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学のため息。

「ねえ、瑠奈。拓也君のこと、どう思ってるの?」

週明けの昼休み。大学の学食でのこと。

「学の友達。」

めんどくさい話題に瑠奈は一瞬、顔をしかめる。

…学のヤツ、ちゃんと断ってくれたんだろうな。

めんどくさいことが苦手な瑠奈はモヤモヤしだした。ごまかすようにお茶を飲む。

「私、こないだの週末、拓也君と一緒に過ごしたじゃない?あれ以来、拓也君のことばかり考えてるの。」

ーゲホッ!

思いがけないカミングアウトに咳き込んでしまった。

「…そ、そうなんだー。いいんじゃない?」

「でも、拓也君は瑠奈のことが好きなの。応援しようと思っていたのに、私が気になるようになっちゃって…。」

困った表情かおをしてうつむく春奈。

「拓也君のことは、学に断ってもらうことにしてるよ。私は春奈を応援したい。」

「瑠奈…。」

春奈はホッとした、しかし心細い表情かおをする。

「拓也君と私が並んでるところ、想像つく?拓也君には、春奈みたいな可愛い女の子らしいがお似合いだと思うよ。」

「瑠奈。ありがと。なんか少し自信ついた。」

「まあ、そんなワケだから、拓也君とご一緒する用事は勘弁ってコトで。」

「わかった。…しかし、困ったな。それだとダブルデートを口実にはできないもんね。」

「だねー。うまく誘えるといいね。」


一方、学と拓也はといえば、ファミレスでランチをして、そのまま午後の講義をサボる算段で長居している。

「拓也。瑠奈のことだけど。」

ドキッとする拓也。

「何?」

拓也は平静を装い、聞き返す。

「その気は、ないらしいんだ。そういうの苦手と言っていた。」

「そっか…。近づけたところだったから、期待していたんだけど。」

「まあ、アレだぞ。普通の女の子の方が、お前に合っていると思うぞ。」

「普通のって?」

瑠奈あいつみたいのじゃない女の子。お前、瑠奈あいつの本性、知ってるだろう?」

「瑠奈ちゃんは、見た目とのギャップがまた気に入ったんだよ。男前な美人さん。ついていきたい!」

…ダメだ。瑠奈、済まない。約束通り断ったが、説得できなかった。

学がため息をつく。

「なんだよ。そのため息。」

「俺は、伝えたぞ。お前に、瑠奈からの伝言を伝えたぞ?」

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