7話:スキル派生と取得
気絶させた女の子は黒目黒髪で性格が弱々しそうな雰囲気を纏っている。
起きた途端に襲いかかられては困るため一応手足を縛っている。
今俺はスキル、気配察知の練習をしている。気配察知で一番に思いついたのは、戦争映画とかで出てくる潜水艦のソナーで、ぐるぐる回ってピコーン、ピコーンとなるやつである。
そのイメージを20分程していると、脳内で'何か'が回り始めたのだ。
俺のすぐ横に赤い点が点滅している。この反応は気絶している女の子だろう。効果は半径10メートル程で精神力を使うので常人発動というわけにはいかないだろう。
気絶してから30分程たったのだが、女の子が目を覚ます気配もない。仕方ないので今後必要になるだろうスキルを取得するため奮闘することにした。
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辺りにある石を投げる事だけに意識をむける。いし、だけに……
ふん、ドカン、ふん、ドカン、ふん、ドカン、ふん、ドカン、…………
肩、痛い………
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川の中に入り(濡れるのが嫌なので服を全て脱いだ。下着も)流れてくる水から'逃げる'ことに意識を向け、下流へと走る。
あ、結構流れが…速っ……足が……ブヘ(転んだ)ア~レ~~、ブクブク。
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水の上を走るぜ!
ジャブジャブジャブジャブ(沈んでます)
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空を走るぜ!
シュタタタタタタ(ただのもも上げ)
※※※ ※※※ ※※※
パンチの練習をするぜ。
アタタタタタタタ!
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ハァハァハァ。
疲れた……。さてさて、どんなスキルが手に入ったかな?
[超能力:<適応(暑さ適応{耐性}:60%)(疲労適応{耐性}:75%)(視力適応{暗闇}:32%)(スキル取得適応{促進}:58%)※変化したものだけ表示
スキル:<レーダーLv2><地道作業Lv3><投擲術Lv2><逃走術Lv1><泳ぎLv1><無呼吸運動Lv1><水蹴術Lv1><水上走術Lv1><空蹴術Lv1><空中走術Lv1><拳殴術Lv1><闘術Lv1>
残り:77119人]
[説明:スキル<レーダー>:気配察知の派生スキル。生物を探知する。]
[説明:スキル<地道作業>:地道な作業をしている時疲れにくくなる]
[説明:スキル<投擲>:投擲の威力にプラス補正。疲れにくくなる]
[説明:スキル<逃走術>:逃げる時の速度をプラス補正。疲れにくくなる]
[説明:スキル<泳ぎ>:泳ぎやすくなる。泳ぐ速度にプラス補正。疲れにくくなる]
[説明:スキル<無呼吸運動>:無呼吸で運動する時全てにプラス補正。疲れにくくなる]
[説明:スキル<水蹴術>:水を蹴る瞬間水を固体化させる]
[説明:スキル<水上走術>:スキル<水蹴術>よって固体化させた水に乗り、蹴る事で水上を走る事が可能]
[説明:スキル<空蹴術>:空気を蹴る瞬間空気を固体化させる]
[説明:スキル<空中走術>:スキル<空蹴術>によって固体化した空気に乗り蹴る事で空中を走る事が可能]
[説明:スキル<拳殴術>拳で殴る時威力にプラス補正]
[説明:スキル<闘術>:闘う時、身体能力にプラス補正]
ふむふむ、結構いいスキルがてに入ったな。さて、女の子は起きたかな?
女の子の方を向いて……目があった。
俺は今全裸であるわけでして……
「…………」
「………」
「……」
「……」
ち、沈黙はやめてぇぇぇぇ!!
「い、いつから見てたの?」
「か、川に入る所から…です」
それ服脱いだ時じゃないですか、ヤダーー。
全裸な男がもも上げをしている所や拳を突き出している所を想像してみる……気持ち悪!
イヤァァァ、お嫁さんにいけないいいぃぃ!!
………
……
…
「オホン。起きたようだね、頭打ったみたいだけど大丈夫?」
なかった事にしました。
「あ、大丈夫です。わ、私、戦えませんからどうか見逃してください。殺さないでください…お願いします」
「ね、知ってる?生き残るためには7人以下にならないとダメなんだよ?殺せるやつは殺した方が生き残れる可能性が高くなるんだ」
「お、お願いします。どうか、どうか殺さないでください」
泣きながら懇願してくる。
「もし俺が殺さなくっても、君は死ぬよ?食料もないし、いつかは人に見つかる」
「!だったらどうすれば……お、お願いします。い、一緒に連れていってください、何でも、何でもしますから」
何でも、ねぇ。俺はちらりと女の子の胸もみる。少し膨らんでいる程度だ。
「対価を貰うぞ」
「っ!わ、私、何も持っていなくて……」
「まだ差し出せるものはあるだろ?」
「っ!わ、私の貧相な体で良ければ……ですからどうかお願いします」
自分から言ったか…覚悟は出来ている、のか。
「毎日何回もするぞ?」
「は、はい。た、助けてもらえるなら大丈夫です」
「ふ~ん。じゃ、連れていってあげる」
縄をほどいてあげる。逃げたら殺すか…
「ありがとうございます」
逃げないか…
「腹、減ってるだろ?これ、やるよ」
トランクから弁当とペットボトルを取り出し渡す。
「ありがとうございます。こ、これはどうやって?」
「人を殺したら手に入る」
「っ!」
女の子は一瞬ビクッと体を震わせたが、何も言わずご飯を食べ始めた。
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「食い終わったな。じゃ、早速相手をしてもらうぞ」
「は、初めてなので、優しくしてください。」
女の子は頬を染めながら恥ずかしそうにいった。
ヤるのは初めてじゃないが、外では初めてだな…。