はマカロンが大好きなのだ。

「フランボワーズばっかり5個とか頼んでも平気?」

「アハハ!大丈夫よ。フランボワーズもいいけど、私のオススメはキャラメル・サレよ。」

「じゃあ、それも食べよっと。」

子供みたいなはしゃぎっぷりに春奈もニコニコだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ