戦争 勃発 平和 最強なのに
「て、わけでついでに西の方でやってる戦争止めて来てちょうだい」
ここに、買い物ついでと言わんばかりに戦争を止めてこいと言われる男がいるんですよぉ〜、なぁにぃ〜!?やっちまってないしむしろ嬉々として向かうんですけどねってわけでサイキョウです。
和からそんな頼まれごとをされてアルテマと共にやって来ました西の方!漠然としてるって?だって!
「西側全土の大規模戦争、こんなのどうしろって言うんだ!」
アルテマが頭抱えて嘆いてる通りまさかの西全部で戦いあってるそうです、魔王はいないし魔物もほとんどいないのに今度は人どうし、うーん嫌になる嫌になる、いっそ自分が魔王か王になって世界統一した方が平和かもしれない…3日で崩壊しそうだからしないけど。
「まずは私達でも止められそうな所にいくか、あそことか小規模の戦いだな行こうか」
おめぇなら全部止めれるんじゃないかった?できらぁ!でもそれってヘイトが全部自分に向かうだけですよね?強いならまだしもただ鬱陶しいのにひたすら日々の生活邪魔されるのは勘弁だずぇ、この前じゃャンケンしたあの子レベルになってから来るんだなぁ!
「おい!やめるんだ!何故争いなんてしてるんだ!」
「何故!?何故も何もねぇ!コイツら俺たちの村襲って子供も女も見境無く殺していきやがった!何故もクソもあるか!!」
わぁおそれは酷すぎぃ!!どうやったらそんなムーブ出来るんですかねぇ。
「こんのバケモン共揃いも揃って家畜も畑も家も、何もかんも壊していきやがったんだ!それで飢えで寒さで死んでった奴らが何十といるんだ!許せるわけがねぇ!」
えぇ、こっちも酷いことされすんぎでは?どっちが先かでだいぶ変わって来ますねこりゃ。
「な、何を言ってるんだこの魔族達は、話しが全然通じないぞ」
アルテマさんはなーにを言ってるんだ?今思いっきり理由大声で言ってくれたじゃないですか、つか魔族ってなんぞ?魔物の人版ってこと?人間にしか見えないけど。
「おい!コイツらにも村を襲われた記憶があるぞ!殺せ殺せ!!」
待て待て待て!百歩譲ってアルテマさんは立場的に仕事で仕方なく(性格的にしなさそうだが)してそうだが自分そもそも村なんて襲ってないぞ!?そもそも襲うもしたことはないけど!…前回の霧島君達は襲うかももしかして!やっぱ一回はあったけどそれ以降はしてないぞ!
「クソ!やはり魔族は話しが通じないな!殺すしかないか!」
待て待て待て!アルテマさんまで血気盛んすぎでしょ!?あぁもう!!とりあえずいっぺん気絶しとけ全員!!
―――
「おぉい和、帰ってきたよぉ」
さすがに早すぎない?行って帰って来たぐらいの時間しか経ってないのだけど、まぁそれでもやってきそうなのがサイキョウだけど。
「いや、終わってはないんだ、ただどうしても聞きたいことがあってさ、『魔族』って知ってる?」
知ってるも何も今回の戦争の理由が魔族同士の領土争いに巻き込まれた形の三つ巴なのだけど?…え?魔族の特徴?特徴って人と同じ二足歩行である以外は見た目も性格もバラバラ、ただどんな性格でも根っこの凶暴性は共通なのか必ず争いになるわね…ってどうしたのそんな辛気臭い顔して。魔族は信じずサーチアンドデストロイぐらいが丁度良いわよ。
「ふぅん、人間の言葉は喋るかい?」
魔族が?うなわけないじゃない見た目は人型だけど全然喋れないわ、魔族同士は通じてる時があるみたいだけど全員って感じではないわ。
「…そっかぁ神の視点でもそう見えるし、聞こえるか」
サイキョウには違って見えてるの?見えてたとして何に見えてるって言うのよ。
「いや、どうせ忘れるから気にしないで、…短かったけど再開出来て嬉しかったよ」
なんでそんなお別れみたいなことを―――
「嫌になるね、自分の強さにバイバイ和、またねは他人だ今度こそ」
―――
気絶させたアルテマの所まで戻って来て、記憶を覗く、争っていた両方の人間が魔族に見えていたようだ、続いて争っていた片方の人間の記憶を覗く、味方は人間で敵は魔族に見えているようだ。
この洗脳、西側だけでなく世界全土、しかも神様である和にも作用する強力っぷり、最高神かそれに近い力を持ったやつがやってやがる、しかも直接じゃなく霧島と同じように能力だけ人間に与えた感じだ、じゃなきゃとっくに居場所特定して体をおさらばさしてるはずだ。
なめくさりやがって、完全に人間を娯楽の道具程度にしか考えてない奴の発想、しかもバレても自分がやったわけじゃないと言い訳できるように他人に力をなすりつけて見る悦だけを味わってやがる。
うじゃ探しますか!え、西側だけでも何人いると思ってんだ無理だろって?
なぁに巻き戻し犯見つける時に思ったんだよね、流石に特定出来ないの大変だって、なぁーのぉーでぇー特殊能力持ちを特定出来るようになっときましたぁ…どうやって?霧島と一般人には僅かに違いがあることに直接見た事で気づいたので後はちょちょいのちょいですよ!
てなわけで脳内説明してる間に見つけたのでしばきます。
―――
敵視点かと思ったかい?残念またサイキョウです。あっさりと言うか語ることも無いぐらいに性格悪い人だったので挨拶も無しにお亡くなりさせました、もちろん能力を与えた最高神もお亡くなりさせました、一人と一神、両方何か語ることなく消したので、話すことがないのよねこれが。
どっちかって言うと後処理の方が大変というかこれのせいで和に別れの挨拶したというか。
使ってた人を倒したら元に戻る、戻らないどっちでも面倒なのですよ!元に戻った場合今まで自分達が殺してたのは同じ人間、しかも女性も子供も遠慮なく、みんな発狂だ〜⭐︎戻らない場合、戦争続きます、うーんこのクソ能力、能力というか使い方というか。
ちな今回は戻りました、みんな発狂しはじめてますねぇ。
神である和すら影響を受けていたため、世界中全員の記憶に干渉しなくてはいけないって面倒すぎません?やりますけども。
で、流石に世界規模を同時となると代償、というか大雑把にしか消せないのでまず初めに自分の記憶を埋め込みます、ブワァー…完了です。
次に自分に関する記憶を消去に紐付けして洗脳されてた間の記憶を消します、サァー…完了です。
てなわけでぼっちになりました。悲しいね。
―――…いや別視点でも時間経過してる場合でもないな戦争で亡くなった人めちゃくそに可哀想じゃねぇか…いっちょ蘇らせに行くか、地獄とか天国ってあんのか?まぁなくても魂ぐらい引きずり出してみせるが。
―――
西の人達が一斉に蘇ったって聞いた時は何事かと思ったけど結局何が起きて何で死んで何で蘇ったか誰もわからないってのは怖すぎるわね、生きてるならまぁ別段良いけども。
「おぉい和ぁ更新お願いしまーす」
「神様と呼べ!神様と!」
西の大蘇生事件について考えていたらあたしのことを馴れ馴れしく呼ぶ声が聞こえて来たいつもいつも何の才能もない平凡君は名前で呼んでくるのかしら、メンタルだけは一丁前ね。
「それでまた更新?一年に一回で良いって言ってるでしょ?」
「和に会いに来てるんだから良いんだよ!」
神様であるあたしを口説こうとしてくるのはこいつだけかも知れないな、ま、実際に口説かれたことは無いから本気かどうかわからないが。
「最強にはなれそう?」
「まだまだかな!」
さっさと更新作業を終わらせるといつも聞くことを聞いて話しを切り上げる、あなただけに時間をかけるわけにはいかないからね。
いつも通り平凡、いつも通り平均的なステータス、せっかく更新してるというのに何の変化もないっていうのは彼が言う最強には本当にまだまだ先みたいで可哀想に思う。
唯一個性があるとすれば特殊能力の欄に記されている解読不明の文字だが特別何かが起きたりしてるわけではないので条件が厳しいか発動してあのステータスなのかそれもわからない、あたしにもわからないなんてあるんだと思いながらサイキョウが出ていくのを見送る、それがあるからかついつい目で追っちゃうのよねぇ。…え、本当にそうよね?恋とかじゃないわよね?
―――
特殊能力『絶勝絶負(必ず不幸)』
最後は必ずあなたにとって不幸せなことが起きる。
あぁ…また一人、まぁ誰も死ななかったから良しとしよう、やっぱり寂しいからって人と関わるべきじゃないのだろうか、まぁ、また和に会いに来てる時点で関わる気まんまんだが…こういうのって二度と会わないようにするもんじゃないかって?知るか、そんなメンタルしてんなら世界何度も救ってないぞ!
はぁ…いつかこの能力を乗り越える時が来るんだろうか。
最強なのに!