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 「私のほうがカケルの字を見慣れているので、代わりに読み上げましょうか」

 そうユーグさんに提案されたジェネシズさんは、読む事を投げて書類を渡した。うん、頑張らなくていいよ。

 書類を手に取ったユーグさんは、空いてる椅子に腰を掛けた。すると、当然のようにサーラがちょこんとユーグさんの膝の上に座る。え……っと?

 ジェネシズさんが気にする様子が無い所を見ると、これは日常風景なんだろう。

 私も見なかったことにした。だって、サーラ怖いし。

 ユーグさんは、サーラの頭を撫でながら、反対の手に持つ書類を読んだ。


 一、姉ちゃんを『ウンノ』と呼び、ジェネの従者とすること。

 二、国境近くまではこちらの竜騎兵隊が送ること。帰りも連絡あれば迎えに行くこと。

 三、ジェネは、姉ちゃんを最優先で守ること。

 四、姉ちゃんは、とにかくジェネに守られること。

 五、姉ちゃんの食事は何よりも気を使うこと。

 六、姉ちゃんには悪い虫が付かないように考慮すること。

 七、姉ちゃんには……

 ……

 ……

 ……


「アホーーーーーーーーーーーーー!!」

 思わず叫んでしまったよ!

 四まではなんとか耐えることが出来たが、なんだこの過保護っぷりは!

「愛されてますね」なんてユーグさんはニコニコしてるし、それをみたサーラが殺気を私にだけ分かるように向けるし(しかも小声で「そんな価値もないのに」っていうの聞こえちゃったよ!)、ジェネシズさんは眉間の皺をもっと深くしていた。

 私が翔への怒りでいっぱいな横で、ユーグさんはジェネシズさんにコソッと耳打ちしたのが見えたけれど、内容まではわからない。きっと翔のアホさに呆れただけだろうけどね。

「ともかく、出発は明日の夜を予定しています。姉君様……」

 ユーグさんはいったん言葉を切り、もう一度言い直した。

「ウンノ様の存在は極秘事項でして、出歩かないようにお願いいたします。それから、こちらの部屋から程近い所に簡素な調理場がありますので、ご自由にお使いください。サーラたんが調理器具や食材を揃えますから何でも申し付けてください」

 ……ちょっと! 今さりげなく『サーラたん』って言ったでしょ!?

 ゾクゾクっと鳥肌が立つのを両腕で擦ってたら、ジェネシズさんが目を合わせ、小さく頷いた。多分『気持ちは分かるが堪えてくれ』だと思う。この二人は相当のバカップルとして周知されているのね! なんとも迷惑な話だ。

「じゃあ、早速その調理場へ連れてっていただけますか?」

 この空気にいたたまれなかったので、話題をそらした。

「ええ、いいですよ。じゃあサーラたんお願いしますね」

「はいユーグたん。お任せください」

 ああ! 見てられないわ!!

 私はジェネシズさんに近寄り「耐えられないです」と、そっと声をかければ、「無心になれ」と、なんとも頼もしいお答えが返ってきた。

 ……そうか、心を無にしてやり過ごすしかないのか……




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