4年後の未来
ガチャリ
鎖の音が鳴る。私は暗い牢の中、鎖に繋がれていた。運命に操られながらも、頑張ってみようと決意したあの日から約4年。私が、治めていた国はすでに無くなっていた。隣国に攻め入られ、降伏したのだ。国をほろぼろにされないうちに、と。国が吸収されただけで、みんな幸せに暮らしている。私以外は。
私の治めていた国と攻め入った隣国は、同じ神話を信じている国だった。ただ、信仰していた神は違う。神話には二神の神がいて、それぞれ私の国と隣国を守っていた。その神々は双子であり、対であり、対立しているとされた。そのために自国の神の許しを得たとされている私は処刑されることとなったのだった。私は神に許された日、つまり私の誕生日に処刑されることになった。そしてその日はすでに三日後へと迫っていた。太陽の光はすでに消えた。また一日、その日に近づく。ああ、もし、あの時こちらに戻って来なければ、この国から逃げ切れていれば、きっと私は幸せだっただろうに。そうだ、きっと。
全てを忘れること。そして思い出さないこと。それがきっと私にとっての幸せ。だから…
私はまたメールを送る。四年前の私へと。
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